
凄い。
持ち合わせている語彙が少なくて、ちゃんと表現出来ないのが歯がゆい。
生命を繋ぐ為に生命をかける。
無償の愛。
そんな言葉は人間だけのもので、彼らにはそれが当たり前のこと。
パートナーが帰ってくることを信じて、我が子が無事に育つことを信じて
ただひたすら耐えて、歩き続ける。
生命をかけて育んだ新しい生命も、想像を絶する様々な困難の前に生命を絶たれる。
生まれたばかりの卵は、一瞬でも隙をみせると、激しいブリザードにさらされて、守る間もなくひび割れて凍りついてしまう。
父親が120日もの絶食に耐えて守りぬき、無事に雛になった子供も、弱い子は寒さに耐えられず生命を落とし母親の足元で凍りつく。我が子を失い、他の子供を奪い取ろうとする母ペンギンの姿が胸に痛い。
子供だけでなく、親も空腹で行進する最中に動けなくなる。
父親は雛がかえり、食料を蓄えて戻った母親と交替したあとの空腹の極限での行進で、一番生命をおとしてしまうらしい。だから産卵前のパートナー探しでオスの数が少ないのだろうか?
そんな風にして成長した子供とも一緒にいるのは一ヶ月余り。
春には子供を置いて海に戻る。
愛しいから一緒にいたい・・それも人間だけ。
野性動物なんだから当たり前と言われてしまえばそれだけだけど・・・。
ただひらすらに生命を繋ぐために生命をかける。
「生きている、それだけで愛おしい。」
愛することも信じることも出来ないから、人間は弱いんだと思った。
・・・思考がマイナスだね。
愛することと信じること、そして何かを守ることで、強くいられるんだと思った。