入湯求湯巡礼行記

これまでに訪れた温泉を紹介します。
時代に逆行し、写真は基本的に載せません。
変換できない残念な名称のブログです…

豊富温泉 ふれあいセンター (北海道豊富町) ★★★★

2020-07-17 | 北海道の温泉

豊富温泉は大正期の石油試掘の際に湧き出た温泉で、稚内市で温泉が湧くまでは日本最北の温泉であった。複数の湯宿や日帰り入浴施設、湯治用の宿泊所などがあり、現在でも、温泉街としては最北とされている。油分を含んだ泉質がアトピーに効くとのことで、全国から湯治に訪れる人がいる。

浴室は一般用と湯治用の 2 ヵ所に分かれており、いずれも強いアブラ臭がした。特に湯治用の方は強烈な個性が感じられ、灯油臭、塩味を感じた。源泉とともに湧き出た原油のバケツが置いてあり、アトピーの人はこれを患部に塗り付け入浴するよう。真似をしてみたが、なかなかに気持ちよい。ただ、肌の親油性の部分に原油がよくなじむのか、洗い落とすのに大変苦労した。

閉店間際の入浴であったが、湯治用に居合わせたのは私以外みな療養目的の常連客のようだった。全国でも極めて稀有な泉質であり、それだけで魅かれてしまったが、やはり効能からしても素晴らしい泉質なのだろう。


(2019 年 6 月)
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<再訪>
昨晩に続き、翌朝一番に再訪してみた。湯治用の湯舟には、湯口付近にオイルフェンスが張られ、油膜などではなく、ほんとに原油が浮いていた。浸かっているうちに、オイルフェンスから流出した原油や湯治客が汲みだした原油が水面にマーブル模様を展開し、徐々に懸濁していった。温泉仲間が「ウルトラ Q」のオープニングのようと言っていたが、まさにそのような感じだ。体中がオイリーな状態になり、ヌルヌルツルツルと不思議な浴感が何とも心地よかった。


(2019 年 6 月)

ナトリウムイオン 4389 (96.31) 塩化物イオン 5734 (80.83)
カルシウムイオン 54.0 (1.36) 炭酸水素イオン 2302 (18.86)
アンモニウムイオン 36.6 (1.02) 臭素イオン 13.9 (0.08)
メタホウ酸 550.0 ヨウ素イオン 13.0 (0.05)
メタケイ酸 35.2 遊離二酸化炭素 28.4

分析日:2015 年 10 月 16 日  ※ガスセパレーター通過後の温泉水タンクにて採水


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