もしも茂志茂の俳壇・歌壇

アスク発の俳句・短歌・川柳の投稿作品集
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岩瀬俳句愛好会さんからの投句

2017年02月07日 | 俳句・短歌・川柳

寒椿睨みて筆の止まりけり   つや子

冬座敷飾る北斎肉筆画   孝之

紅筆を丹念に引く初仕事   みずえ

千文字の三百拾い筆始   米子

福参り筆致流るる朱印帳   タミ子

初句会独り善がりの筆を置く   邦洋

待春やカバンも赤い文箱も   恵子

毛筆の賀状は朝日昇る夢   英子

寒鰤やななめに掛ける筆生姜   ケイ

小三治の間に取り込まれ初笑い   秀治

手になじむ万年筆や太く冬   孝之

茜の字太き筆字の賀状来る   タミ子

筆始太く合格と書いてみる   恵子

筆あらう水は飯豊の寒の水   ケイ

新宿の寒波これしき立ち飲み屋   秀治

照れながら幼渡すお年玉   恵子

雪雲や一筆書きのすゑかすれ   孝元

子ができた筆圧強き賀状来る   みずえ

雪舞いや画筆に残る紅の色   つや子

筆涸れの文の辿りし冬野かな   ケイ

墨汁の匂ふ座敷も寒の内   邦洋

祖母の味母の味あり納豆汁   恵子

不揃ひの卵一盛寒卵   タミ子

落款は筆子と読めし冬の展   邦洋

街灯のふつとともりぬ雪をんな   ケイ

書初めの撥ね止めを練る新聞紙   邦洋

筆立の筆の長さや日脚伸ぶ   恵子

そつくり顔頷き合うや雑煮餅   みずえ

初日の出願ひはひとつ恙なく   米子

早朝の藪の賑わひ冬雀   つや子

冬の虹買ってみようか宝くじ   恵子

餅花の影ゆらゆらと嬰寝入る   タミ子

大寒や光るこはぜの収まらぬ   秀治

独り居の二階が灯火三が日   みずえ

地球の冬確か宇宙の一部   孝元

破られぬ空一枚に初日の出   つや子

初山河中七下五はしよりけり   秀治

ひんがしの雪のなき山寒茜   孝元

水割りの音に変はるや冬の星   つや子

 


