殺意認定、河合被告に無期懲役 大野コンビニ強殺で地裁判決 社会 福井のニュース :福井新聞
(2011年12月7日午後8時20分)
昨年8月、福井県大野市のコンビニで男性店長を殺害し金を奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた愛媛県今治市生まれ、住所不定、無職河合(かわあい)英二被告(47)の裁判員裁判判決公判が7日、福井地裁であった。鵜飼祐充裁判長は「死亡する危険を認識しながらアイスピックで何度も突き刺した」と殺意を認定し、求刑通り無期懲役を言い渡した。(小林真也)
判決理由で鵜飼裁判長は、検察側が主張していた入店時の殺意は「河合被告は被害者の肩辺りを狙って最初の攻撃を加えている。肩を1、2回刺して動けないようにしてから金を奪う計画を立てていたという被告の弁解を退けるのは難しい」として認めなかった。
一方で、2回目の攻撃以降は「胸を1回、背中を11回刺しており、人を死亡させる危険な行為であることは明らか」と指摘。被告弁護側の「記憶がない」との主張を「逃げる被害者を追って背後から攻撃し、その間に乱れた着衣を整えるなどしている。被告の精神状態は平静で、自分の行為を認識していたと考えられる」と退けた。
量刑理由では「無抵抗の被害者を3分20秒にわたって一方的に暴行した残虐で執ような犯行だ。何ら落ち度のない被害者の苦痛や無念は察するに余りある。計画的犯行で遺族の処罰感情は極めて厳しく、動機も身勝手だ」と厳しく批判。「一応反省の態度を示しているが、刑事責任は極めて重く減刑すべきではない」と述べた。
判決に福井地検の金沢和憲次席検事は「主張に裁判員の理解が得られた」と語った。主任弁護人の吉川健司弁護士は「被告と接見して対応を決める」としている。
判決によると、河合被告は昨年8月27日午前2時50分ごろ、大野市牛ケ原のコンビニ店長をアイスピック(長さ24センチ)で1、2回突き刺して金を奪おうと客を装って店に入った。店長山本嘉裕さん=当時(46)=の背中をアイスピックで1回刺した後、山本さんが死亡する危険を認識しながらあえて何度も突き刺すなどして殺害。事務室の約21万円を奪った。
福井地裁の無期懲役判決は、2002年7月に勝山市の母親強盗殺人事件で言い渡されて以来。
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大野のコンビニ強盗殺人:被告に無期懲役 「謝罪の態度見えぬ」--地裁判決 /福井 - 毎日jp(毎日新聞)
毎日新聞 2011年12月8日 地方版
◇遺族、不満あらわ
福井地裁で7日あった大野市コンビニ強盗殺人事件の裁判員裁判の判決。鵜飼祐充裁判長は、強盗殺人罪などに問われた元暴力団員、河合英二被告(47)に無期懲役を言い渡したが、殺害されたコンビニ店店長、山本嘉裕さん(当時46歳)の遺族は「謝罪する態度が見えない」と憤っていた。【山衛守剛】
河合被告はスーツ姿の正装で入廷。法廷に一礼して証言台に立つと、判決の主文を直立して聞き入り、身じろぎ一つしなかった。
鵜飼裁判長は、河合被告が最初から心臓付近などを狙っていなかったことなどに言及。「最初から殺意があった」との検察側の主張を退けて「当初から殺害を計画していたものではない」とし、強盗傷害を試みる中で生じた「未必的殺意」による殺害だったと結論づけた。
また「刑事責任は誠に重大」と指摘したものの、被害者参加人の山本さんの妻が「死刑」を求めたことに触れ、「死刑がやむを得ない場合にはあたらない」と述べた。
閉廷後、被害者参加弁護人の川上賢正弁護士と山本さんの父鉄夫さん(70)が会見し、公判に対する思いを語った。
判決直後に山本さんの妻と連絡を取った川上弁護士は「死刑でなくて残念ですが、有期懲役刑でなかったことは救いだと思います」などとする妻のコメントを読み上げた。
