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櫻坂46&日向坂46、『紅白』選出の明暗を分けたもの 特性活かした返り咲きへのヒントも

2023年11月17日 23時50分00秒 | 坂道グループ

こ~んばん~わ


 今年の『第74回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表され、櫻坂46が2年ぶりに出場することが決まった。一度選外となった女性グループが再度選ばれるのは珍しく、この復活劇には注目が集まりそうだ。一方で、姉妹グループの日向坂46は残念ながら落選となった。坂道グループとしては2年連続で2枠にとどまり、今後に不安が残る結果だ。個々のグループの好不調は常にあるだろう。しかし、かつてのようにヒット曲を連発することができなくなってきている坂道は今、系列グループ全体として考えるべき段階にあると言える。そうした意味でも、今回の櫻坂46の“返り咲き”にはヒントが多い。

 櫻坂46が再選できた理由の一つとして考えられるのが、6thシングル曲「Start over!」の評価の高さだ。今年6月にリリースされたこの曲は、現代のアイドルグループらしいダンサブルなサウンドでありながら、歌詞のメッセージ性が強く、独特の振り付けも印象的。聴く者の心を揺さぶる歌詞や、観る者の目を釘づけにする高度なパフォーマンスが受けている。


櫻坂46『Start over!』

 その人気は数字にも顕著だ。YouTubeでのMV再生数は770万回超え(11月17日現在)。これは今年公開された坂道グループの全シングル表題曲MVの中でトップの再生数である。CDの売り上げ枚数もこのシングルで自己最高初週売上を記録した。それまで櫻坂46の初週売上は下落傾向にあったが、この曲のリリースを機に復調。10月に発売された最新シングル『承認欲求』でも記録を更新し、上昇ムードに転じている。


櫻坂46『Start over!』

 また、積極的なライブ活動も功を奏したと考えられる。『紅白歌合戦』は出場歌手の選考基準を明確にしているが、その中にはCDの売り上げや世論の支持といった項目のほかにライブ実績も含まれる(※1)。櫻坂46は今年、数多くのライブイベントに出演した。自身のツアーやワンマンライブなどに加えて、音楽イベントやロックフェスでもパフォーマンスを披露。こうしたライブ重視の活動スタイルが、今回の復活劇を生んだ要因の一つなのは間違いない。

 さらに言えば、今年の『紅白歌合戦』は「ボーダレス」というテーマを掲げている。櫻坂46は7月にフランス・パリで開催された『Japan Expo Paris 2023』へ出演し、8月にはマレーシア・クアラルンプールにて開催された『Japan Expo Malaysia 2023』にも出演した。こうした海外のイベントにも果敢に挑戦する姿勢が、『紅白』選出の一助になったと言えるだろう。


櫻坂46『承認欲求』

 パフォーマンスに注力する傍ら、メディアへの露出も欠かさなかった。例えばキャプテンの松田里奈は全国ツアーの最中にも、レギュラーを務める朝の情報番組『THE TIME,』(TBS系)へ出演し、司会の安住紳一郎アナウンサーに「一人24時間テレビですよね」と驚かれていたことがあった。テレビだけでなく、ファッション誌の専属モデルの抜擢やラジオの冠番組のスタートなども目立つ年だった。こうした多方面での地道な努力が実を結んだのだ。

 では、今年出場が叶わなかった日向坂46は、今後どう活路を見出せばよいだろうか。

 可能性があるとすれば、SNSは一つの足掛かりとなるのではないか。今年の初出場組のうち、新しい学校のリーダーズやanoといった若い世代に人気のアーティストは、SNS上での存在感が強い。首振りダンスが話題となった新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」は2023年のTikTok上半期トレンド大賞を受賞し、“ゲロチューダンス”が話題となったano「ちゅ、多様性。」も同賞にノミネートされていた。

 こうした例に見られるように、SNSでイニシアティブを握ることは、現在の音楽シーンにおける新しいヒットの形となっている。それは日向坂46というグループの特徴とそこまで相性が悪くない。1stシングル曲「キュン」の振り付けから話題となったキュンキュンダンスや、「アザトカワイイ」で反響を集めた片想いハートなど、今までも何度もSNS上で話題を生み出してきた実績があるからだ。


日向坂46 『キュン』

 こうしたグループの特性を後押しするように、日向坂46は今年新たなYouTubeチャンネル「日向坂ちゃんねる」を開設している。ネット上のツールを活用して、日向坂46の強みを発揮できれば、まだまだ復活できるポテンシャルは十分にあるだろう。

※1:https://www.nhk.or.jp/kouhaku/artist74/description.html

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