葉月会さんからの投句

2017年02月05日 | 俳句・短歌・川柳

黒猫ののったり過ぐる師走かな   悦子

笹鳴きや父の年齢疾ふに越え   カンジ

雪暮れて昏睡の山現はるる   秀子

手毬歌全部唄えるてんてんと   久美子

廃屋にひともと南天の実の明る   ミヨ子

無口でも同心円よ七草粥   しげお

よるべなき風花の舞ふ昼下がり   ミヨ子

良く笑ふ隣人逝きて師走かな   久美子

売物件師走の風に旗騒ぐ   恵

年玉をはいはいの児も貰ひをり   タミ子

極月やこんなところに白の骸   秀子

野良行くは父かもしれず初山河   悦子

はだか木や里の小部屋の忘れもの   マキ子

師走には夢の中でもかけ回り   幸二

ためらひを見せないようにお年玉   しげお

ゆっくりと我が心音や雪野原   恵

正月やよそ行きの顔揃えおり   としゆき

人生は勘違ひから冬帽子   まき子

堰落つる水は師走の空の色   タミ子

松過ぎの硝子に児の手残りをり   悦子

年玉を掌で温めては渡しけり   カンジ

初散歩道も木立もひとり占め   久美子

かたはらにどうと日の落つ焚火かな   秀子

お年玉とびきり笑顔そろいけり   幸二

節料理娘のレシピ加へけり   イチヨ

大寒やますます無口の部屋となる   つや子

寒天に動くものなし仮設棟   しげお

吸へ込まる冬満月を子と二人   恵

王道に乗りぬ人生毛糸編む   まき子

お年玉母より給ふ長壽箸   みき子

金星と閏引きあへる寒の月   悦子

口すぼめ又三郎のもがり笛   タミ子

売り家と売地目立ちぬ師走尽   ミヨ子

花八手酒酌み交わす羅漢あり   タミ子

新年へ一歩踏み出す句会かな   みき子

お年玉教へたような礼を言ふ   イチヨ

水仙や花器はギアマン束ね挿し   つや子

年賀状昔のままの友の顔   幸二

青き魚とり落としたる寒さかな   秀子

そんな句のどこがいいのか年忘れ   カンジ

布団干す市歌聞こえて来トビ舞えり   久美子

賀状見て今の暮らしに思ひはせ   幸二

ヘッドライト続くバイパス大晦日   イチヨ

高鳴きの境内制す寒鴉   恵

師走の夜熱燗いっぽん〆として   としゆき

さんざめく師走の街に迷ひけり   ユキ子


岩瀬俳句愛好会さんからの投句

2017年01月26日 | 俳句・短歌・川柳

高殿の階に差す冬日かな   邦洋

ジイド読む捨てし恋あり冬の星   米子

人生の仕上げ階段冬薔薇   恵子

会釈して階に消ゆ冬帽子   タミ子

ストーブの二つの薬缶ボレロ鳴らす   みずえ

橅飲みを生きてみろよと投げにけり   つや子

階に山茶花の散る可伸庵   邦洋

階へ影をあづける冬桜   秀治

短日や階段百を登りけり   つや子

朴落葉山のざわめき鎮まりぬ   みずえ

音階もはづれ微かに冬の虫   恵子

八十の思ひ筆持つ文化の日   米子

冬桜樹下のベンチや薄荷飴   孝元

久米邸の書斎は二階小六月   米子

天狼へ階段登るひとの声   孝元

見上げねば気づかぬ花や冬桜   恵子

講堂の階外し冬休み   邦洋

着ぶくれて階を這うややこかな   秀治

帰り花帰れぬ蜂に蜜与へ  英子

じゃんけんぽん階段あそび秋うらら   みずえ

逆光の光通して見る紅葉   タミ子

句帳手にそれぞれ落葉踏み行けり   恵子

吟行の余韻ふくらむ芋の飯   米子

風に泣く箱階段の古暦   みずえ

階段を一段忘る初冬かな   つや子

階段の途中は長き冬の旅   英子

陽をすする黄金の桐冬芽かな   秀治

ビル街の地階に迷ふ冬の蠅   恵子

秋夕焼ごと日の丸を下ろしけり   邦洋

わかりますかわたしふゆのさくらです   秀治

涸滝を来ての日溜り屈伸す   孝元

長き日か短き日かとちる紅葉   つや子

階の踏めぬ一面冬日垂る   秀治

縁側で夫と糸巻く小春かな   邦洋

松明や色濃く映える山紅葉   みずえ

熱あつの珈琲冬の風の味   米子

朝の雨黒き階紅葉降る   タミ子

階段や月大きくて届くかも   つや子


葉月会さんからの投句

2017年01月25日 | 俳句・短歌・川柳

水澄むや棘の言葉も許せそう   久美子

枝豆の茹で上がりたるお空かな   タケノリ

白髪の日焼けの似合ふ料理人   恵

うろこ雲移動学習五校時目   イチヨ

喋るより枝豆食らふ老ひ二人   しげお

水澄むや那須野へしづむ山幾重   秀

草やぶにごろりと坐る南瓜かな   まき子

つかまえし蜻蛉を見せに走り来る   忠正

長堤の影どこまでも水澄めり   悦子

少女には遠すぎる道水澄める   恵

柿たわわ漆喰土蔵家号入り   イチヨ

なぜ迷ふわたしのふとんで蝉死んだ   しげお

月見豆しづかに物を言ふ人と   秀

枝豆の食べ切るまでの無音かな   悦子

水澄むや釣り糸どれも動かざる   まき子

源流に勢ひありて水澄めり   幸二

枝豆や時流れゆくカウンター   恵

熱狂のリオ遠くなり秋涼し   幸二

地軸ゆれいまだ戻らぬ夏の空   みよ子

ねぎらいの言葉あれこれ草の花   秀

草の花潤う雨の葉音かな   恵

