福石みんのニュース備忘録

福井市民の福石みんが集めたニュース備忘録

原発再稼働をめぐり国と県で"すれ違い" 政府の場当たり的対応に県側は不信感

2012年04月04日 03時00分00秒 | 原発関連
再稼働協議、県と国にずれ 結論先送り、安全基準示されず 原発 福井のニュース :福井新聞
(2012年4月4日午前7時22分)

 定期検査で停止している原発の安全性確保をめぐり、福井県は昨年3月に東京電力福島第1原発事故が起きた直後から、福島の知見を反映した暫定的な安全基準の提示をはじめ、さまざまな対策の実施や方針の明確化を国に要請してきた。政府が再稼働の条件としたストレステスト(安全評価)1次評価結果を踏まえ、3日には野田佳彦首相と関係3閣僚で関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を協議したが、結論は先送り。県が求めてきた安全基準もいまだ示されておらず、国と県の“立ち位置"はすれ違ったままだ。(伊豆倉知)

 大飯3、4号機の再稼働に関して枝野幸男経済産業相が地元に理解を求めてくる場合、県のこれまでの要請にどこまで応えるかが大きな焦点となる。

 県が求める暫定的な安全基準は、経産省原子力安全・保安院がまとめた30項目の安全対策をベースに、再稼働までに実施する対策や中長期的な取り組みなど工程を加えたものが予想されるが、具体的な中身、提示時期は明らかでない。

 西川知事は2月、牧野聖修経産副大臣を県庁に呼び、原発の意義や再稼働の必要性を国民に示すほか、高経年化(老朽化)原発の安全研究推進などを要請した。

 また、中部電力浜岡原発だけに全面停止を要請した合理的理由やストレステストによる再稼働の判断基準の明示、日本海側の地震・津波の発生メカニズム解明なども求めている。

 一連の要請に対する国の回答が十分な内容かどうかは、県が再稼働を判断する材料になるとの見方は強い。

 ただ、枝野経産相は2日、京都、滋賀両府県の理解も再稼働の前提になると国会で答弁。原子力安全協定や歴史的経緯に基づく「立地県と立地市町」以外にも同意や理解の必要な地域が広がれば、再稼働を左右する政治的要素がさらに増えるだけに、県などは警戒感を持って注視している。

 県や立地市町には場当たり的に方針を変えてきた政府への不信感が根強く、安全性が担保されるかだけでなく、「政治判断」するという政府の姿勢がどこまで信頼できるかも見極める構えだ。

 ■原発の安全性、再稼働をめぐり県が国に要請した主な事項■
 ▽2011年3月、文科省へ
(1)日本海側の地震・津波の発生メカニズム解明
 ▽4月、海江田経産相(当時)へ
(2)東京電力福島第1原発事故の知見を反映した暫定的な安全基準の明示
 ▽9月、枝野経産相へ
(3)中部電力浜岡原発だけを停止させた合理的理由の説明
 ▽10月、細野原発事故担当相へ
(4)ストレステストの結果で再稼働をどう判断するかの基準明示
 ▽12年2月、牧野経産副大臣へ
(5)原発の意義と再稼働の必要性明示
(6)高経年化原発の安全研究の推進
(7)新たに判明する知見を安全対策に反映するシステムの構築
(8)運転期間など新たな安全規制制度の全体像や内容の明確化
(9)原子力規制庁の機能的な組織体制構築
(10)防災道路の整備


▽ブログ管理人から一言
県側は政府に安全基準を求めているが、県民の一人としては県にも説明を求めたい。県としては今後も原発を維持したいのか、それともエネルギー見直しにかじ取りするのか。言外のメッセージで県民を翻弄するのは、県が政府に説明を求める立場からも真っ当でないと思える。