なるはや研究所

弊社なるはやライフサポートの業務(便利屋)と農業と日常を綴る。
なるはや的な思考と行動を研究~ほぼ月刊~更新日は中旬?

究極自然農法で育てた、うちの薬草畑のパクチーが大きくなりました。

2019-12-12 | 私事→農業+林業+自然

無農薬、無化学肥料、無厩肥、無草抜、無石灰、無マルチ、
理論を重視した土壌の管理を実施しています。

人工的なのは耕耘と畝造りと施肥と播種と支柱と、
夏場の寒冷紗だけで、
施肥には植物性堆肥と粉末貝殻しか使用しない、
こだわりの究極自然農法で育てたパクチーが大きくなりました。

無農薬なのに無病かつ虫つかずで育ってくれて、
食べてみると凄く美味しくて、香りも市販品よりずっと強くて、
味も匂いも世界一のパクチーです!(自画自賛)



ここからは究極自然農法に興味のある人だけどうぞ。

理論は有機農法のままですけれど…
(当方、有機農産物に関しては、徳島県での、
栽培・加工・販売・小分け→つまり転売資格と、
愛媛県・香川県・高知県での、
栽培・加工・販売資格を持ってます。
更に自然農法のカリスマ、
故:福岡正信さんの大ファンであり著書の愛読書、
そしてその教えの実践者でもあります。
そのままではなく、アレンジしていますけれども。)
有機農法とは異なり、私は野菜に厩肥を使いません。
厩肥とは、牛糞、鶏糞、豚糞、などのことです。
もちろん、類似している人糞は絶対に使いません。

理由は厩肥や人糞に多く含まれる、
毒素でもある硝酸態窒息のせいで味が落ちるのと、
(なんと化学肥料よりも多く含まれます)
虫が寄ってくるし野菜が病気になるために、
見栄えも悪くなるからです。

厩肥に代表される動物性の堆肥は、
毒素に関してはどれでもだいたい同じですけれど、
例外はバットグアノ(蝙蝠の糞)だけです。
尚、蝙蝠は家畜にできないから、
厩肥には含まれないので無厩肥としています。

バットグアノにも、
硝酸態窒息が少しは含まれるけれど、
厩肥と比べれば無いに等しいのです。

だから、肥料は99%以上が植物性、
どうしても動物性の堆肥を使いたい場合には、
バットグアノを局所的に少しだけ使います。

pH管理は基本的にはスギナの栽培というか…放置と、
市販品の粉末貝殻~牡蠣由来のものが一番安い~を、
散布した後に漉き込む感じで使用します。
粉末貝殻を散布する量は、エリアによって分けています。
まず畑を1坪ごとに酸度計で計測してから、
散布する量を計算しています。
酸度系は徐々に劣化して誤差が出てくるので、
毎年新しくてできれば新製品を購入しています。
※お店で何年も売れ残っている物もありますから。

スギナは雑草ではなく、
煎じて飲めば花粉症に効能がある薬草で、
土壌が酸性になると勝手に生えてきますし、
(どの畑にも胞子が飛んできているけれど、
酸性土壌にならないと生えてこないのです。)
枯れたスギナには酸性の土を中性に傾ける力があり、
しかも土が中性になったら勝手に全滅する、
とてつもなく偉大な草、地球からの贈り物なのです!

そして酸性に傾いているエリアには、
粉末貝殻を撒いて鋤きこむのですけれど、
粉末の貝殻はアルカリ性で、
石灰と同じようなpH調整効果があり、
なおかつ石灰と違って土の質を悪化させない、
しかも撒いたすぐ後に植苗も種播きも可能で、
それどころか土壌改良効果まで期待できます。
粉末貝殻は実際には石灰じゃないのに、
有機石灰として販売されている場合もあります。

普通の農法(慣行農法)では、
味は度外視して成長促進のために、
化学肥料や厩肥を使い、
そのため虫が集まり易くなる上に、
細菌・ウィルスの病気にもなり易くなるから、
農薬を大量に使わざるを得なくなります。

或いは、厩肥を使えば味と見栄えが「悪くなる」
それを承知の上で成長促進のために使用し、
虫が付いても病気になっても農薬は使わず、
無農薬だから見栄えが悪くて当たり前とか、
虫も食べない野菜は安全じゃないとか言い張って、
無農薬野菜か有機野菜で販売するしかありません。

