コツコツ頑張れば投資は楽しい!

投資に重要な指標を紹介したい

貿易摩擦が誘因する緩やかな米ドル高

2018-06-29 06:50:13 | 日記
海外投資家の日本株売買動向は、2018年6月第3週(6月18日~22日)に再び約4307億円売越しとなり、2018年のネット売越し金額合計は約3.5兆円と、2016年のネット売越し額3.7兆円に迫る勢いとなっている。11月に米国中間選挙を控え、年前半で日本株投資のリスクポジションを減少させておきたいという動きの現れだが、7月以降には、このようなポジション整理は一段落しそうだ。

トランプ大統領による輸入関税具体案が7月上旬に示されることになりそうだが、目に見えない不確定要因に対するリスクオフは既に充分進んでいるだろう。むしろ、米国関税のマイナス効果を受ける、中国や欧州の通貨は弱含みに推移しており、貿易摩擦に対応する防衛的な通貨政策は米ドル高を進行させる可能性が出てきたといえそうだ。米ドルの実効為替レートとなる米ドル指数は、2018年2月15日の88.5ポイントから上昇し、6月28日には95.0ポイントとなっているが、2017年初の100ポイントを超える水準まで上昇しても不思議ではなく、貿易摩擦に対する対応策としてだけではなく、金利差の側面からも米ドル資産で着実な収益を獲得する現状(6月28日の米ドルLIBOR12か月金利は2.76%、10年国債利回りは2.84%)では、緩やかに米ドル高が進んでいくような気配が感じられる。4%以上の利回り水準を有する米国リートや、バンクローン、米ドル建て高利回り資産には、着実な収益獲得を狙った投資資金の流入が続くのではないだろうか。

夏休み前のポジション整理

2018-06-27 22:03:58 | 日記
7月からは運用ファンドマネージャーも夏休みシーズンとなり、少しリスク資産ポジションを減少させて、安心できる資産に移行する運用姿勢になりがちだ。当然、流動性の低いリスク資産の投資ポジションを整理売りすることになるが、7月中旬にかけて明らかになるトランプ大統領の関税政策具体案や欧州・中国の報復関税に加え、11月6日の米国議会選挙開催がリスク要因とされており、今年は少し早目にリスク資産売りが進んでいるようだ。結果的には、新興国資産や日本の好業績中小型株などが先行して下落している。しかしながら、やや警戒姿勢が過剰となっており、流動性の低い資産全体が割安な水準まで売り込まれ過ぎている可能性が高まっているのではないだろうか。トランプ大統領による関税圧力が不透明であることから、とにかく最悪の状況に対応したいという投資姿勢がリスクオフを加速させているが、不確定な関税圧力効果が過大に織り込まれ過ぎている可能性は高く、そろそろ割安になった資産への投資が回帰する期待感が高まり始めそうだ。6月末運用ポートフォリオデータのリスクを抑えたいという心理がリスク資産売りに繋がっているが、そのような投資行動も一巡するかもしれない。米国議会選挙や日本の総裁選が予定される秋口にかけて迄は、特段のリスクイベントもなく、需給バランス悪化で調整している市場に注目する資金は、割安な投資チャンスを狙っているといえそうだ。一方で、個人投資家の資金は、1月の上昇相場で購入した中小型株について、6カ月が経過したことによる見切り売りを実施している模様だ。6月第1週~第2週(6月4日~15日)の投資部門別株式売買動向は、個人の売越しが約4486億円、逆に海外投資家は約523億円の買越しとなっており、既に海外投資家の売りが止まり、不安心理からの個人投資家売りが続いている。昨年12月に大幅上昇したビットコイン価格は、2017年12月に記録した222万円台から、その3分の1以下となる67万円台と、年初来安値を更新してきており、ビットコインで儲かった資金で購入した小型株の手仕舞い売りも加速している(コインチェック問題で資金流出が懸念されたNEMコイン価格は、2018年1月の215円高値から、9割以上下落した16円台となっている)。中期的な投資環境では、好調な業績拡大予測に反し、需給関係の影響で調整している日本中小型株について、魅力的な投資チャンスが近づいているといえそうだ。

