イメージと読みの将棋観 鈴木宏彦 著 256P
目次
第1章 序盤編 15テーマ
第2章 中盤編 12テーマ
第3章 終盤編 8テーマ
谷川浩司×羽生善治 座談会
私の評価
★★★★★
本著はテーマ図が冒頭に掲げられ、その後にトップ棋士の読み筋・大局観が披露される形式となっており、プロの大局観が如実に記されています。
私の読み方は、まずテーマ図を5~10分ほど眺め、自分ならどう指すかなと、ある程度読みを入れた上でページをめくりました。その後はトップ棋士(羽生名人や谷川九段、渡辺竜王ら)の読み筋に驚嘆するばかり(笑)。
自分で読みを入れた分、プロ棋士の読みの凄さが身に染みるほど伝わってきます。といっても、たぶん5割程度しか理解できていないと思いますが。これだけでも局面に対する考え方、進め方が勉強になります。
さらに、6名の棋士の見解が示しているので、各棋士で意見が分かれている部分があり、そこがまた興味深い。ここは、自分の棋風に合ったものを採用すればよいのかなと、勝手に納得してました(^^)。
その上、テーマ図の裏話(江戸時代の鬼宗看や、大山-升田戦)も載っており、また、本譜の進行に対する、6名のプロ棋士の率直な(失言級の?)感想も公にされ、読み物としても楽しめました。
本著を一言でいうならば、一冊でプロ棋士の読み筋と、将棋の面白さを体感できる名作でした。一言になってない(^^;)。
願わくば、序盤のテーマは少なめに・終盤のテーマを多めに♪といったところでしょうか。