この土日にかけて、伊豆・修善寺を訪ねた。
相方が先週の半ばに「どこかに旅行したい」と言い出したが、お盆の折、どこの地の宿も予約で埋まっている。
相方がいろいろ調べてやっと見出したのが修善寺だった。
そして、奇しくもそこは、私の遠い先祖であるらしい源範頼公が眠る地であった。
範頼は、頼朝の弟、義経の兄であり、平氏討滅の総大将を務めた人物である。
平氏を討滅した頼朝は、ある日、富士で狩りを行った際、曽我兄弟の襲撃にあった。
鎌倉にいた妻・政子は知らせを受け、頼朝の安否に心を痛めた。
そばにいた範頼は「ご心配なさることはありません。私がおそばについておりますから」と政子を励ました。
頼朝は幸いにも無事であったが、鎌倉に戻ってこの話を聞き、「範頼の奴め、私の座を奪おうと企んでおるのか」と疑ったという。
頼朝は範頼を修善寺の地に幽閉し、梶原景時父子に命じて攻め殺した。
このときの様子を「異本盛衰記」では次のように述べている。
「景時父子三人、五百余騎を引率して修善寺に押し寄す。折柄範頼は或る坊に小袖大口ばかりにて御座しけるが、今は遁れぬ所ぞと大童(おおわらは)になりて走り出で、差しつぎ張りつめ散々に射けるに、寄り手の多くは射伏せられ、辟易(へきえき)して進み得ず、矢種皆射尽くし今は是迄なりと坊に火をかけ自害して伏し給う。煙慎まりて後、範頼朝臣(あそん)の焼首を取り持たせ、鎌倉に馳せ帰れば、諸人皆、爪弾きをなして、憎まぬはなし」
なぜ私が殺されねばならぬ、と無念であったろう。
日曜日の朝、台風11号が四国に上陸し、その影響で伊豆にも大雨洪水警報が出されている。
テラス席で朝食をとっているときには、防音ガラス越しに雨音が聞こえるほどのザアザア降りであったが、幸いホテルを出た時分には小降りになった。
修善寺界隈は台風のおかげか、人手は思ったより少なかった。
まずは修善寺を参拝し、そして、町のはずれにある源範頼公の墓に向かった。
持参したお酒を供え、線香をともし、般若心経を唱えてご冥福をお祈りした。
その後、修善寺のほうに引き返し、日枝神社を参拝。
神社の参道には小さな庚申塔がひっそりと立っている。
当時、この場所には信功院というお堂があったらしい。
「異本盛衰記」に書かれた「或る坊」というのが、それである。
つまり、この場所で範頼は非業の死を遂げた。
修善寺駅から帰りの特急に乗り込むと、それまでどうにか持ち堪えていたのが力尽きたように、また土砂降りの雨が降りだした。
相方が先週の半ばに「どこかに旅行したい」と言い出したが、お盆の折、どこの地の宿も予約で埋まっている。
相方がいろいろ調べてやっと見出したのが修善寺だった。
そして、奇しくもそこは、私の遠い先祖であるらしい源範頼公が眠る地であった。
範頼は、頼朝の弟、義経の兄であり、平氏討滅の総大将を務めた人物である。
平氏を討滅した頼朝は、ある日、富士で狩りを行った際、曽我兄弟の襲撃にあった。
鎌倉にいた妻・政子は知らせを受け、頼朝の安否に心を痛めた。
そばにいた範頼は「ご心配なさることはありません。私がおそばについておりますから」と政子を励ました。
頼朝は幸いにも無事であったが、鎌倉に戻ってこの話を聞き、「範頼の奴め、私の座を奪おうと企んでおるのか」と疑ったという。
頼朝は範頼を修善寺の地に幽閉し、梶原景時父子に命じて攻め殺した。
このときの様子を「異本盛衰記」では次のように述べている。
「景時父子三人、五百余騎を引率して修善寺に押し寄す。折柄範頼は或る坊に小袖大口ばかりにて御座しけるが、今は遁れぬ所ぞと大童(おおわらは)になりて走り出で、差しつぎ張りつめ散々に射けるに、寄り手の多くは射伏せられ、辟易(へきえき)して進み得ず、矢種皆射尽くし今は是迄なりと坊に火をかけ自害して伏し給う。煙慎まりて後、範頼朝臣(あそん)の焼首を取り持たせ、鎌倉に馳せ帰れば、諸人皆、爪弾きをなして、憎まぬはなし」
なぜ私が殺されねばならぬ、と無念であったろう。
日曜日の朝、台風11号が四国に上陸し、その影響で伊豆にも大雨洪水警報が出されている。
テラス席で朝食をとっているときには、防音ガラス越しに雨音が聞こえるほどのザアザア降りであったが、幸いホテルを出た時分には小降りになった。
修善寺界隈は台風のおかげか、人手は思ったより少なかった。
まずは修善寺を参拝し、そして、町のはずれにある源範頼公の墓に向かった。
持参したお酒を供え、線香をともし、般若心経を唱えてご冥福をお祈りした。
その後、修善寺のほうに引き返し、日枝神社を参拝。
神社の参道には小さな庚申塔がひっそりと立っている。
当時、この場所には信功院というお堂があったらしい。
「異本盛衰記」に書かれた「或る坊」というのが、それである。
つまり、この場所で範頼は非業の死を遂げた。
修善寺駅から帰りの特急に乗り込むと、それまでどうにか持ち堪えていたのが力尽きたように、また土砂降りの雨が降りだした。