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仮面桜語アフター

ブラリ旅など。

トンボマン6 ~somersault the dragonfly~ 【非成就】

2011-08-26 | 小泉エリ
第六話:非成就

***

そこにいたのは、イケ好かないオニヤンマの野郎だ。

自分では「オニのヤマさん」と呼んで欲しいらしいが、
ボクたちの間では、地獄堂の鬼をパロって「閻魔さまの腰巾着」と呼ばれている。

皆は黒いボディが気に食わないらしいが、
ボクはなんでも見透かしそうな、あのクソでかい目が特に嫌いだ。

しかしそんな腰巾着が、一体ここで何をしているのか?

普段は黒い体色が、曼陀羅の輝きを受けて七色に輝いて見える。
悔しいかな今だけは、あの腰巾着が神々しい。

アイツもその姿に魅入られているのか、一点を凝視したまま動かない。
静寂の中、生ぬるい空気の振動で、アイツの鼓動が伝わってくるようだ。


依然、繰り返されている3つのリズム。


水の静音…

曼荼羅の輝き…

トンボの上下運動…


バラバラに感じられていたそのリズムたちが、
徐々に同調して行く感覚と、周囲に拡散していく七色の闇…


『ハピッ!バースディ!!』


誰かの叫び声のような幻聴と、やがて訪れる黒の静寂…


…いま、

 願いが一つ、成就した!


⇒To be continued next episode!

トンボマン5 ~somersault the dragonfly~ 【非日常】

2011-08-20 | 小泉エリ
第五話:非日常

***

「おぉ~静かすぎる…こえぇ~」

女子に聞こえない声で、アイツが地味に弱音を吐いた。

情けないと思ったが、ほんの少しは、
その勇気を認めることにする。

そして薄明るい地下階にアイツは降り立った。



どこからか聞こえてくる水の静音…

地面で光る曼陀羅…

そして、それを取り囲む地蔵群…


ボクはもう見慣れているが、
アイツにとっては、ありえない状況だ。

まだここに入ってから2、3分程度しか経っていないが、
アイツには無限の長さに感じられていることだろう。

しかし、

本当に日常が非日常へと変わるのは、これからだった。
それを予感させるかのように、曼陀羅の上には既に先客がいたのだ。


⇒To be continued next episode!

ナックルvsマジック!!ERI対決、再び。

2011-08-17 | 小泉エリ
15日、【トヨトミとエリまきとプレシャスディナー】の記事で紹介した


"小泉エリ"と"宇都宮まき"の浴衣でマジック&プレシャスディナー

が、無事完遂されたご様子。


ここで忘れてはいけない記事が一つ。


こちら。

【エリ対決!殿堂入りするのはどっちだ!?ナックル姫vsアイドルマジシャン!!】


勝手に『エリ対決』と銘打ったこの対決。

小泉エリさんが「エリまき」とは言え、
ディナーショーという小洒落た展開で一歩リード!

かと思いきや…



9日。吉田えり投手が初勝利!!

米プロリーグで女性が勝利投手になったのは、史上2人目だそうです。


勝手に宿命のライバルに位置付けされた二人のERI…

次の勝利は、「エリ」か?「えり」か?(声:石丸謙二郎w)


それでは今日も、笑顔多き1日になりますように!

トンボマン4 ~somersault the dragonfly~ 【非合理】

2011-08-16 | 小泉エリ
第四話:非合理

***

「うぃ~ッす」

よく分からない掛け声と共に、
アイツの動きが『ほとけのくに』の前で止まった。

「なによそれ?ちゃんと追っかけて、中に入りなさいよ~」

ここぞとばかりに女子が茶化している。

「まさか、びびってんじゃないでしょうねぇ?」

「なわきゃ、ねぇッつぅ~の!」

あきらかに言い訳がましい言葉で、
ムダな会話が進んでいく。

ボクには、この感覚が理解できない。
ムリならムリと素直に言えばイイのだ。

「それなら早く入りなさいよッ」

女子はキレ気味の言葉を吐いているが、
実はボクは知っている。

最近覚えた言葉だが『ツンデレ』の伏線だ。

2人は、このクソ非合理的な会話を
楽しんでいるにすぎない。

アイツはさっきとは打って変わったゆっくりとした歩調で、
地下に伸びる階段へと、一歩踏み込んだ。


⇒To be continued next episode!

トンボマン3 ~somersault the dragonfly~ 【非逆転】

2011-08-12 | 小泉エリ
第三話:非逆転

***

「オイ!こらぁあッ!」

アイツがボクに向かってイキがっている。

女子の前でカッコつけたいのは分かるが、
そんなノロマな動きで、ボクを捕らえられるはずもない。


…しかし、しつこい。


これまでも遊び半分でボクを捕まえようとする人間は多数いだが、
ここまで執拗に追いかけてくるのは初めてだ。

良いように言えば、最後まで諦めないガッツがあると言えるが、
どう見ても今の状況は、リバースしない。

女子も若干ヒキ始めている。


「も、も…もぉいいから」


うろたえる女子の言葉も聞いちゃいない。

ボクも他人のことを言えたものではないが、
アイツはおそらくモテないタイプに違いない。

もし、そういった意味で波長が合っているのなら、
それは至極ゴメンな話だ。


あまりにもシツコイので、ボクは『ほとけのくに』へと
アイツを誘う作戦に出た。


ここは正直、ふざけ半分で一人で入るには怖い場所なのだ。

さぁ…勇気があるなら、ここまで付いてきてみろッ!


⇒To be continued next episode!