今日の猫 濱猫 坂本愛理さんのポストカードより
3人連れでねこやに入って来た人たち。若い娘ともう一人の年配の女の人が手ぬぐいを選んでいる。でももう一人の人は退屈そうだ。二人はようやく買う手ぬぐいが決まりお金を払う。そしてもう一人に悪いと思ったか、「あんたは買わなくていいのっ」と聞く。すると聞かれたおばさん、鼻に小じわをよせて「こんなとこにいつまでもいたらきりがないよ」と言い、さっさと出て行った。「こんな店で悪かったな~」。それにしてもかわいげのないおばさん、でもお連れの人が買ってくれたからいいとするか。
親しい知り合いの人が交通事故にあってしまい、近くの病院に入院したという。いつもお世話になっているし、これからもとお見舞いに行くことにした。病気見舞いは「はたして行っていいものか、もしかしたら迷惑ではないか」といつも迷うおじさん、でも今回はすぐ近くに入院してるし、短い時間だったらいいだろう。そんな決心をして昨日ねこやが終わってから行って来た。
「でもコタローをどうするか」。暗い車の中に置いておくより、店の中の明るい所でお留守番をさせたほうがいいだろうと、電気を点けてテレビも消さずにそのまま出かけた。その方がコタローも安心するだろう。
これでも病院に行く事は慣れている。自分は殆ど行った事など無いが、茅ヶ崎おばさんが何回も入院しているので、病院は違えどだいたいの様子は分る。お見舞いの時間は昼過ぎから夜の8時頃までだろう。病室は予め聞いていたのですぐ分ったが、正式の入り口から入らなかったのか受付が無い。「まあいいか、入ってしまえばこっちのものだ」。どこの病院でも怪しまれた事もないし。
知り合いの人はとても元気に見えたが、まだ立って歩けないらしい。それでも身体自体は健康な人なのでとても退屈そうだった。早く治ってくれればいいが、そしてまた元気な顔を見せて欲しい。
それにしても人間いつ交通事故にあうか分らない。昨日まで元気でいても、今日は入院していなければならないとは。自分も気をつけよう、そして他人も傷つけないようにしなければ。
お見舞いが終わりねこやに帰ってくると、コタローがおとなしく待っていた。それほど淋しかった様子もなく、期待はずれでもあった。まあその方がいいんだけどね。
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