2018年のリスク要因から割安となった投資資産に注目

2018-06-24 18:05:00 | 日記
6月22日にはOPEC総会が開催されたが、増産幅が小幅にとどまったことで、ショートしていた先物の買戻し等で原油価格は反発した。しかしながら、原油価格動向やトランプ大統領による関税引上げ等がリスク要因となっていたため、機関投資家の多くはリスク資産投資を手控えている状況だ。結果として、買い需要がないマーケットで、何らかの不安心理によるリスク資産売りが発生すれば価格は下落することになる。堅調な経済と企業収益の拡大期待を背景に反発した株式市場だったが、米国市場を含めて警戒感を持ちながらの投資姿勢が継続しそうだ。しかし一方で、市場価格水準が割安となれば、機関投資家資金はリスク資産投資を再開することになるだろう。日経平均株価を参考にすれば、1月23日に24124.15円を付けたものの、機関投資家の資産配分変更(株式保有の目標水準を上回った部分を売却して現金化することで、保有比率を適正な水準に調整する操作)によって2月以降に株価は下落し、3月23日の20617.86円を底値として、投資資金還流により株価は回復基調に変化。当面の日経平均株価推移は、この高値と安値の範囲近辺内での推移が予測されるのではないだろうか。機関投資家が割高だと想定する水準では利食い売りで株価は調整し、割安と考えられる水準では、押し目買いが入るという構図のようだ。OPEC総会が終了し原油価格に大きな変化がなかったことで、11月6日の米国中間選挙までは大きなイベントリスクはなく、徐々に機関投資家資金がリスク資産への投資を再開すれば、市場の緩やかな回復が期待されることになるだろう。トランプ大統領の唐突な貿易摩擦発言が飛び出したとしても、既に市場はトランプリスクを織り込んで少なからず調整しており、不確定な情報によって大幅下落となることは想定しづらい。その反面、機関投資家の資金は11月米国中間選挙を控えて慎重な投資姿勢に転換しており、リスク資産価格が大きく下落した局面では割安水準を買う投資が実行されそうだが、中立もしくは割高な水準での投資は期待しにくいだろう。基本的には着実な収益を狙った投資が中心となる可能性が高く、相対的に高利回りで安定収益の狙える資産への資産配分が増加されるのではないだろうか。この1年間は大きな収益獲得チャンスのなかったリート(不動産投資信託)などは、中長期的な観点で魅力的な投資対象となりそうだ。また、割安な水準に売られ過ぎた資産についても、注目すべきだろう。大きく値下がりしている資産に対しては、更に弱気のコメントが拡大し、不安心理から売りが加速するが、そのような割安資産を見つけて投資することができれば、大きなリバウンド収益を獲得することも可能だ。米国の政策金利引上げを嫌気して、経済活動が堅調であるにもかかわらず大きく値下がった新興国通貨や、トランプ関税による業績悪化懸念から売り込まれている輸出関連中小型株などには、割安感が目立ち始めている。

(米国リート)

日本においては毎月分配型の投資信託が多く、分配金の引下げ等があったことで、投資家の解約が大きく拡大している米国リートだが、配当金を含む米国リート指数は2月8日の1577.61ポイントから、6月22日の1791.79ポイントまで約13.5%上昇しており、昨年11月13日の最高値1811.43ポイントまで後1%に迫っている。また配当利回りは6月21日時点で4.34%(Mortgage REITを含むFTSE NAREIT ALL REITsの配当利回り4.34%、FTSE NAREIT ALL EQUITY REITsの配当利回りは4.01%)と高く、6月22日の米国指標10年国債利回りの2.895%をも、大きく上回っている。

振り返ってみると、米国リートファンド指数が下落し、3月23日に円ベース(米ドル円は104.93円)で米国リート指数が安値をつけたことによって、4月に日本における大型米国リートファンドの分配金も引下げられ、投資家の解約が大きく拡大した時点が、米国リートの安値圏になっていたということではないだろうか。今後は、米国短期実質金利上昇を背景とした緩やかな円安期待と、4%を上回る着実な配当利回りへの注目で、着実な収益期待資産として投資資金が回復することになりそうだ。