全公判に出席したという鉄夫さんは、「もっと頭をうなだれるなり何かの形があってしかるべきだと考えていたが、そういう(謝罪の)態度は見えなかった」と不満をあらわにした。報道陣から「息子さんにかけてあげたい言葉はありますか」と聞かれると、「もう終わったよ。それだけです」と静かに答えた。
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コンビニ強盗殺人 無期判決 「残虐かつ執拗」殺意認定 福井地裁 - MSN産経ニュース
2011.12.8 02:14
■裁判員裁判
大野市のコンビニエンスストアで昨年8月に男性店長を殺害して現金を奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた愛媛県生まれ、住居不定、無職、河合英二被告(47)の裁判員裁判の判決が7日、福井地裁であり、鵜飼祐充裁判長は「終始無抵抗の被害者に約3分20秒間にわたり一方的に暴力を加えており、残虐かつ執拗で強く非難されるべきだ」として求刑通り無期懲役を言い渡した。
河合被告は殺意を否認していたが、鵜飼裁判長は、1回目の暴行では殺意を推認できないとしたものの、「2回目以降の暴行で8個の刺創は、うち1個でも十分致命傷となり、被告も終始自分の行為を認識していた」とし、「最初の暴行後に、被害者がうずくまることなく振り向いたことで、被告人の当初の想定とは異なる事態となった結果、未必的殺意が生じ、殺意を持ってアイスピックで突き刺した」と殺意を認定した。
判決によると、河合被告は暴力団組長から預かった金の使い込み発覚を恐れ逃げだし、知人からの借金返済を迫られたため金員強奪を計画。昨年8月27日午前2時50分ごろ、大野市牛ヶ原の「サークルK牛ケ原店」で、店長の山本嘉裕さん=当時(46)=の胸や背中をアイスピックで刺すなどして殺害、売上金約21万円を奪ったとした。
弁護側は、強盗致傷罪などを主張しており、「被告から真意を聴いた上で(控訴するかどうか)方針を決めたい」と話していた。
◇
≪遺族会見≫
■「被告の態度に一抹の寂しさ」
強盗殺人事件の判決後、被害者の山本嘉裕さんの父、鐵夫さん(70)と被害者参加代理人の川上賢正弁護士が福井市内で記者会見。川上弁護士は「死刑でなくて残念ですが、有期刑でなかったことが救いです。裁判所が十分に検討された結果なので参加人として受け止めたい」と山本さんの妻のコメントを述べた。
毎回裁判を傍聴した鐵夫さんは「裁判官3人と裁判員6人が慎重に審理した結果で尊重したい。(被害者は)私の家族ですが、被告の両親がもっと苦しみが大きいと思うと複雑な気持ちです。当時、夜勤はアルバイト店員もしていたが、これでよかったのか。苦しい思いです」と語った。
ただ「被告が頭をうなだれるような(謝罪の)態度がみえず、一抹の寂しさを覚えている」と悔しい表情も。証拠の防犯カメラの映像を見ることは拒否した。
鐵夫さんは、結果を8日にも息子の墓前に報告する。「息子は音楽が好きで、ライブ演奏などをもっとやらせてやりたかった。心残りです」と語った。
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中日新聞:被告に無期懲役 大野コンビニ強殺:福井発:日刊県民福井から(CHUNICHI Web)
2011年12月8日
裁判員 「重い裁判、疲れた」
福井地裁判 決殺意を認定
大野市のコンビニ店で昨年八月、男性店長を殺害し現金を奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた元暴力団員の無職河合(かわあい)英二被告(47)=愛媛県生まれ=の裁判員裁判で、福井地裁は七日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
判決理由で鵜飼祐充裁判長は、アイスピックを計十五回突き刺した犯行態様を「一方的に暴行を加えており、残虐かつ執拗(しつよう)」と指摘。所属していた暴力団の金庫の金を持ち逃げし、逃走資金を得ようとした動機も「身勝手、自己中心的で酌量の余地はない」と非難した。