ふくよかに老いし女よメロン切る   祐子

畦道の枝豆ひよいと手渡され   久美子

枝豆や絶妙コンビ金メダル   イチヨ

枝豆の塩加減きく朝の市   みよ子

遊歩道浸し嵩むや秋出水   イチヨ

むき出しの腕にそろりと秋が来る   祐子

水澄むや新装なりし神楽殿   タケノリ

鬼灯の凭れ合いつつ色づきぬ   まき子

母の忌の木魚に和するつくつくし   悦子

秋暑し地球も生活習慣病   裕子

かりかりと底までよそうきのこ飯   久美子

秋祭ウルトラマンの駆け抜ける   タケノリ

赤とんぼ昭和も遠くなりにけり   まき子

低き花低き草へと秋の蝶   悦子

人去った仮設残るすすきの穂   しげお


岩瀬俳句愛好会さんからの投句

2017年01月23日 | 俳句・短歌・川柳

廃業のはがき机上に秋の雨   タミ子

主なき机ふたつの秋思かな   秀治

虫の音に覚悟奪はれ机に俯す   みずえ

残暑お見舞い竹元先生机下とかく   邦洋

行く雲や机洗ひの日となりぬ   ケイ

鰯雲机にバカとペンの跡   恵子

一年生夢の机にとんぼの絵   英子

文机の三冊の辞書夜の長し   孝元

和鋏の弾力秋の文箱かな   秀治

一机あり一硯ありて秋座敷   邦洋

机を友に世紀語るや秋の風   英子

避難所の机に月見団子かな   恵子

二学期の机は好きな子のとなり   ケイ

子の机今や俳誌と梨の皿   みずえ

溜息を二つ三つ出す机かな   つや子

気仙大工の小机古ぶ月祭る   米子

一匹の秋の蚊追ふや旅の宿   タミ子

誂えの形見の机良夜かな   秀治

鍵掛かる机梶の葉下書きと   孝元

担任と挟む机や螽斯   邦洋

ちちろ鳴く古き机の置きぐすり   ケイ

冗談とごまかす本音とろろする   恵子

日に四度点す目薬や秋深む   孝元

秋灯喜怒書き留むる机拭く   米子

どっしりと富士には富士の秋薊   つや子

名月を待つ身とんりむ手塩酒   秀治

村役場奥の机の濃竜胆   邦洋

ひとときを静かな秋のそばにをり   ケイ

夫がゐて九月場所見る今が福   タミ子

鳥兜近寄りがたき貌を持つ   恵子

葛の葉や東西いづれからも風   孝元

二学期の始めや机狭くなり   邦洋

 


葉月会さんからの投句

2016年10月25日 | 俳句・短歌・川柳

八朔や転職せしと子の便り   たけのり

夏草や紙ひこうきのゆらぎ落つ   まき子

花茣蓙やぐんぐんと児は這ひ出せり   タミ子

最後まで頑固通した鰻丼   しげを

自転車の前後に子ども酷暑たり   ゆう子

八朔の朝の賑はい小豆飯   悦子

吠ゆる日の大地のしじま草田男忌   秀子

硯洗ふ陸の窪みを撫でながら   たけのり

八朔や農捨てし人農語る   みよ子

ひぐらしや予定重なるひと日明く   イチヨ

地球より重き命よ蝉時雨   まき子

しがみつく蝉一匹の命かな   しげお

悠々と雲の影ゆく青田かな   悦子

意をこめてデモ最後尾汗まみれ   しげお

八朔や赤き飯炊く農休日   タミ子


岩瀬俳句愛好会さんからの投句

2016年08月13日 | 俳句・短歌・川柳

打水や右に左に座り胼胝   邦洋

臍かくしはたたく光る蚊帳の中   英子

源氏ぼたる牛若丸を知らぬなり   つや子

桃食ふや伊達の郡の句を想ひ   孝元

桃の実や舌先にある日のぬくみ   ケイ

集落の静もり家並濃紫陽花   米子

明日咲く約束をして山の百合   邦洋

とんぼうの留守預かりし竿の先   タミ子

太棹を鳴らし津軽の祭かな   恵子

夏草の山や老婆の一輪車   みずえ

聴聞の堂への小路半夏生草   米子


岩瀬俳句愛好会さんからの投句

2016年08月12日 | 俳句・短歌・川柳

三冊にして枕かな夏座敷   邦洋

車椅子三晩通ひて蛍舞う   みずえ

素麺をむんずとつかむ嬰子かな   恵子

あかんぼのにほひうつれり柿の花   ケイ

四方より青葉押し寄す峡暮   米子

見えて見ず落花で見る沙羅の花   ツヤ子

釣果より竿の自慢の釣師かな   恵子

炎昼や竿売りののろのろ来   秀治

沙羅の花あかるき雨となりゆけり   ケイ


岩瀬俳句愛好会さんからの投句

2016年08月11日 | 俳句・短歌・川柳

凌霄花 (のうぜんかずら)のアーチの先の隣家かな   タミ子

釣竿の縺れる糸や夏つばめ   ケイ

狐雨谷戸の陶房夏椿   米子

釣竿や沖に入道雲聳え   孝元

サングラスはづして入る母の部屋   恵子

青空があるだけでよい夏休み   秀治

門ごとにのうぜんの花溢れ落つ   タミ子

一人には広すぎる部屋遠郭公   孝元


岩瀬俳句愛好会さんからの投句

2016年08月10日 | 俳句・短歌・川柳

花茣蓙を匍匐前進這ひはじむ   タミ子

棹歌のけんび追分耳涼し   米子

鳥の竿殿につく白絣   孝元

棹歌に夏鴬の間合いかな   邦洋

釣竿の先に遅日のゆらめける   ケイ

はぢらひのなきまま水着竿にあり   孝元

花茣蓙や野菜並べて竿秤   みずえ

干竿に蜘蛛の網懲りぬ朝かな   邦洋

越南の娘らと四葩の祭かな   秀治

※四葩(よひら)=紫陽花