(Jリート)

2017年は米国株や日本株も堅調であったことから、やや価格が下落傾向であったJリートファンドを解約し、成長性期待の高い株式ファンドへの乗り換えが進んだようだ。結果として、4%近くの分配金利回りがありながらも、需給関係によってJリート価格は下落傾向にあったといえそうだ。2017年の投資部門別Jリート売買動向は、個人投資家が約1885億円のネット売越し、投資信託が約860億円のネット売越し、一方、海外投資家は約385億円のネット買越し、金融機関が約220億円のネット買越しで、日本銀行は898億円のJREIT買い入れを実施している。まさにJリート指数は、投資信託の解約や個人投資家の売りという需給関係で2017年に調整し、7月14日と11月10日にダブルボトムを形成しており、今後は4%近い分配金利回りという、日本の投資資産では最も高い利回り水準を有する着実な収益力への期待感が高まることになりそうだ(日本取引所が発表する2018年4月の月間REITレポートにおける予想年間分配金利回りは4.04%)。また、北朝鮮の軍事緊張が緩和されることによって都市部不動産への不安感は薄まり始めており、2020年東京オリンピック後は、2025年に開催が期待される大阪万博や、2027年に東京・名古屋間を40分で結ぶリニア中央新幹線の効果が都市部リートの人気を支えることになりそうだ。

(新興国通貨 インド)

インド経済は堅調で、2017年の対前年比実質GDP成長率は7.1%、2018年1月~3月四半期は対前年同期比で7.7%の成長となっている。また2018年5月の消費者物価上昇率は4.9%と落ち着いており、6月22日のインド指標2年国債利回り7.43%、5年国債利回り7.85%、10年国債利回り7.82%、政策金利となるレポレートは6.25%。2年国債利回りからインフレ率を差し引いた短期実質金利は2.5%と安定した水準で、外貨準備も2018年6月の時点で約4130億ドル(約45兆円)と充分なレベルであることから、新興国通貨として暴落する可能性は低いものと想定されそうだ。米国政策金利引上げに対して、新興国資産から米国への資金還流により、新興国通貨が下落することが懸念されているが、1月以降既に10%以上調整しており、3月以降は横這いの展開となっている。

(新興国通貨 インドネシア)

2018年1月~3月四半期の実質GDP成長率は対前年同期比で5.1%と堅調。また2018年5月の消費者物価上昇率は対前年同月比3.2%と落ち着いており(インフレーションターゲットは3.5%±1.0%)、小売売上高は対前年同月比4.4%と順調、6月22日のインドネシア指標1年国債利回り6.80%、5年国債利回り7.20%、10年国債利回り7.51%、政策金利となる1週間レポレートは4.75%。1年国債利回りからインフレ率を差し引いた短期実質金利は3.6%と安定した水準で、外貨準備も2018年6月の時点で約1230億ドル(約13.5兆円)と低くはないレベルだ。インド同様に1月から3月にかけて、既に対米ドルでの調整が起こっていることから、11月の米国中間選挙までは不安定な状況が続くものの、割安水準に近付いている可能性は高いだろう。

(新興国通貨 ブラジル)

