『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

この本は、東京にいた頃に一度読み終えていたのですが、内容をすっかり忘れていたので、もう一度、読んでみました。
ハードカバーで622ページの長編小説です。静寂な幻想世界と、波乱万丈の冒険劇、この二つの物語が交互に進行する独特な小説です。
世界の終りでは、主人公は「僕」という一人称で語られ、ハードボイルド・ワンダーランドでは、「私」として表現されます。
作品の発表から20年を経てなお評価の高い、 30代の村上春樹が渾身を傾けた長編小説の代表作です。
作中で、主人公が、信号待ちで車を停めていた時に、隣に並んだカップルの乗った車のカーステレオから、「デュラン・デュラン」が聞えるとか、
逃亡中に乗ったタクシーの運転手が「ポリス」やレゲエを好きだと言ったり、この作品の書かれた80年代を感じさせる小説です。
村上春樹ファンの間でも、この作品を一押しする方が多いので、これから村上春樹さんの作品を読もうと思っている方にはこれがおススメでしょう。
本を返却する際に、村上春樹さんの現在の最新ベストセラー作品、『1Ｑ48』の1巻を借りれるかと聞いてみましたが、何と今年の1月にリクエストした人にもまだ貸し出しができていないそうです。
購入するほかないのでしょうかね。