特別なライブ

佐久間正英さんに初めてお会いしたのは１９９６年、私が二度目のメジャーデビューをした
Speakと言うユニットのアルバムプロデュースを手がけて頂いた時です。
最後にお会いしたのは昨年８月、入院されていた病院をSpeakの相方千井塔子と一緒に訪ねた時でした。
知り合っていた期間は２０年近いのですが、音楽的に一番近い距離で関わったのはSpeakの二枚のアルバム制作の３年間に凝縮されています。
そしてその３年間は私の音楽人生に革命を与えてくれた、と言っても過言では無い年月でした。

レコーディングにおけるベースの弾き方、パッシブベースの鳴らし方、ケーブルの選び方、リズムの取り方、モニターの仕方、良い楽器の見極め方、ミュージシャンが自分で出来る楽器のメンテ方法など、全てレコーディングと言う密な作業を通して教えてもらいました。

また、大変いい加減な譜面しか書けなかった私に正しいスコアと音譜の書き方を教えてくれたのも佐久間さんです。
ベースと言う立場上真っ先に録りを終えてしまう私に、佐久間さんは作業の合間を見て「実音と倍音について」と言う講義をしてくれました。
その時は「何故譜面の書き方の入り口が倍音？？」とちんぷんかんぷんだったのですが、今ではその音楽的な意味合いが分かります。

Speakのレコーディングではドラマーのそうる透さんが叩いて下さったのですが（なんと贅沢な！）、その透さんにも「正しいリズム譜の書き方」を教わりました。
未だに譜面を書く時には二人の師の顔が浮かぶのは言うまでもありません。


そんな佐久間さんがレコーディング中のある日、ベースを録り終えたばかりの私にこう言いました。
「ヤマダってベース上手いよね。上手いと思うけど、愛が無いんだよね。」

その時はただ漠然とショックを受けただけで正直意味が良く分かりませんでした。
ただ全く褒められていない事だけは分かり、その言葉は長い間私の心に刺さっていました。

私がベーシストとして仕事をするようになったのはSpeakが解散した1999
年、２９才の頃からです。その後色々な新しい出会いの中でベースを弾いていた３０代、良く自問自答をしていました。はたして今私は愛のあるベースを弾いているのかと。
演奏活動が上手くいっている時も、そうで無い時も良くその言葉を自分に問うていました。

あれから１５年近く経って今ようやく分かります。
あの時演奏を通してどれだけ自分の内面を見透かされていたのか。
私があの頃弾いていたベースは確かにそうだ、愛が無かったと。
では今はどうなのか。いつも、と言う訳にはいきませんが、演奏をしていて「この人たちと音を出せて本当に幸せだ」と心から感じ、とても満ち足りた気持ちになる時があります。そんな時にやっぱり佐久間さんのあの言葉を思い出すのです。

今年２月１５日にS-Summitと言うイベントでSpeakが再結成で出演します。出演するのは全て佐久間さんがプロデュースを手がけたアーティストで、私はSPEAK、Sabaoの２バンドでベースを弾きます。

このイベント出演をきっかけに久しぶりに佐久間さんがベースを弾いている音源を真剣に聴く機会がありました。
なるほど、それはそれは涙が出るほどに愛に溢れた演奏でした。
そうだそうだ、音楽を奏でるってこうだったと、しばし聴き入りながら、初めてもうこの世に佐久間さんがいない事を実感しました。もっと色々お話ししたかった。

佐久間さん、ヤマダはきっとまだまだ愛が足らない、まだまだずっと再会の日まで精進します。
本当に、ありがとうございました。

■２月１５日（土）
Club Asia
「S Summit」出来の悪い子供達
出演: str@y＋調先人（ex.ハイロウズ）
YOPPY(ex.THE★SCANTY）
Sabão（ex Hysteric Blue）
佐久間音哉
SPEAK　（千井塔子・やまだなおこ・田部井啓人）

☆私はSpeakとSabãoの２バンドに出演致します。

OPEN：17:30 START：18:00
ADVANCE:￥3000(D別) DOOR:￥3500(D別)





