さて…
トンでも発言から一週間たった。ここ、小田原は平和
「めんどくさぁぁぁぁぁ!!!!」
「だめだって、ここはきちんとね…」
「だって、二部式着物の方が簡単だもん」
「なにそれ?そんなものあるわけないじゃん」
「オカンのくせに生意気だぁぁぁ!!」
「俺様オカンじゃないから!!」
小田原城内は、相も変わらず騒々しかった。この異邦人のせいで……
ヒュンッッ
カツカツッ!!
乾いた音を立てながらクナイが彼らの間を(というより、佐助を狙って)引き裂く。
「危ないじゃんか、風の旦那!!」
「プイッ(うるさい、少しは静かにできないのか!!)」
「あっ!風魔くんじゃないか!お仕事お疲れ様!!」
「ふー…(まだやってるのか……)」
「だってさ…」
「風の旦那も言ってやってよ。後はこれだけなんだよ。なのに出来ないんだからさ」
「オカンはやり方がわかりずらいんだってば」
「宰夜ちゃん?」
「……すみません佐助様……もう一度ご教授願います(土下座中)」
そう、いったい何をやっているかと思えば、着物の着付けだったりする。
彼女、宰夜は掃除、洗濯、料理のイロハは完璧な女性だった。特に、
黒豆炊かせたら天下一品。本人曰く、好きなものはとことん追求して
美味い物を作る。それはだれにも止められない。と、豪語している。
ところが、そんな彼女の唯一の弱点が、着物だった。
いま、彼女は目の前に置かれた北条家の女中さんの制服である水色の
着物を何とか着こなそうとしている。が、なぜか着始めるとどこかしら
緩み、紐があり得ないところからはみ出し、帯が雪崩のように崩れていくのだ。
最初は懇切丁寧に教えていた女中さんたちは、あまりのことに閉口し、女中頭
の佐和さんは教えるのに匙を投げた。そして、彼女を甲斐の国へ連れていくために
準備していた佐助がここに到着したとき、女中さんたちはもとより、北条家の忍達や
風魔一党の忍びたちまでもが
「ここは家事をやらせれば伝説級の猿飛佐助に縋るしかない!!」
といい、現在に至る。
「ねえ…どうしてこんな風になっちゃうのかな?」
「わかんない」
「この紐何?」
「ん~?」
くいっっと端を引っ張れば……
しゅるるん……ばさっ
その場に落ちている着物と帯……?
なぜ???????
理由は簡単。ニッコリ笑顔で水色の忍服を着ている宰夜がいた。
「いっつはみなこー!!」
「「?????なにやってんの!!!」」
「ん?早着替え」
「こんな残骸残して?」
「つんつん(この服はどうした?)」
「んっ?…ああ、これはねえ、近くにいたお忍びくんをひんむいてみたぁぁ(にっこり)」
「「・・・・・・・」」
「わたしって、すごい!!」
「凄くないから!!!」
「はぁー…(はやくここからでてってくれないかなぁ)」
オカン佐助の説教をのほほんと聴きながら、宰夜はこれから行く甲斐の国とやらに
思いをはせていた。
※宰夜にムカレタ哀れな北条忍は近くの空き部屋の押し入れに簀巻きにされていました。
トンでも発言から一週間たった。ここ、小田原は平和
「めんどくさぁぁぁぁぁ!!!!」
「だめだって、ここはきちんとね…」
「だって、二部式着物の方が簡単だもん」
「なにそれ?そんなものあるわけないじゃん」
「オカンのくせに生意気だぁぁぁ!!」
「俺様オカンじゃないから!!」
小田原城内は、相も変わらず騒々しかった。この異邦人のせいで……
ヒュンッッ
カツカツッ!!
乾いた音を立てながらクナイが彼らの間を(というより、佐助を狙って)引き裂く。
「危ないじゃんか、風の旦那!!」
「プイッ(うるさい、少しは静かにできないのか!!)」
「あっ!風魔くんじゃないか!お仕事お疲れ様!!」
「ふー…(まだやってるのか……)」
「だってさ…」
「風の旦那も言ってやってよ。後はこれだけなんだよ。なのに出来ないんだからさ」
「オカンはやり方がわかりずらいんだってば」
「宰夜ちゃん?」
「……すみません佐助様……もう一度ご教授願います(土下座中)」
そう、いったい何をやっているかと思えば、着物の着付けだったりする。
彼女、宰夜は掃除、洗濯、料理のイロハは完璧な女性だった。特に、
黒豆炊かせたら天下一品。本人曰く、好きなものはとことん追求して
美味い物を作る。それはだれにも止められない。と、豪語している。
ところが、そんな彼女の唯一の弱点が、着物だった。
いま、彼女は目の前に置かれた北条家の女中さんの制服である水色の
着物を何とか着こなそうとしている。が、なぜか着始めるとどこかしら
緩み、紐があり得ないところからはみ出し、帯が雪崩のように崩れていくのだ。
最初は懇切丁寧に教えていた女中さんたちは、あまりのことに閉口し、女中頭
の佐和さんは教えるのに匙を投げた。そして、彼女を甲斐の国へ連れていくために
準備していた佐助がここに到着したとき、女中さんたちはもとより、北条家の忍達や
風魔一党の忍びたちまでもが
「ここは家事をやらせれば伝説級の猿飛佐助に縋るしかない!!」
といい、現在に至る。
「ねえ…どうしてこんな風になっちゃうのかな?」
「わかんない」
「この紐何?」
「ん~?」
くいっっと端を引っ張れば……
しゅるるん……ばさっ
その場に落ちている着物と帯……?
なぜ???????
理由は簡単。ニッコリ笑顔で水色の忍服を着ている宰夜がいた。
「いっつはみなこー!!」
「「?????なにやってんの!!!」」
「ん?早着替え」
「こんな残骸残して?」
「つんつん(この服はどうした?)」
「んっ?…ああ、これはねえ、近くにいたお忍びくんをひんむいてみたぁぁ(にっこり)」
「「・・・・・・・」」
「わたしって、すごい!!」
「凄くないから!!!」
「はぁー…(はやくここからでてってくれないかなぁ)」
オカン佐助の説教をのほほんと聴きながら、宰夜はこれから行く甲斐の国とやらに
思いをはせていた。
※宰夜にムカレタ哀れな北条忍は近くの空き部屋の押し入れに簀巻きにされていました。