
先日、FBにて石井先生もつぶやいていた、私も録画していたNHKドキュメント72時間「最北のバス停で」、今回は日本最北端の宗谷岬のバス停で年越しをする人たちの3日間を記録しました。
純粋に旅で訪れる人や昔から憧れていてたどり着いた人、社会に出る前の最後の旅として選んだ人、仕事やプライベートでいろんな事があり思い立ってここに来た人、何もかも忘れたくて現実逃避に来た人などなど、旅人一人一人にそれぞれのうちに秘めた思いがありました。
宗谷岬のバス停は私にとっても一人旅をしていた頃の懐かしいバス停です。
高校卒業前の最後の冬休みの旅として九州一週間の電車旅をしました。
その時に目指したのが本土最南端の佐田岬、最南端のバス停から佐田岬の先端に立った時に思ったのが「いつか宗谷岬に行きたい」という事でした。
この旅は私にとって初めての県外一人旅で、この経験があったからこそ自分一人で長旅を成し遂げた経験が自信につながり人生の旅人として歩む事が出来たのだと思います。
それから確か5年後に宗谷岬への旅に出たと思います。
上野から札幌まで「北斗星」に乗り、札幌から稚内まで急行「利尻」で、稚内から宗谷岬までは路線バスでした。
私自身もアルビノの事を知らない時代「自分は何者なのか…」思い悩んで自分探しをしていた頃でした。
電車旅は、時間はかかりますが車窓から見える人々の暮らしが感じられる街並みや街灯り、そして人の営みによって作られた田畑の風景に自然の海や川や山々、そして同じく旅をする仲間たちとの出会いに旅先の地元の方々との出会い、本当に一つ一つの経験が私を成長させてくれました。
私は学校の勉強は何一つできませんでしたが日本中を一人旅していろんな経験をして、いろんな人たちとの出会いの中で決して学校では学べなかった多くの事を学ばせていただきました。
宗谷岬にたどり着き、冷たく強い風にさらされ冷たく重い海を眺めながら、ただ一人時間が経つのを忘れ佇んでおりました。
そんな長い時間ではありませんでしたが、あまりの寒さにあのバス停の休憩所に入り壁に落書きされた旅人たちの言葉を読んでいました。
私の言葉は書き残さず私自身の心の中にしまい帰りました。
今回の番組でも、様々な思いを持って来られた方々の話を聞いて、あの頃の自分を思い出しました。
高校時代に旅に目覚めた頃は、ただ「この家から出たかった…」「誰とも関わらず、一人になりたかった…」でも、旅を重ねてゆく度に人と出会い、人に助けられ、人に慰められ、人に励まされました。
目に映る全ての景色は、私の荒んだ心を癒やし家の大切さ家族の大切さを教えてくれました。
今となってはハッキリと覚えておりませんが私が宗谷岬へ旅をしたのは、きっとまた新たな発見に出会えると思ったからなのかもしれません。
宗谷岬はきっと
皆、何かを求め
何かを探し
自分の中にある何を見つめるために
この最果ての地にたどり着くのでしょうね。