3日目はクアラルンプールの郊外、北部の観光地を中心に朝8時に出発だ。A君の奥さんに早めに朝食を用意してもらい、専用車に乗り込む。KLから北に10キロほど行くのだが、郊外に向かうせいかそれほど道路は混んでいない。1時間半ほど車を走らせて、「バトゥー洞窟」に到着。山の中腹は洞窟になっていて、金色に輝く大きな仏像が迎えてくれる。マレーシアのヒンドゥー教の聖地でインド系の信者にとっては最も大切な祈りの場所のようだ。


この洞窟は鍾乳洞で、奥の寺院に行くには急勾配の階段を272段登らなければならない。階段の登り口まで行くと、何百というサンダルが脱ぎ捨ててある。信者は裸足で登らなければならないそうだ。足元が不如意な信者たちが膝を階段につけて登っているのには驚く。私たち観光客はシューズ履きでよいのだが、垂直に伸びる階段は息が切れる。途中休憩しながら、なんとか階段を上がる。食べ物を求める野生のサルが階段に何匹も現れるので、登りきるのも一苦労だった。



洞窟内の寺院には聖者「スブラマニアン」が祀られている。ヒンドゥーの聖者像は派手な色使いで独特だ。狭い寺院に入れるのは信者だけで、私たちは別の通路に案内された。祈りの様子を見て、土産物の売店に寄ったが、仏像を模したものばかりで買う気にはならなかった。一周して、今度は階段を下りていくが、急坂なので歩みを慎重にするしかない。人並みが溢れていたのはちょうどヒンドゥー教の大祭「タイプーサム」が1~2月にかけて行われているからだろう。
続いて山道を1時間のドライブ。カジノで有名な高原リゾート地「ゲンティン・ハイランド」に向かった。ホテルや遊園地、ゴルフ場などの施設は山頂付近に集まっている。海抜2,000mで平均気温は22度前後といわれるが、この日は小雨が降っており、半そで、短パンでは肌寒い感じだ。この施設の中心的な存在「ゲンティンホテル」は中国人「林梧桐」が1964年に完成させたもの。メモリアルホールでその経緯や開発の歴史を見学して、2階にあるカジノホールを覗いてみた。
まだ昼前だが、多くの人たちでにぎわっている。中国系の人が目立つ。ゲームの内容は昔ラスベガスで経験したときと比べると様変わりだ。ルーレットやポーカーは変わらないが、新しいゲームのテーブルがある。とくにスロットマシンは画面が3×3だったものが3×5と大型化しており、どんな形が当たりになるか分からなかった。30分ほど回遊して様子を探ったが、ギャンブラーとしての心構えができていなかったので、参加するのは断念した。

車に戻って、山を下る。20分ほど走らせると陽射しが出てきて、また暑い空気が戻ってきた。途中にマレーシアの先住民の歴史を取り上げた博物館があるというので、立ち寄ってみた。「オラン・アスリ博物館」で入場は無料。「オラン・アスリ」とはマレー半島の先住民族を表す総称で、英語の「アボリジニ」と同じ意味だそうだ。現時点で確認されているのは18の民族で、元々は約6万年前にアフリカから渡ってきた人たちとというのが定説になっている。

彼らは今でも密林や山岳地帯に居住して、身分制による階級社会を構成しているそうだ。一方、古来からのシャーマニズムのような独自の民族宗教をもち、新住民との交流はほとんどないという。イスラム教が国教であるマレーシア政府は各部族に改宗を進めているようだが、一つの部族を除いて応じていない。改宗運動に反発して、密林の居住地から出てこないというのが現状らしい。高床式木造住居や楽器、正装の衣装などが展示されており、興味深かった。
近くの村に立ち寄って、遅い昼食をとる。ここでも一人前の量が多いとのことで、名物の「エビ焼きそば」を3人前頼んで、皆で分けることにした。焼きそばの上に乗るエビはかなり大きく、海のものかと思ったが、これは淡水のエビだそうだ。あんかけ風で、スパイスが効いており結構美味い。完食して、デザートは近くの屋台で「ドリアン」を食べる。ガイドのジェームスが選んでくれたのだが、鮮度や熟し具合を知っており、昨日食したドリアンに比べ、格段に美味かった。
これで見学を終え、KL市内に向けて車を走らせる。密林の中に村が点在する風景は見所が一杯だ。ヤシの木が密集する中に、背丈の低い同じような木々がある。これはドリアン畑で収穫作業をを容易にするため、品種改良されたものだという。ガイドによると、これからは海外輸出を考えて、政府が奨励しているらしい。郊外の車窓からの風景は熱帯地域にいることを実感させる。KL市街地区に入ると、車社会の国だから混雑してきたが、たいした渋滞はなかった。
コンドミニアムでシャワーを浴びてから、夕食の会場に移動する。目指すは中華「鼎泰豊(ディンタイフォン)」で台湾発の飲茶料理として名が知れている。以前、台北でも食べたことがあるので、安心できる。ただ、ここでは酒はビールしか置いていないらしく、A君の奥さんから焼酎の水割りのペットボトルを渡される。つまみから始まって、数種類の餃子や小龍包などを食べた。値段もリーズナブルで客層は若者、家族連れが目立つ。さっぱりしていて美味しい。
一時間半ほどで打ち上げ、A君宅に戻って二次会になった。私たちもだいぶKLの気候、暑さにも慣れ、体調が戻ったのでこの日はかなり遅くまで焼酎の水割りを飲み、奥さん手作りのつまみとともに一夜を楽しんだ。話題はクアラルンプール滞在生活のあれこれ。中心街を抜けるとほとんど信号がなく、横断歩道もないので、道の向かい側に行くのが一苦労だという。こちらに来てA君は「50肩」になり、医者を探すのが大変だったことなど面白い話を聞いて、ベッドに入った。


