最初の目的地は大阪城。地下鉄でも行けるが大阪駅前からバスが出ている。ホテルが梅田の時はバスで行くことにしている。大阪の景色が見れるから。これは？ 水の糸が時を刻む『水の時計』JR大阪駅のすぐそばにある。世界で最も美しい時計の一つに選ばれている。水の糸がどんどん流れてきて、最後に時間を教えてくれる。お母さんのジェイミーさんが一番、喜ばれた。
バスで大阪城に向かった。ジェイミーさんと娘さんのアナベルさんが2人がけの椅子に座った。17歳の息子さんエイダンさんが通路を隔てた反対側の席に座った。ごめんやけど、私は彼の隣に座った。彼はこれまでほとんど何も喋らなかったし、楽しそうにもしていなかった。母娘は仲良しで、よく喋っていた。厚かましいおばさんが隣に座って色々聞いてくるから、エイダンさん、答えるしかない。彼は来年、ハイスクールを卒業する。サイコロジーを勉強して、お母さんのように精神科の医師になりたいと思っている。好きな科目は数学。きっと賢いのだろう。
大阪城の天守閣に上った。天守閣は3代目で1931年に建てられたコンクリートの建造物。8階の展望台に行くには、2つの選択肢がある。5階までエレベーターに乗り、それから階段で上がるか、8階まで一気に階段で上がるか。エレベーターの前には20〜30人の人が並んでいた。ジェイミーさん、即決。階段を選ばれた。マラソンランナーと１０代の子供さん達にとっては、楽勝。初めは先頭に立っていた私は、どんどん遅れてしまった。
息切れしながら見た景色。手前の茶色い建物は追手門小学校。屋上にプールが見える。日本ではどの学校にもプールがあるので、泳げない人はいないんです、と自慢した。ゲストのお家にはプールがあった。
天守閣を後ろから見た景色。極楽橋と天守閣。いい写真が撮れる。「フォトスポットですよ。家族写真を撮りましょうか」と言うと必ず応じてくれる。エイダンさんは笑顔は作らないが、嫌がることはない。
今日も3軒のビーガンレストランのメニューの写真を見せて、レストランを選んでもらった。北浜の『オプティマス・カフェ』に行った。店内は2席しか空いていなかったので、テラス席に行った。中之島公会堂が見える。大阪の中ではいい景色が見えるところだ。あと10度、気温が高ければ楽しめただろうが。風も強かった。毛布を膝にかけて凍えながらランチを食べた。
私はこのキーマカレー。ゲスト達は、スープセットやとうもろこしのフリット、ドリンクなどを注文された。とうもろこし、私も一つ味見させてもらった。カリッとしておいしかった。でも寒かった。2人だけでも室内に座ってもらったら良かったと思った。ツアーはゲストと相談しながら、ガイドが瞬時に判断して進めていかなければならない。小さな後悔は、いっぱいある。
地下鉄で難波に行った。道頓堀の食べ歩きが行程に入っていて、たこ焼きを試食することになっている。でもゲストはビーガン。たこ焼きの予算の一部をランチに使った。たこ焼きは食べないが、『食いだおれ太郎』の横にある、
『TARO’S PARLOR』でいい物を見つけた。3人とも、串に刺したイチゴの飴で食べ歩き。せっかく道頓堀に来たのだから、食べ歩きをしないと。
このあと地下鉄に乗って、新世界に行った。写真はないが『タワーナイフ』にお連れした。ジェイミーさん、あまり気乗りがしないようだった。今日は外国人が包丁の説明をしてくれた。いつものように人参とトマトの試し切りを「あなたもしてみませんか？」ジェイミーさんが拒んだら、エイダンさんが代わりにさっと手を出した。いつも消極的だったので、少し驚いた。お店を出てから、ジェイミーさんは、ナイフについて嫌な思い出があることを知った。それを知っているエイダンさんがさっと包丁を手にしたのだろう。いいところ、あるじゃん。
最後はあべのハルカスの展望台へ。去年、東京の麻布台ヒルズに抜かれるまでは、日本一高いビルだった。エレベーターに乗った時から、ジェイミーさんの様子がちょっと変だった。マイルドな高所恐怖症だった。「ガラスから離れていれば、大丈夫よ」と安心させた。しばらくすると慣れてきたので、ガラスの前で家族写真を撮ってあげた。
梅田のホテルに戻り荷物を持って、大阪駅へ。19時ごろの新幹線で東京に行くはずだったが、もっと早い電車に乗りたいとおっしゃるので、チケットを変更した。みどりの窓口の券売機で時間の変更をできるようになっている。15:57発の列車に変えた。一緒に新大阪駅まで行った。新幹線の改札口で、あらあら。列車が10分から20分、遅れていた。「もう大丈夫。中に入って時間を潰すから」とジェイミーさんがおっしゃったので、改札口の前でお別れした。明日はディズニーランドとディズニーシーに行かれる。お天気は良さそう。楽しんでください。
疲れたので、新大阪で駅弁を買って帰った。