2018年1月~3月四半期の実質GDP成長率は対前年同期比で1.2%となり、やっとマイナス成長から回復傾向となっている。また2018年5月の消費者物価上昇率は対前年同月比2.86%と安定しているが(インフレーションターゲットは4.5%±1.5%)、インフレーションターゲット下限の3%に近付いていることから、14.25%から順次引下げてきた政策金利は6.5%で終息に向かいそうだ。2016年3月以降に原油価格を含めた資源価格が反転してきたことによってレアルも回復傾向に推移したものの、2017年以降の政策金利引下げを嫌気してブラジルレアルは下落継続。また、米国政策金利引上げにより、新興国から米国へ投資資金が回帰するとの懸念からレアル売りは加速されたが、これ以上の政策金利低下がなければ、下落のスピードは鈍化しそうだ。10月7日にはブラジル大統領予備選挙、10月28日には候補者2名での決選投票が実施され、11月6日には米国中間選挙が開催されることから、秋口まではレアルも不安定な展開が続くかもしれない。しかしながら、順調な経済回復と、安定したインフレ率のもとで、相対的に金利水準が高ければ、徐々にレアル債への投資資金が戻り、通貨レアルの回復も期待されることになりそうだ。2018年4月の経常収支は対GDP対比で0.4%の赤字と小さく、プライマリーバランス(基礎的財政収支)も対GDP比1.8%のマイナスと許容範囲内で、この1年間の小売売上高は対前年比で毎月プラスに推移している。6月22日のブラジル指標2年国債利回り9.0%、5年国債利回り11.1%、10年国債利回り12.0%、政策金利となるSELICレートは6.50%。2年国債利回りからインフレ率を差し引いた短期実質金利は6%を超える高水準で、外貨準備も2018年4月の時点で約3770億ドル(約41兆円)と潤沢であることから、更に大きくレアルが売り込まれるという状況ではなさそうだ。既に対米ドルでの調整も大きく進んでおり、割安水準に近付いている可能性は高く、秋口までの調整局面は中期的な投資チャンスとなるかもしれない。

(日本株市場)

日本株の各指数は割高感のない水準となっており、6月22日時点の日経平均株価指数の予想PER13.33倍(前期基準12.53倍)、東証1部全銘柄予想PER15.06倍(前期基準14.64倍)と安定しているが、前期基準の方が低く、今期はやや減益予想となっている(1株当たりEPSが低下予想のため、予想PERは前期比で上昇している)。もちろん、輸出企業の多くは、想定為替レートを100円~105円に設定しており、現在の110円近辺であれば、増益に変化することになる。一方で、中小型株が比較的多く含まれる東証2部全銘柄の予想PERは6.46倍(前期基準7.95倍)、ジャスダック予想PERは14.75倍(前期基準24.61倍)となっており、今期利益の伸びが大きいと予想されるにも関わらず、株価が調整しており、予想PERは極めて低い水準だ。年間6兆円が予定されている日本銀行ETF買入れは日経225先物やTOPIX先物(東証1部)が中心となっていることから、東証2部やジャスダック市場銘柄は含まれないことも一因となっている。アベノミクス相場終焉不安や11月の米国中間選挙結果による市場不安に備えて、流動性の低い日本の中小型株が手仕舞い売りされていることが背景のようだ。特に海外投資家が米国中間選挙後の市場に備えて、中小型株を売るとすれば、半年以上前から処理を進めていることが想定され、5月~6月(夏休み前)の中小型株下落は需給関係による調整と想定されるだろう。7月上旬にかけて、割安な水準にまで売り込まれているのであれば、中期的には魅力的な投資水準となっている可能性が高まるのではないだろうか。