この洞窟は鍾乳洞で、奥の寺院に行くには急勾配の階段を272段登らなければならない。階段の登り口まで行くと、何百というサンダルが脱ぎ捨ててある。信者は裸足で登らなければならないそうだ。足元が不如意な信者たちが膝を階段につけて登っているのには驚く。私たち観光客はシューズ履きでよいのだが、垂直に伸びる階段は息が切れる。途中休憩しながら、なんとか階段を上がる。食べ物を求める野生のサルが階段に何匹も現れるので、登りきるのも一苦労だった。



洞窟内の寺院には聖者「スブラマニアン」が祀られている。ヒンドゥーの聖者像は派手な色使いで独特だ。狭い寺院に入れるのは信者だけで、私たちは別の通路に案内された。祈りの様子を見て、土産物の売店に寄ったが、仏像を模したものばかりで買う気にはならなかった。一周して、今度は階段を下りていくが、急坂なので歩みを慎重にするしかない。人並みが溢れていたのはちょうどヒンドゥー教の大祭「タイプーサム」が1~2月にかけて行われているからだろう。
続いて山道を1時間のドライブ。カジノで有名な高原リゾート地「ゲンティン・ハイランド」に向かった。ホテルや遊園地、ゴルフ場などの施設は山頂付近に集まっている。海抜2,000mで平均気温は22度前後といわれるが、この日は小雨が降っており、半そで、短パンでは肌寒い感じだ。この施設の中心的な存在「ゲンティンホテル」は中国人「林梧桐」が1964年に完成させたもの。メモリアルホールでその経緯や開発の歴史を見学して、2階にあるカジノホールを覗いてみた。
まだ昼前だが、多くの人たちでにぎわっている。中国系の人が目立つ。ゲームの内容は昔ラスベガスで経験したときと比べると様変わりだ。ルーレットやポーカーは変わらないが、新しいゲームのテーブルがある。とくにスロットマシンは画面が3×3だったものが3×5と大型化しており、どんな形が当たりになるか分からなかった。30分ほど回遊して様子を探ったが、ギャンブラーとしての心構えができていなかったので、参加するのは断念した。

車に戻って、山を下る。20分ほど走らせると陽射しが出てきて、また暑い空気が戻ってきた。途中にマレーシアの先住民の歴史を取り上げた博物館があるというので、立ち寄ってみた。「オラン・アスリ博物館」で入場は無料。「オラン・アスリ」とはマレー半島の先住民族を表す総称で、英語の「アボリジニ」と同じ意味だそうだ。現時点で確認されているのは18の民族で、元々は約6万年前にアフリカから渡ってきた人たちとというのが定説になっている。

彼らは今でも密林や山岳地帯に居住して、身分制による階級社会を構成しているそうだ。一方、古来からのシャーマニズムのような独自の民族宗教をもち、新住民との交流はほとんどないという。イスラム教が国教であるマレーシア政府は各部族に改宗を進めているようだが、一つの部族を除いて応じていない。改宗運動に反発して、密林の居住地から出てこないというのが現状らしい。高床式木造住居や楽器、正装の衣装などが展示されており、興味深かった。
近くの村に立ち寄って、遅い昼食をとる。ここでも一人前の量が多いとのことで、名物の「エビ焼きそば」を3人前頼んで、皆で分けることにした。焼きそばの上に乗るエビはかなり大きく、海のものかと思ったが、これは淡水のエビだそうだ。あんかけ風で、スパイスが効いており結構美味い。完食して、デザートは近くの屋台で「ドリアン」を食べる。ガイドのジェームスが選んでくれたのだが、鮮度や熟し具合を知っており、昨日食したドリアンに比べ、格段に美味かった。
これで見学を終え、KL市内に向けて車を走らせる。密林の中に村が点在する風景は見所が一杯だ。ヤシの木が密集する中に、背丈の低い同じような木々がある。これはドリアン畑で収穫作業をを容易にするため、品種改良されたものだという。ガイドによると、これからは海外輸出を考えて、政府が奨励しているらしい。郊外の車窓からの風景は熱帯地域にいることを実感させる。KL市街地区に入ると、車社会の国だから混雑してきたが、たいした渋滞はなかった。
コンドミニアムでシャワーを浴びてから、夕食の会場に移動する。目指すは中華「鼎泰豊(ディンタイフォン)」で台湾発の飲茶料理として名が知れている。以前、台北でも食べたことがあるので、安心できる。ただ、ここでは酒はビールしか置いていないらしく、A君の奥さんから焼酎の水割りのペットボトルを渡される。つまみから始まって、数種類の餃子や小龍包などを食べた。値段もリーズナブルで客層は若者、家族連れが目立つ。さっぱりしていて美味しい。
一時間半ほどで打ち上げ、A君宅に戻って二次会になった。私たちもだいぶKLの気候、暑さにも慣れ、体調が戻ったのでこの日はかなり遅くまで焼酎の水割りを飲み、奥さん手作りのつまみとともに一夜を楽しんだ。話題はクアラルンプール滞在生活のあれこれ。中心街を抜けるとほとんど信号がなく、横断歩道もないので、道の向かい側に行くのが一苦労だという。こちらに来てA君は「50肩」になり、医者を探すのが大変だったことなど面白い話を聞いて、ベッドに入った。