西呑屋おかみ日記

思いついたことを、思いついたときに。とある祭でURLを撒いてしまったので、今後は羊毛作品の記事もアップします。

命がけドライブ

2007-02-24 | Weblog
うちのコアラ号は、軽のミニバンです。軽っつーくらいだから、軽い(え、軽自動車の軽ってそういう意味なのか?)。しかもハンパにタッパがあるもんで、横風にはめっぽう弱いんです。そう、嵐の海で帆を張っているような状態で、しゅるしゅるっと横に流される。そこが高速道路でも。

今日が風の強い日だということは、あるじも知っていたはず。それを、なぜ湾岸線をすっ飛ばそうなんて思いついたものか。これまでにも、強風に煽られて泣き叫ぶことはあったけれど、それは橋の上とか局所的なもので、ここまで絶え間なく恐怖に晒されたことはない。取られつづけるハンドルを取り返すべく、必死の形相で闘う あるじは言うにおよばず、助手席の私も顔面蒼白。息を止め、足をつっぱり、爪がくい込むほど拳を硬く握りしめる。セーターの下には、じんわりと汗。隣の車線に車がいるとき、もしとりわけ強いひと吹きが来たら……? 死ぬかもしれないと本気で思う。
なのに周りを走るどの車を見ても、煽られてる感じはゼロ。実に安定した走り。たぶん、この場にいる誰にも、この瞬間にわれわれが味わっている恐怖は想像つかないだろう。納得できねえええ。
もう限界。命にかかわることなので降りましょう。次の出口で降りましょう。しかし、その出口の遠かったこと! 
結局、川崎で高速を降り、下道を使って神保町まで。街中を走るこの暢気さはなに? 渋滞? そんなの、命の危険にくらべれば楽勝です。

わけあって処分を任された創刊号から段ボール3箱分の『サライ』を、神保町の古書店に売りに行く、というのが、本日のドライブの目的でした。5000円になりました。

神保町に車で来るなんて、この先まずないことなので、重い本を買うなら今日よ!とばかり、嬉しくなって古書店めぐり。昼食とって、お茶飲んで。われらが母校のサークル棟の、変わり果てた姿を拝んで脱力して。夕方まで過ごして駐車場代は3000円強。諸々計算すると、当然のことながら大赤字。まあ、概ね楽しい一日だったので、満足です。
おそらく白髪は20本ほど増えましたけども。

「無認可=無許可」なのか?

2007-02-21 | Weblog
入所者を拘束していたとして、浦安の無認可介護施設に立ち入り検査が入ったというニュース。酷い話だと憤りを覚える一方で、無認可の意味を「許可を得ていない」施設、つまり「違法な」施設というふうにテレビが報じていたのが気になって仕方がない。老人福祉法の場合は、そういうことになるのだろうか。門外漢ゆえわからないのだが。
障害者の小規模な通所の授産施設(働<場を提供する福祉施設/作業所)の場合、無認可は無許可とは違う。認可施設(社会福祉法人)になるには多額の資金が必要で、基準も厳しく、社会正義に燃えた富豪が始めるのでもない限り、いきなりは無理(利用者も、確か20人以上必要だったと思う)。そうはいっても、既存の施設は満員で、常に不足しているのが現状だ。わが子の行き場を案じる親たちは、力を合わせ、とりあえずの無認可施設を自力で立ち上げる。充分とはとてもいえないが、自治体からの補助金もあるので、無許可では断じてない。家族のこととして見てきたので、こっちのことなら私にもわかる。
その浦安の介護施設は糾弾すべきではあるけれど、「無認可」という言葉をあげつらって、どうこう言うのはやめてほしい。ただでさえ、近隣の理解を得にくい授産施設の存在。このうえ誤解まで加わっては。「あすこの施設は無認可なのよ、いやあねえ」なんて、何も知らないオバハンに訳知り顔で言われるのは、関係者にはたまらないのだ。

マグロとガメラ

2007-02-20 | Weblog
18日の午前中、ミケは西へと帰っていった。あるじの背中を踏みほぐし、私にはセロウムの植替え方法を書きおいて。

午後はあるじと家で『ガメラ』三昧。怪獣映画がこんなに面白いとは。1本目『ガメラ 大怪獣空中決戦』が終わった瞬間、思わず拍手している自分に気づく。それにしても、1996年製作の2本目と1999年製作の3本目の間に起きた、特撮技術の進歩に驚愕。わずか3年で、いったい何が起きたのだ? ああ、違うか。特撮からVFXへと時代が移り変わったのか。しかし、画面の迫力は薄れたような。映画の魅力も薄れたような。単純極まりなかった勧善懲悪の構図を崩してみせたりして、非常に大人テイストになったのだけど。やや不満。

ところで、ミケの亭主のオカにいさんへの土産に、三崎土産のマグロ入りマドレーヌ「マグレーヌ」とマグロクッキーを持たせたのだが、これが大不評。まあ、予想どおりなんで申し訳ないとしか言いようがない。19日に食べたようだけど、想像以上のマグロのアピールっぷりに悶えておったようす。そうだよな。以前私もネタにしようとマグロ饅頭を購入した経験があるのだが、ごろんと入ったマグロの塊は、実に実に餡の甘味に合わず往生したもんだ。あの港町の人々は、どうしてあんなにチャレンジャーなのだろう? 菓子にマグロは不似合いだ。和洋問わず、どう考えても無理があると思うのだけど。

19日の夜は、この前買ったマグロの目玉を煮付けました。ちゃんと2回、生姜とネギを入れた湯で茹でこぼしをしたので、生臭さもなく旨かった。ええ、普通に旨かった。マグロはやっぱりこうでなきゃ。オカにいさんごめんなさい。