弁護側は「殺意はなかった」として有期刑を求めていたが、鵜飼裁判長は「左胸、上背部を狙っており、死亡させる危険があることは明らかだった」と殺意を認定した。
閉廷後の裁判員会見は、六人全員が出席を見合わせたため開かれなかった。同地裁によると、六人は「今回の裁判は重くて疲れた」と話しているという。
判決によると、河合被告は昨年八月二十七日午前二時五十分ごろ、大野市牛ケ原の「サークルK牛ケ原店」で、隠し持っていたアイスピック(全長約二十四センチ)で店長だった山本嘉裕さん=当時(46)=の背中や胸などを刺して殺害し、店の売上金約二十一万円を奪ったとされる。
息子に「もう終わったよ」
被害者の父審議の結果を尊重
「墓参りに行きたい。そして『もう、終わったよ』と伝えたい」。殺害された山本嘉裕さんの父鉄夫さん(70)は、閉廷後会見した。時折、眼鏡を外してハンカチで目を押さえながら傍聴した公判。無期懲役の判決に「審議の結果を尊重したい」と複雑な表情をみせた。
「(河合被告は)うなだれるようなこともなく、寂しさを覚えた」。二日目の審理では、遺族に謝罪の言葉を述べた河合被告だったが、鉄夫さんにその気持ちは伝わらなかった。
音楽が好きで、演奏活動もしていた嘉裕さん。「私はずっとそれを良しとはしていなかった。いま思えば、もっとやらせてあげれば…。それだけが心残り」。目を赤くし、突然失った息子への思い、無念の気持ちを打ち明けた。
会見では「死刑でなくて残念ですが、有期刑でなかったことが救い。裁判所で十分検討された結果なので、受け止めたい」と、被害者参加制度で出廷した嘉裕さんの妻のコメントも、代理人の川上賢正弁護士が読み上げた。 (平林靖博)
◆「大野コンビニ強盗殺人」関連記事
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(2011年12月7日午後8時20分)
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判決理由で鵜飼裁判長は、検察側が主張していた入店時の殺意は「河合被告は被害者の肩辺りを狙って最初の攻撃を加えている。肩を1、2回刺して動けないようにしてから金を奪う計画を立てていたという被告の弁解を退けるのは難しい」として認めなかった。
一方で、2回目の攻撃以降は「胸を1回、背中を11回刺しており、人を死亡させる危険な行為であることは明らか」と指摘。被告弁護側の「記憶がない」との主張を「逃げる被害者を追って背後から攻撃し、その間に乱れた着衣を整えるなどしている。被告の精神状態は平静で、自分の行為を認識していたと考えられる」と退けた。
量刑理由では「無抵抗の被害者を3分20秒にわたって一方的に暴行した残虐で執ような犯行だ。何ら落ち度のない被害者の苦痛や無念は察するに余りある。計画的犯行で遺族の処罰感情は極めて厳しく、動機も身勝手だ」と厳しく批判。「一応反省の態度を示しているが、刑事責任は極めて重く減刑すべきではない」と述べた。
判決に福井地検の金沢和憲次席検事は「主張に裁判員の理解が得られた」と語った。主任弁護人の吉川健司弁護士は「被告と接見して対応を決める」としている。
判決によると、河合被告は昨年8月27日午前2時50分ごろ、大野市牛ケ原のコンビニ店長をアイスピック(長さ24センチ)で1、2回突き刺して金を奪おうと客を装って店に入った。店長山本嘉裕さん=当時(46)=の背中をアイスピックで1回刺した後、山本さんが死亡する危険を認識しながらあえて何度も突き刺すなどして殺害。事務室の約21万円を奪った。
福井地裁の無期懲役判決は、2002年7月に勝山市の母親強盗殺人事件で言い渡されて以来。
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大野のコンビニ強盗殺人:被告に無期懲役 「謝罪の態度見えぬ」--地裁判決 /福井 - 毎日jp(毎日新聞)
