ああた!
最近のコマーシャル 見てはる?
アイフォンのボタンをどっか押してだな
今日の天気は どうなんだ?だとか
あの人は どうしてる?だとか
あっちの国じゃ 今 何時? だとか
うまい店を教えろ!だとか
質問すると アイフォンが
答えてくれるらしいじゃないか!
気になって しょうがないよん。
じぇひじぇひ 質問をしてみたい!
根ほり 葉ほり とことん 聞いてみたい!
何を?って言われても困るけんどさ。
とにかく どげなふうになっとるのか
知りたい!
鬼ヨメが 持ってるアイフォンをちょいと拝借するか
・・・・難しいな・・ヘタに触るとばれちまう・・・
アイフォンで 殴られるかもしれん。
アイフォンってば
ガッチリした骨格だからな・・痛そうだ。
駅前の携帯ショップを おそってみるか・・。
あそこは もう何度も通っておるから
(ま~・・お上品なおばあちゃまが 又 いらしたわ)
な~んてことになって
(アイオフォン ゆっくり見て行ってね。)
な~んてことになって
(そうそう 一台余っているのがあるのよ。
おばあちゃま しばらく使ってみます?)
な~んてことになって
(使い心地の感想を教えてくださったら
高齢者への販売の参考になりますわ)
な~んてことになって
(少ないけど これ モニターのアルバイト料です。
これで 美味しいものでも食べてくださいね。)
な~んてことになって
(そうかい? じゃ 遠慮なく)
な~んてことに・・・なるわけないか。
世の中 そうは 甘くない。
買うかもしれんよ~ 今度こそ~
という雰囲気を出しながら
店内へと 突入。
・・・・・・
・・・・・・・
トメ
「ハイ。 又 来て見ました。」
店員
「ぎゃっ! 又来た!」
トメ
「もうね 息子たちにね
お母さん アイフォン 買ったほうがいいですよ~
な~んて 勧められたもんだからね
今度こそね 買ってみようかな~ なんてね
思っておるのよ。 何かご不満でも?」
店員
「・・・・・・おばあちゃん。
アイフォンはね~・・ちょっとね~。
もし 買うんだったら ホラ 携帯電話はどうかしら?
使い方も簡単で 大きい字で見やすいのもあるし
電話とメールだけだったら
もうね それで充分じゃないかしら?」
トメ
「おや? トメのご経験だと
字が どこまでも果てしなく大きくなるのが
アイフォンの特徴じゃなかったかい?
大きい字で 見やすいって~のは
アイフォンも同じだろ?」
店員
「・・・・・・・思い通りにはいきませんよ。
アイフォンの操作は・・」
トメ
「思い通りにいかない商品を
なじぇ あ なじぇ 客に売るんだい?え~っ?」
店員
「もう少し おばあちゃんが 若ければね~・・
いろんな機能を説明できるんですけどね~」
トメ
「そうやって 初めから あきらめるのが
今の 若いもんの悪い癖だよん。
とにかくね ちょいと 見せておくれよ。」
店員
「・・・・・・・これなんですけどね・・・
この間来たときも 見てたでしょう?」
トメ
「あっ! これだよこれだよ
鬼ヨメが持ってる奴。
テレビでさ どっかボタンを押したら
マイクに話しかけれるらしいじゃないか。
なんだか 気になってね~~。
ちょいとね お話しさせておくれよ。」
店員
「話してどうするんですか?」
トメ
「いろいろとね 聞きたいことが
あるんだよ!ねねねね~!
どこをどう押すの?
教えとくれ!さっさと!
買おうっていうご気分満タンの
客なんだからね こっちは!」
店員
「もう 困ったもんですね。
ここをぎゅ~っと押して!
ほら、 マイクが出てきたでしょ。
ここに向かって話しかけたら
返事してくれますから。
早くして下さいよ!」
トメ
「ふあ~い。」
ひゃ~!!
ついに!ついに!
アイフォンくんとのおしゃべりタイム!
せっかくだから アイフォンくんに
まずは、 ご挨拶からだにゃ。
(こんにちは。)
(お疲れさまです。
今 午後3時ですよ。)
(ひゃ~!時間まで教えてくれるんだね!)
(聞きとれませんでした。)
(あんた 耳が遠いのかい?)
(あんた 耳が遠いの会出場を
ウェブで検索してみましょうか?)
(何 とぼけたこと言ってんだよ!)
(わかりませんでした。
ウェブで検索してみましょうか?)
(何でも人任せにするんじゃないよ!)
(何でも人任せにするんじゃないよを
ウェブで検索してはいかがでしょう。)
(ところで あんた 誰?)
(私は siriです・・・何でもお手伝いします)
(私は 王子のトメだよ)
(私はお家のためだよを
ウェブで検索してみましょうか)
(あんた 聞き違いが 多いね)
(よろしければ
あんた 聞き違いが多いねを
インターネットでお調べしますよ)
(ばかにするんじゃないよ!)
(なんとおっしゃったのか
わかりませんでした)
フ~・・・・・・こいつ・・・・やるな・・・・
だんだん めんどくさくなってきたよ!
(終わり!!)
(終了ですか。さようならということですか?)
(終わり!!)
(なにか 失礼なことを申し上げたでしょうか?
私に用がなくなったのなら 終了じゃなくて
さようならといってください。)
(さようなら)
(はい、失礼します)
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
ああ言えば こう言う・・・・
こう言えば ああ言う・・・・
まったく どうなってんだ!
だいたいね!
王子のトメをだな お家のためだなんて
勝手に聞き違えてしもうて!
あきまへん!
ロマンチックな会話を
楽しみにやってきたのに
何でも 検索に持って行きやがって!
会話が成り立たん!
(ばか!)
(お役に立とうとがんばっているんです)
ありゃ~・・
時々 会話になるんだね。
悪口には 反応するんだな。
(お役にたってないよ!)
(よろしければ お役に立ってないよを
インターネットでお調べしますよ)
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・プチ。
トメ
「又 くるよ。」
店員
「あら・・もう 飽きたんですか?」
トメ
「終了!」
店員
「終了ではなく さようならと言ってくださいね~~。
おばあちゃん!!」
トメ
「もしかしたら アイフォンじゃなく
あんたが そこで喋ってたんじゃないだろね?」
店員
「あんたが そこで喋ってたんじゃないだろね?を
ウェブで 検索してみましょうか?」
トメ
「二度と 来ないよ! この店には!」
店員
「ありがとうございます!!」
end