三崎ブラボー

2007-02-17 | Weblog

15日、西からミケがやってきた。かつて西呑屋がちゃんと西宮にあった頃、うちの子のようにつきあっていた朋輩のひとり。われわれ夫婦が住んでいる以外、ほとんど縁もゆかりもない横浜に、「帰省」と銘打ち「ただいま~」と言って「帰って」くる。ありがたいことだ。ちゅうか、えらいぞ。実の親が暮らす佐渡に渡ることくらい、躊躇わずに「帰省」と言わなあかんな私。

さて、そんなよい子のミケが来てくれた15日、私はシメキリに追われ、夜も更けてから「Mr. WOOD BAR」で食事しただけでほとんど遊べず。あるじはもちろん会社で、しかも飲み会。すまん。本当に申し訳ない。勝手に本読んだりDVD観たりしてるからへいきーと彼女はケロケロしているが、いつも会えるならそれで全然構わないけど、稀のことゆえこっちが悲しい。明日は一緒に遊ぶから!と固く誓い、深夜までかかってなんとか〆切クリア。諸々片づけ、16日昼前には身軽になる。しかし、風邪はけっこう残っている。あるじも少々残し気味。風邪の館へようこそミケ。

相変わらず突発的に咳き込む風邪っぴきゆえ、遠出は諦め、近所の「金沢動物園」へ。去年誕生が話題になったアラビアオリックスの子など見て和む。帰りはバスを乗り継ぎ磯子まで。車検が済んだコアラ号を引き取り、さあ、17日はドライブだ。

で、三崎です。『いしいしんじのごはん日記』以来、夢にまで見た三崎へGOですよ。無論、三崎行きは初めてではないのだが、いつもマグロセンターみたいなところにしか行ってなかったので、港町としてちゃんと考えたのは初めて。といっても、散策しまくる時間はなく、目指す「まるいち魚店」へほぼ直行。あああ、うちの近所の魚屋さんもたいがいステキなので不満はないが、こんな漁船直結みたいな店が近所にあったなら! あれもこれもと、激しく大人買い。でも、すばらしく安いのだ!

で、晩ごはん。お刺身は、金目鯛・ホウボウさん・法螺貝(三崎ではケッポと呼ぶらしい)。小さな法螺貝みたいな苔色のニシ貝は、さっと茹でて。少し苦みがあって、そこがまた旨い。茎まで柔らかいメカブは三杯酢に。あとは、わさび菜と二種豆とカッテージチーズのサラダ、菊菜の胡麻和え(韓式)、菜花のおひたし。うちのが切れた頃合いに親から送ってきた鱈の子の煮付け。これだけ海の幸が揃っては仕方ない。今夜は少しだけ日本酒を。

あ、あとで鮪ホホ肉のステーキも一切れだけ焼きました。満足。

科学の未来を夢見た地で見る白昼夢

2007-02-13 | Weblog
初めての つくばエクスプレス。ただの通勤電車のくせに、きっぷ高いよ。
「研究学園」駅で下車します。駅前からしてもう、科学の香り漂う“研究学園都市”なんだろうと勝手に妄想していたら、なーんにもなかった。コンビニすら。なーんにもない場所に、駅だけが近未来。タクシーの運ちゃんが「ここにショッピングモールが」「ここにマンション群が」と未来予想図を語る。ふーん。

いわゆる“研究学園都市”は、タクシーで15分ほど走ったあたり。今日は果物の研究所におじゃまして取材。
みなさん、果物を、ちょっと余裕があったらいただくデザートみたいに考えてませんか? 果物は、野菜同様“健康のために摂るべきもの”なんですよ。“果糖は太る”とか、誤解なんですよ。1日200グラムの果物は必食! と、かなり洗脳されて帰りのタクシー。今度は「万博記念公園」駅から乗るのです。

「万博記念公園」て……。アタマに「科学」つけてくれなきゃ大阪かと思うがな。思えば1985年、この地で、つくば科学博が開催されたのであった。来てないけど。この駅周辺は、さらに上を行く何もなさ。建ったばかりのビルに、むなしく貼られた「テナント募集」。無理。いま入ったら確実に“街”になるまでもたないって。
真っ昼間、来ない客を待つタクシーが数台とまっているだけで、それ以外の人の気配はまるでナシ。そして、やはり駅だけ際立つ近未来。それがむしろ、怖い。じわじわと怖い。なんかヤバイ白昼夢を見ているようだった。


日曜日に あるじからもらった風邪は絶好調(?)。遠出して疲れたので、帰宅後はしばらく休憩。イモウトヒロゾーが強力にプッシュしていた『かもめ食堂』を観る。とても気持ちのよい、優しいこだわりが細部にまで行き渡った映画。そして、出てくるあらゆる事物がモロ好み。イモウトよ、確かにコレは、われわれのツボにどんぴしゃだ。
おいしく淹れるおまじない「コピ・ルアック」がやりたくて、晩ごはん前だというのにコーヒー豆をガラガラ挽いてしまいました。明日かあさってには、きっと、おにぎりを拵えていることでしょう。

晩ごはんは、佐渡の実家で肝ごと干したイカ、高苔菜のおひたしに削り節、いろいろ納豆(長芋、しらす、ぎんば草、大葉、たたき梅 入り)の海苔手巻き、小松菜と豆腐の味噌汁、ごはん。キンピラごぼう、割り干し大根炊き、鱈の子の煮付け。駅前で行商のおばちゃんから買った小松菜のキムチ。