厩肥を使わなければ、
サイズは小さめにはなるけれど、
無農薬でも見栄えの良い野菜は作れるものです。

植物性堆肥と粉末貝殻さえあれば、
化学肥料も石灰も厩肥も、本当は必要ありません。

草を残しているのは、
保温と水はけを高める天然の調整装置が草の葉、
天然の保湿剤と土壌改良剤が草の根だからです。
そして自然に枯れた草と、
刈ってから放置して腐らせた草は、
最も質の良い肥料になります。
更には、害虫の被害を最低限に抑える影武者が草、
ダミー魚雷やフレアーミサイルの役割になります。
草のない畑の野菜は害虫の集中攻撃を受けます。
虫からすれば、野菜も草も、どっちも同じ食料です。
一生懸命草取りをするのは、
リスクを高める行為でしかありません。
草は虫を寄せ付けるから野菜を守るために草を取る?
というのは完全なる勘違いであり、
草は虫を寄せ付けるから野菜の身代わりで残しておく!
というのが正しい認識です。

だから、日照りが続く時に土中の水分を保持するためと、
野菜の日照を守るために草を高刈りすることはあるけれど、
抜いたり除草剤で枯らせたりはしません。
必ず根っこと、少しは葉も残します。

ついでに書くと、
バットグアノには硝酸態窒素が少ないというのは、
自然のものだからというのが一番の理由で、
これは、人間も含めて生き物の糞尿や、
腐った死体等には必ず多く含まれる毒素です。

しかし、年月を経て熟成することで減少し、
自然界や専用の施設で2年経つとほぼ消失すると伴に、
後に残るのは肥料として有効な成分だけになるのです。

家畜の糞を熟成させて売っている、
完熟と袋に書かれた厩肥も市販されてはおりますけれど、
本物の完熟厩肥はほとんど市場に出回りません。
少しは出回りますけれど、高額で取引されていますから、
近くのお店で見かけることも、農協で見ることもまずありません。
100%近い完熟表記の厩肥が、半年か1年で出荷される半熟厩肥です。
2年置くと単純にコストが倍以上になりますから、
自家で使うか、特別に契約したもの以外は2年も置きません。
専門知識がない農家が多いので、
十倍、百倍の価値があっても、
値段が倍になるともう一般市場では売れませんから。

完熟か半熟かは臭いで簡単に、一瞬でわかります。
本物の完熟厩肥は、嫌な臭いが全くしないのです。
というよりは、完熟堆肥は良い香りになっています。

ただ、何故そのような偽証表記がまかり通っているのか?
答えは簡単、国が完熟の規定を明確に決めていない、
罰則もない、完熟かどうかは出荷者の主観で良いのです。
けれど厳密な話をすると、それ完熟じゃなくて半熟だよって話…

ついでに書くと、
半熟厩肥には野菜を蝕む害虫の卵や細菌・ウィルス等の病原体が、
沢山含まれますけれど、
完熟厩肥にはほとんど残っていません。
半熟厩肥でも例外は、火力厩肥(出荷前に高温で処理した厩肥)、
だけです…それで毒素は消えませんけれど、病原体は消えます。

日本で本物の完熟厩肥を手に入れたければ、
完熟表記の安い半熟厩肥を買って、雨露を凌げて、
それでいて風通し抜群の場所に袋から出して、
1年以上寝かして熟成を進めておくか…或いは、

信用できる業者と契約して通常の数倍のお金を払って、
特別に2年物を作ってもらうかのどれかです。
(大量生産なら倍のコストで済むけれど、
少量生産だと数倍のコストに跳ね上がるから。)

しかし、お勧めは↓
蝙蝠はペットで買う人はいても、家畜になり得ません。
バットグアノは自然界で何年もほったらかしの蝙蝠の糞を、
海外の人が袋に詰めて輸出しているだけ、
しかもそれがある場所はほとんどの場合が洞窟の中、
その環境は、厩肥を完熟させるための施設以上に熟成に適している、
だから本物の、安全な完熟蝙蝠糞が勝手にできあがるわけです。

尚、硝酸態窒素には功罪があります。

功の方は、栄養分を野菜に素早く吸収させる役割があります。
だから、化学肥料にはあえて人工的に含ませたりします。
それで市販の厩肥や化学肥料は即効性の肥料で、
植物性堆肥や、バットグアノや、激レアな本物の完熟厩肥は、
比較的遅効性の肥料になるのです。

