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梵字アクセサリー 手作りの工程

2015年07月17日 | 梵字アクセサリー

本職の銀地金による 梵字アクセサリー加工の工程を紹介させていただきます

ペンダントトップの加工例です

 

 

こちらが 銀地金です 精錬所から仕入れている純銀です

小さな粒状で 溶かし合わせるときに 目方を調整しやしようになっています

(銀は18金などの割金として使われることが多いため)

 

 

必要な重さ分を 火で熱し溶かしあわせます 

不純物が混ざらないよう ホウシャという粉末を使います

 

 

 

型に流し込み 場合によっては 地金内部の気泡をとりのぞくシャカ吹きという作業をし 

地金を吹く作業は完了

 

 

 

 

これを金槌で必要な厚みに延していきます

最後は展延ローラーで平面を出しますが

槌で叩きしめると 地金が硬く締って丈夫になるので

槌は必ず入れることにしています

 

 

 

 

目的の厚さ・大きさに延しました

 

 

 

これに下絵を貼ります 

毛筆の書体では徳山暉純さんの字体が非常に美しいと感じており 参考にさせてもらっています

梵字そのものについても 徳山さんの書物でいろいろ勉強させていただきました

徳山さんの「書」に出会うまでは もっぱら朴筆の書体でアクセサリーを作っていました

 

この点は 著作権の問題なども考慮し

下絵の字体は形を変え さらに線が曖昧になるよう加工し わざとシャープでないものを使っています

 

また 透かしと言う技法の性質上 梵字の浮島のような空白部分は表現できなかったり

地金の強度などを勘案して字体の工夫をしております

 

 

 

 

 

糸鋸で透かしていきます

手は前後にゆっくり動かすのみ 刃が勝手に切ってくれる

それくらいの心持ちで作業します

そうしなければ 真っ直ぐ切ったり 思ったような曲線を切ったり出来ません

 

仏様を形どっていくので 

無心でその種字と対峙する 

そのような気持ちで作業をするよう心掛けております

 

可能な限り 正しい筆順に近い形で透かしていくようにしていますが

「書」でも「彫り」でもないため なかなか難しいところもあります

たとえば 「バン」という梵字であれば

といった感じになります

 

 

 

 

透かしがおわり 外形を切り取ります

 

 

碁石型にヤスリで成形してきます

以前は外周を薄く仕上げていましたが

最近は厚めに仕上げています

もちろん手作りですので

本体の形状・大きさ・字体・書体 など自由に作れます

 

小ささには わたしの技術的な限界がw

大きさには 着用される方の体力的な限界があります

 

 

粗目のヤスリで成形し ヤスリの目を細かくしていき 仕上げていきます

 

 

 

 

次に バチカンを作ります 

バチカンを手作りする理由は

既製品のバチカンより頑丈で耐久性があるのと

ペンダントトップ本体にロウ付けをしないで済むためです

 

本体にロウ付けをしてしまうと

槌を入れて叩きしめて硬くなった地金が 

なまって柔らかくなってしまう事があるからです

 

文字やサイズにもよりますが

梵字を透かすと 矢印で示した部分のように

地金として細い部分ができます

銀は 柔らかい金属なので

強度を確保しながら 梵字の透かしを表現するためには

非常に大事なことなのです

(硬い銀の合金を使う方法もありますが 個人的にあまり好きではありません)

 

 

 

まず

1.5mm径にひいた銀の丸棒に 「Silver」の刻印を打ち

 

 

コの字に曲げて切り取ります

これがバチカンの裏側の部品です

 

 

表側の部品は 半丸にのばした銀の棒をヤスリで成形して作ります

本体やネックレスにキズが付きにくいように 内側の角の面取りをします(矢印)

 

 

二つの部品をペンダントトップ本体に通し ロウ付けします

ロウ付けするのは 矢印で示した2ヶ所

本体には火をかけません

 

 

バチカン・本体を仕上げて 出来上がりです

左から「キリーク」「カーン」「タラーク」です

 

ペンダントトップ本体のサイズは 高さが(約)

「キリーク」32mm

「カーン」27.5mm

「タラーク」22.5mm

です

 

「カーン」は自分用に作ったもので実際に身に着けています

 

 

以上 100%手作りの梵字ペンダントトップの制作過程でした


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい作品です (anemone)
2017-06-01 12:51:54
純銀で梵字のアクセサリーとは素晴らしいです。
キリークは私の干支だし、タラークの虚空蔵は記憶力が良くなりそうだし、カーンの不動明王にも魅力があるし、どれも欲しいものばかりです。
刷毛書体はすっきりしてきれいですが、徳山さんの毛筆書体も柔らかくて美しい。
商品化されたらいいと思います。
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コメありがとうございます (ネコマサ)
2017-07-31 08:13:12
レス遅くなりすみません。徳山さんの書体は本当に素晴らしいですね。これらは結局、欲しいという身内に手渡しました。商品化も考えていましたが、健康の問題で、制作が出来ない状態です。カーンのペンダントは今でも身につけています。
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