割安水準の好業績小型株

2018-06-12 21:09:42 | 日記
2012年に衆議院選挙で勝利した自民党の第2次安倍内閣は12月26日にスタートした。その結果、アベノミクスに期待した海外投資家は日本株の投資比率を一挙に高め、暦年2013年には、約15.12兆円の現物日本株の買越しとなった。しかし、翌年2014年は約0.85兆円の買越しに留まり、2015年は逆に約0.25兆円の売越し、2016年には約3.69兆円の売越しとなり、北朝鮮の軍事緊張やアベノミクスに対する不安感が高まったようだ。ところが一転、2017年の解散総選挙で自民・公明連立政権が勝利すると、2017年は約0.75兆円の買越しへと再度アベノミクスを期待する動きが現れた。2018年に入り、北朝鮮の平昌オリンピック参加など軍事緊張感が和らぎ始めたことで、1月23日に日経平均株価は24124.15円の高値を記録したが、機関投資家の資産配分調整という需給関係の売りなどで、3月23日には20617.86円と高値から約15%程度の調整が発生した。その後は、安定した収益が期待される銘柄が堅調となり、電力・ガス・通信や都市部不動産に含み益を有する電鉄株などの株価が堅調に推移している。米朝会談の成功を期待し、北朝鮮軍事緊張によって警戒されていた都市部含み資産の見直しや、インバウンド消費の拡大期待が注目され始めたことになるだろう。一方で、森友・加計問題といったアベノミクス存続への不安心理は高まっており、2018年1月~5月の海外投資家による現物日本株投資は、約3.15兆円の売越しだった。2013年に買越したアベノミクス期待だった約15兆円の海外投資家による日本株買いのうち、2016年と2018年で約7兆円が売越しとなっており、海外投資家からの売り圧力は今後軽減される可能性が高いのではないだろうか。また、この海外投資家売りを吸収しているのが日本銀行によるETF買いということになりそうだ。2013年以降2018年5月まで、約19.3兆円のETF(指数連動型上場投資信託受益権)買いが実施されている。今後も年間6兆円規模でのETF投資が予定されており、個人投資家や海外投資家の売りに対して、株価の下支え要因となるだろう。加えて、日本銀行による指数を中心としたETF買いが継続していることで、ETFに含まれない小型株は、相対的に充分割安な水準となっていることが推測される。今後は、好業績期待にも関わらず、利食い売りで割安となった小型株に注目した投資資金が戻ってくることになりそうだ。

米朝会談に対する期待の行方?

2018-06-10 16:11:58 | 日記
米朝会談という朝鮮戦争終結の可能性もあるポジティブ要因にも、マーケットの反応は鈍い(米国株市場は順調だが、日本株市場の上昇スピードは遅い)。トランプ大統領が発する貿易戦略は不確定要因で、市場参加者は、米国の課する関税引上げには警戒感が高く、リスク資産に対しては極めて慎重な投資態度のようだ。結果として、着実に成長する経済データに基づいた投資が実施されており、トランプ減税の効果が大きい米国の株式市場が堅調な展開となっている。

しかしながら、経済や企業収益の成長を先取りして株価が上昇している可能性も強く、現在の株価水準が適正なのか割高なのかを判断することは難しいことから、機関投資家の期待する投資収益率が低下し始めていることは間違いないようだ。米ドル建ての投資においては、現金で運用したとしても3か月LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が6月7日時点で2.33%(12か月LIBORは2.75%)となっており、6月12日~13日に開催される米国FOMCで政策金利が引上げられると、更にキャッシュ運用利回りが上昇し、無理にリスク資産に投資する必要はなくなるだろう。

2018年11月6日には米国中間選挙が実施されるが、選挙の結果は、トランプ減税に支えられている米国経済にも大きな影響を与える可能性があり、既に機関投資家の運用ポートフォリオリスクを低減する動きはスタートしているようだ。特に、流動性の低いリスク資産投資を先行して減少させる動きが見受けられ、新興国通貨や、新興国株式、日本の中小型株(東証マザーズ指)が下落傾向となっている。それとは逆に、安定的に高利回りを得られる先進国リートなどの資産価格の推移は改善してきており、今後はバランスの良い投資が、有効な資産運用戦略と言えそうだ。先ず流動性の低い資産が売却され、一時的に流動性の高い大型株などに投資資金は流れ込むが、それは、売却しやすい資産に投資が集中しているということの現れだろう。当面は、大きな利益を期待する投資スタイルよりは、着実な収益を獲得できる資産での投資を心がけることが重要となるのではないだろうか。

2017年4月以降に投資信託の解約売りという需給要因によって下落したJREITは、2017年7月と11月にダブルボトムを形成して上昇傾向に推移している。4%を上回る分配金利回りの魅力から中長期的な保有目的での投資資金が流入しているものと観測される。

2013年3月31日に1000ポイントからスタートした東証REIT指数は、15年超で70%以上の上昇となった。一方で分配金を含んだ配当込み東証REIT指数は約240%上昇しており、REIT投資の価格上昇の約7割は分配金というインカム収入の効果であったことが理解される。今後も低金利が継続する日本においては、高利回りが期待されるJREIT投資は有効な運用手段になりそうだ。