毎日新聞 2011年12月8日 地方版
◇遺族、不満あらわ
福井地裁で7日あった大野市コンビニ強盗殺人事件の裁判員裁判の判決。鵜飼祐充裁判長は、強盗殺人罪などに問われた元暴力団員、河合英二被告(47)に無期懲役を言い渡したが、殺害されたコンビニ店店長、山本嘉裕さん(当時46歳)の遺族は「謝罪する態度が見えない」と憤っていた。【山衛守剛】
河合被告はスーツ姿の正装で入廷。法廷に一礼して証言台に立つと、判決の主文を直立して聞き入り、身じろぎ一つしなかった。
鵜飼裁判長は、河合被告が最初から心臓付近などを狙っていなかったことなどに言及。「最初から殺意があった」との検察側の主張を退けて「当初から殺害を計画していたものではない」とし、強盗傷害を試みる中で生じた「未必的殺意」による殺害だったと結論づけた。
また「刑事責任は誠に重大」と指摘したものの、被害者参加人の山本さんの妻が「死刑」を求めたことに触れ、「死刑がやむを得ない場合にはあたらない」と述べた。
閉廷後、被害者参加弁護人の川上賢正弁護士と山本さんの父鉄夫さん(70)が会見し、公判に対する思いを語った。
判決直後に山本さんの妻と連絡を取った川上弁護士は「死刑でなくて残念ですが、有期懲役刑でなかったことは救いだと思います」などとする妻のコメントを読み上げた。
全公判に出席したという鉄夫さんは、「もっと頭をうなだれるなり何かの形があってしかるべきだと考えていたが、そういう(謝罪の)態度は見えなかった」と不満をあらわにした。報道陣から「息子さんにかけてあげたい言葉はありますか」と聞かれると、「もう終わったよ。それだけです」と静かに答えた。
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コンビニ強盗殺人 無期判決 「残虐かつ執拗」殺意認定 福井地裁 - MSN産経ニュース
2011.12.8 02:14
■裁判員裁判
大野市のコンビニエンスストアで昨年8月に男性店長を殺害して現金を奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた愛媛県生まれ、住居不定、無職、河合英二被告(47)の裁判員裁判の判決が7日、福井地裁であり、鵜飼祐充裁判長は「終始無抵抗の被害者に約3分20秒間にわたり一方的に暴力を加えており、残虐かつ執拗で強く非難されるべきだ」として求刑通り無期懲役を言い渡した。
河合被告は殺意を否認していたが、鵜飼裁判長は、1回目の暴行では殺意を推認できないとしたものの、「2回目以降の暴行で8個の刺創は、うち1個でも十分致命傷となり、被告も終始自分の行為を認識していた」とし、「最初の暴行後に、被害者がうずくまることなく振り向いたことで、被告人の当初の想定とは異なる事態となった結果、未必的殺意が生じ、殺意を持ってアイスピックで突き刺した」と殺意を認定した。
判決によると、河合被告は暴力団組長から預かった金の使い込み発覚を恐れ逃げだし、知人からの借金返済を迫られたため金員強奪を計画。昨年8月27日午前2時50分ごろ、大野市牛ヶ原の「サークルK牛ケ原店」で、店長の山本嘉裕さん=当時(46)=の胸や背中をアイスピックで刺すなどして殺害、売上金約21万円を奪ったとした。
弁護側は、強盗致傷罪などを主張しており、「被告から真意を聴いた上で(控訴するかどうか)方針を決めたい」と話していた。
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≪遺族会見≫
■「被告の態度に一抹の寂しさ」
強盗殺人事件の判決後、被害者の山本嘉裕さんの父、鐵夫さん(70)と被害者参加代理人の川上賢正弁護士が福井市内で記者会見。川上弁護士は「死刑でなくて残念ですが、有期刑でなかったことが救いです。裁判所が十分に検討された結果なので参加人として受け止めたい」と山本さんの妻のコメントを述べた。