しかも、化学肥料や市販の厩肥を使うと野菜が大きくなります。
要するに野菜や果物の成長促進剤でもあるわけです。
特に、玉ねぎとトウモロコシは見た目に格段の差が出ます。
はっきり言ってしまうと、玉ねぎとトウモロコシだけは、
化学肥料や市販の厩肥を使わないと売り物にはなりません。

だから本当に安全でめちゃくちゃ美味しい、
でも見た目が貧相な、小さくて楕円形の玉ねぎや、
細くて短いトウモロコシは、誰にも売らずというか売れずで、
自分でこっそり「超うめーっ!」と呟きながら食べるしかありません。

罪の方は、毒素です。
まず、人体への悪影響としてはお肌や髪の老化促進、
体臭がキツくなる等の外部へのダメージと、
内臓にも悪影響があるから問題視されているのです。
野菜に対しては前途のように、害虫を呼び込み易くなります、
細菌性・ウィルス性の病気も発生し易くなります。

隣接する田畑で農薬や化学肥料や厩肥を使われるのが嫌なら、
2m以上の緩衝帯を設ければ良い、
緩衝帯には有機農法の王道であるグリーンベルトを作れば良い、
(グリーンベルト:一切除草しない草放置エリア、
そこで外部から虫が入り込むのを食い止める欧州発祥のシステム、
前途したように虫にとっては野菜も草も同じく、食糧だから。)

って、ここまで書くと、よほどの農薬嫌い、
化学を否定する「へんこつ」(阿波の方言で変わり者)だと、
思われるだろうなと、考えるわけですけれど、
有機農法も自然農法も究極自然農法も、
人に勧めるつもりも、世に広めるつもりもありません。
やりたい人だけやれば良いと考えております。
はっきり言って、
慣行農法よりも苦労は遥か、遥か、遥かに多いですし、
作る側にも食べる側にも選択の自由がありますから。

有機農法や自然農法で作る野菜は生産量が少なくなるから、
どうしてもお値段高めになるのだけれど、
安全性よりも価格を重視する(重視せざるを得ない)、
購買層もありますし、子育てや子供の進学・留学、
などでとにかく稼がないといけない農家もあります。
高く売れると言っても限度がありますし(2倍が限界価格)
作付け面積が同じなら、
収穫量は半分以下になるから儲かりはしないです。
しかも手間は倍以上かかるから、
同じ面積はできないでしょうし。

だから、農薬も化学肥料も厩肥もマルチも石灰も、
使いたい人は使った方が良い、
と思っています~何事も主体性が重要ですから。
やっちゃいけないのは、他の田畑への干渉だけです。
慣行農法をやっている人が、
有機農法や自然農法の人の邪魔をしてはいけないし、

愚痴になりますけれど、
草を悪者だと思い込んでいる無知な農家や、
有機・自然農法を目の敵にする時代遅れの農家に、
勝手に畑に入られて薬草を草刈り機で刈り倒されたり、
勝手に野菜に農薬を散布されていたり、
(0.1秒あれば臭いでわかります~もちろんその野菜は廃棄しました。)
グリーンベルトを滅茶苦茶に破壊されたり、
ごみを投げ入れられたり、
干渉や嫌がらせは枚挙に暇なくという感じで、
自然農法や有機農法の一番の苦労は、
慣行農法の農家の爺さんや婆さんからの干渉との闘いです。
猪やハクビシンや鹿や猿の千倍は人間に苦労していると思います。

狸となら共生できても、
(狸が出没する場所に屑野菜を集めておくとそれを食べるから、
売り物や自家用は無事、うちの畑に限れば無害に等しい。)
そういう農家とはお互いに無視するのが唯一の落とし所です。
若い人は勝手にやってれば?という感じで何もしませんけれども。

有機農法や自然農法の農家が否定的な見方をしていても、
慣行農法の農家に直接否定的な事を言うのは、
慣行農法の農家が有機・自然農法の農家に、
直接否定的なことを言ったり干渉するのと同じ次元です。
どちらも人としてやってはいけない行為です。

農薬や化学肥料や厩肥を使わないと、
自分で販売ルートを確立しない限りは買い手が見つからない、
農協や大手スーパーの販売網を利用するのであれば、
使うしかないでしょう、と思っています。

尚、下の写真は春植えのパクチーが、
夏に花が咲いた時に撮ったものです。