淡い懐かしさ

2015-02-01 10:56:49 | ポエム

幼い昔の御伽の国の淡い懐かしさ

 

心の底からいつも戻りたいと

 

思っている。

 

大人になって 鉄の様な欲望に支配され

 

忘れ去られてきたようで

 

本当は何よりも欲しかった

 

  遠い記憶の彼方に彷徨していた

 

幼い頃の宝物

 

ひとりでに自分の傍に置いて

 

 いつも覗いてはほくそ笑むでる。

 

今はその宝物が大事だったように

 

  淡い懐かしさが心の中を

 

洗い流してくれる。

 

これからの生き方を

 

安穏な快楽と許される逃避の

 

世界に身を任せたくなった。

 

年を取ってようやく解かった。

 

何も産まない、独りよがりの

 

淡い懐かしさに心が馴染んでゆくことを。