毎回裁判を傍聴した鐵夫さんは「裁判官3人と裁判員6人が慎重に審理した結果で尊重したい。(被害者は)私の家族ですが、被告の両親がもっと苦しみが大きいと思うと複雑な気持ちです。当時、夜勤はアルバイト店員もしていたが、これでよかったのか。苦しい思いです」と語った。
ただ「被告が頭をうなだれるような(謝罪の)態度がみえず、一抹の寂しさを覚えている」と悔しい表情も。証拠の防犯カメラの映像を見ることは拒否した。
鐵夫さんは、結果を8日にも息子の墓前に報告する。「息子は音楽が好きで、ライブ演奏などをもっとやらせてやりたかった。心残りです」と語った。
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中日新聞:被告に無期懲役 大野コンビニ強殺:福井発:日刊県民福井から(CHUNICHI Web)
2011年12月8日
裁判員 「重い裁判、疲れた」
福井地裁判 決殺意を認定
大野市のコンビニ店で昨年八月、男性店長を殺害し現金を奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた元暴力団員の無職河合(かわあい)英二被告(47)=愛媛県生まれ=の裁判員裁判で、福井地裁は七日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
判決理由で鵜飼祐充裁判長は、アイスピックを計十五回突き刺した犯行態様を「一方的に暴行を加えており、残虐かつ執拗(しつよう)」と指摘。所属していた暴力団の金庫の金を持ち逃げし、逃走資金を得ようとした動機も「身勝手、自己中心的で酌量の余地はない」と非難した。
弁護側は「殺意はなかった」として有期刑を求めていたが、鵜飼裁判長は「左胸、上背部を狙っており、死亡させる危険があることは明らかだった」と殺意を認定した。
閉廷後の裁判員会見は、六人全員が出席を見合わせたため開かれなかった。同地裁によると、六人は「今回の裁判は重くて疲れた」と話しているという。
判決によると、河合被告は昨年八月二十七日午前二時五十分ごろ、大野市牛ケ原の「サークルK牛ケ原店」で、隠し持っていたアイスピック(全長約二十四センチ)で店長だった山本嘉裕さん=当時(46)=の背中や胸などを刺して殺害し、店の売上金約二十一万円を奪ったとされる。
息子に「もう終わったよ」
被害者の父審議の結果を尊重
「墓参りに行きたい。そして『もう、終わったよ』と伝えたい」。殺害された山本嘉裕さんの父鉄夫さん(70)は、閉廷後会見した。時折、眼鏡を外してハンカチで目を押さえながら傍聴した公判。無期懲役の判決に「審議の結果を尊重したい」と複雑な表情をみせた。
「(河合被告は)うなだれるようなこともなく、寂しさを覚えた」。二日目の審理では、遺族に謝罪の言葉を述べた河合被告だったが、鉄夫さんにその気持ちは伝わらなかった。
音楽が好きで、演奏活動もしていた嘉裕さん。「私はずっとそれを良しとはしていなかった。いま思えば、もっとやらせてあげれば…。それだけが心残り」。目を赤くし、突然失った息子への思い、無念の気持ちを打ち明けた。
会見では「死刑でなくて残念ですが、有期刑でなかったことが救い。裁判所で十分検討された結果なので、受け止めたい」と、被害者参加制度で出廷した嘉裕さんの妻のコメントも、代理人の川上賢正弁護士が読み上げた。 (平林靖博)
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福石みんの福井市民レポート : 大野コンビニ強盗、愛知県で逮捕(2010年09月05日)
福石みんの福井市民レポート : 大野コンビニ強盗、本籍は愛媛県・高松市の元暴力団組員(2010年09月04日)
福石みんの福井市民レポート : 大野コンビニ強盗、県外者の犯行か(2010年08月30日)
福石みんの福井市民レポート : 大野コンビニ強盗、アイスピックで店長を刺殺(2010年08月30日)