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米国リセッション予想は今後のインフレデータによって変化

2022-09-04 22:13:04 | 日記

9月4日時点のFEDWATCHTOOLによる米国政策金利予測確率は、9月21日FOMCで0,75%金利を引き上げ3.00%~3.25%とする確率が57%、0.50%金利を上げ2.75%~3.00%とする確率が43%となっている。インフレ率が低下傾向となるまでは、FOMCが継続的に金利引上げを実施する意思が示されたことで、8月月末から9月月初に発生するポートフォリオの資産配分変更では、リスク資産からリスクフリーレートとなるキャッシュ(現金)への振り替えが進み、株価や債券価格はやや下落(債券利回りは上昇)した模様だ。一方で、5月FOMCの0.50%、6月と7月FOMCの0.75%金利引き上げは住宅市場に影響を与え始めており、6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(20都市圏コンポジット)は、対前年同月比で18.65%と高止まりしているものの、対前月比(5月対比)では0,41%(年率換算5%)と低下してきている。9月FOMCで0.75%の引き上げとなれば、3月以降に合計3.00%の引き上げが実施されたことになり、年末にかけては住宅関連資産の落ち着きが見られ始めるのではないだろうか。米国消費者物価指数(CPI)を計算するにあたっては、エネルギーと食料品の寄与部分が約20%(エネルギーが約7%、食料品が約13%)で、エネルギーと食料品を除くコア部分が約80%となっており、コアCPIの中では住宅関連部分が3割(家賃が約8%、帰属家賃が約24%)を上回ることから、現在の金利引上げ効果は、年末にかけて帰属家賃上昇を抑え、コアインフレの落ち着きに繋がってくることになりそうだ。FOMCにおける長期的な失業率目標は4%以下で、7月の失業率3.5%は雇用最大化が維持されている状況から、現状ではインフレ抑制のみがFOMCの注力課題となっている。しかしながら、失業率が4%を上回り、インフレ率の落ち着きが見え始めれば、さらなる政策金利引き上げの論拠が崩れることになり、金利引上げが休止される可能性とともに、雇用データとインフレデータを確認しながらの金融政策実施に傾き始めるのではないだろうか。インフレ率高止まりによって個人消費が低迷し、名目GDP成長率低下が発生することで、実質GDP成長率(名目GDP成長率-インフレ指標)がマイナスに落ち込み、景気後退に陥るという主張が拡大し、投資家の不安心理が拡張されている。一方で、年末から来年にかけて、インフレ率が徐々に低下傾向となれば、個人消費の持ち直しとGDPデフレーター(インフレ指標)の安定が、経済指標の悪化を抑えてくれるかもしれない。2023年には高インフレと金利上昇継続から米国経済がリセッション入りし、株価下落と債券価格下落を予想するエコノミストやストラテジストの意見が多く出ているが、来年もインフレ率が高止まりするというのも予想にしかすぎず、実際のインフレデータを確認しながらFOMCでの金融政策が決定されるのであれば、経済データの変化に沿って、徐々にFOMCでの金融政策が変化していくということだろう。