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シネマ歌舞伎「降るあめりかに袖はぬらさじ」

2008-07-22 11:15:56 | 映画
当日のチケット


歌舞伎を映画化したシネマ歌舞伎「降るあめりかに袖
はぬらさじ」を見て来ました。

有吉佐和子の原作でかつては杉村春子が舞台にして
いたものですが、それを坂東玉三郎が舞台にかけて、
さらに7台ものカメラを駆使して映画化にした作品です。
シネマ歌舞伎としては5作目になります。

時代背景は明治維新も近い幕末の頃で、横浜は岩亀楼
という遊郭が舞台です。この遊郭は実際に存在したもので、
現在の関内のあたりは、幕末にはいくつかの遊郭が
あったところです。そのなかでも岩亀楼がトップクラスで
外国人も受け入れる、名の知れた遊郭でした。

花魁のひとり、亀遊は今は病の身の上。その世話をする
のは昔、新吉原で一緒だった芸者のお園。このお園を
玉三郎が演じています。この亀遊に好意を寄せる通訳役の
中村獅童も彼女の身を案じ西洋の薬などを与えてやがて
病は癒えて回復して行きます。しかし外国人イルウスが
彼女を600両で見受けする話がまとまる中で、亀遊が
突然剃刀で自殺をしてしまうのです。

やがてこの話に尾ひれがつき、異人の身請けを嫌い
自害をした天晴れな烈婦と世間に知れて、ありもしない
辞世の歌まで広まり事件はどんどん脚色されていきます。

岩亀楼にはこの烈婦の自害した部屋を見たさに人々が
押し寄せる騒ぎ。攘夷の世の中、物語は本音と建前が
入り乱れお園も事件の後遺症に巻き込まれて行きます。

とまあ乱暴にあらすじを説明しましたが、初めから映画
化しても良いような作品でしたから、なかなか面白い
仕上がりになっておりました。玉三郎の芸者も奥深くて
いかにも、って印象でした。好演です。何とも色っぽい
芸者姿ですね。そういや、玉三郎の「鏡獅子」はもう
舞台じゃやらないのかしらん。ずいぶん演っていないもの。

岩亀楼の亭主役が勘三郎でこういう役をやらせたら
ハマリ役じゃあないでしょうか。玉三郎と良いコンビでした。

海老蔵や三津五郎も出ていて、幕末の尊皇攘夷の勢いに
流される世の中、笑いと切なさに溢れた雰囲気を醸し出
すのに一役かっています。

歌舞伎を映画館で見る、というのも不思議な感覚ですが
普段アップで見られない表情を見られるのも良いもの
です。15分間の休憩もちゃんとあります。

そうねえ、題材的には新派っぽいけどね。でもシネマ歌舞伎、
なかなか良かったです。

芸者さんたちがお座敷で「ノーエ節」を三味線で引いて
歌っているところなんかいかにも横浜の楼閣って雰囲気が
でていました。

あんだけ三味線ひけたら良いね、楽しいだろうな、
く~、あ~羨ましい。

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