☆２月のその他のライブ

■2月４日（火）
ちびじゃみ
音楽室DX
関雅樹（g）
藤井陽一（g）
山田直子（b）
臼井かつみ（dr）
Guest Vocal
藤原美穂／石塚裕美

19:00/20:00
Music Charge/\3000

■2月8日(土)
下北沢440
http://www.club251.co.jp/440/

「うたをつづる～その弍～【ええっ！つんくわ解散!?の巻】」

【出演】Saltie(vo) 菅原潤子(g) 山田直子(b) 力石理江（K)Grace(dr)
TSUNTA÷川上真樹（&木村圭児）


開場18:30／開演19:00
前売￥3000+1drink／当日￥3500+1drink

お問い合わせ：440（four forty）03-3422-9440（16:00～）



■２月１１日（祝火）
「Seki Enomoto Session」

西荻窪Terra

関雅樹 G
榎本吉高 Dr
山田直子 B
堀田篤　G

Guest vo
シータθ

18:30/19:30
Music Charge \2500＋ドリンク

２０１４年幕開け

２０１４年、明けました。皆様、今年も宜しくお願い致します。
演奏家としては馬のようにしなやかでスピーディな演奏を目指したい所存です！

気付いて見れば新年も明けてもう５日、明日あたりから世の中はすっかり通常モードに戻る事でしょう。
そんな中、すっかりブログの更新を怠っていた２０１３年終盤あたりを絵日記風に振り返ってみたいと思います。


■ブルースギタリスト菊田俊介さんの教則DVDの演奏をさせて頂きました。
菊田さんはシカゴでは故koko Taylorバンドのギタリストをつとめた素晴らしいギタリストです。
撮影中に聴いた菊田さんの演奏はしなやかで艶っぽく、ブルース特有の泥臭さとモダンなスタイルの共存が素敵でした。
DVDは今年１／１５発売予定です。

菊田さんを囲むAngerikoと私。


キーボード氏家さんとドラムのきよさん！

このサイトでトレイラーが観られます。

そしてついでと言っては何ですが、私が昨年作ったこのDVDも宜しく！！
手が小さくても指板上を縦横無尽に動けるベースの弾き方


■そしてお馴染みViva! 80's Band@自由が丘マルディグラ


キーボードに大久保治信さんを迎え、こうなったらやらない手は無いでしょうと、かねてからリクエストがあったYesのOwner Of A Lonely Heartをやりました。
今後持ち曲になりそうです。


■東京女子流武道館コンサートの演奏をしました。女子流メンバーたちは高校生、そしてバンドもスタッフも含め私がもしやトップ？！と言うショッキングな年齢設定の中、頑張りました（笑）。いや、久々に若いエナジーをもらいましたね。
曲はソウルやモータウン、ディスコ物が多く大変楽しい、かつ演奏持久力と向き合う大変弾き応えのある現場でした！



背中に光るのは最近の現場で使わせて頂いているEDENWT800／10inch×4です。
私はたまに音がブリブリで歪んでいる、と言われる事があるのですが、実は私の音、全く歪んでいません。むしろ歪んだ音はあまり得意では無く、楽器の特性が生々しく分かってタッチやトーン感が指先でコントロール出来る超クリアな音が好みです。
そう言った意味ではこのEDENのアンプのレスポンスは素晴らしい！稚拙な表現ですが楽器そのものの音をどっしりがっしり再現してくれます。
モダンな楽器やアンプにはあまり縁が無かったのですが、このアンプでトランジスタのアンプの良さも実感しました。
レポートをMarshall Blogで取り上げて頂きました。

■さて、2013年の〆ライブはJam For Joyでした。
ミュージシャンシンガー大集合でこの人数！いつもながら凄い！

☆photo by Linda ゆうこ


■思い返して見て2013年の一番の思い出はやはり一ヶ月のロンドン～ベルギー一人旅でしょうか。



経験者なら分かると思うのですが、一人旅中はどこへ行っても何を見てもただ一人深く感じ入り自分と対話する、と言う「非日常的」かつとても静かな時間が流れるもの。
感想をシェアする相手がいないので食事なんかもとってもつつましく済ませるのですが、そんな中一番の贅沢は現地の友人と合流して過ごす時間でした。
ロンドンでもベルギーでもたまにしか会えない友人と非日常の中で過ごした時間は今思い出しても心が暖かくなります。

宿泊していたシェアハウスの暖房が付かなくて凍えそうになったり、電車が停まってロンドンのど真ん中に深夜放り出されたり、深夜バスで帰ったものの迷いに迷ってベース担いで一時間以上歩いたり、なんて出来事もありましたが、やっぱり既にまた旅に出たいと次回の旅の行程をバーチャル作成しています。

さてそして明けて２０１４年。
最初の新年会はピアノ小西真澄コニマス率いる女子会ライブの面々と！


これまた食べる体力を要する火鍋にチャレンジ。
うまかった～！！

■で、うちの猫。


「なんでヨーダなの？」って聞かれる事が多い昨今。拾ったばかりの時はガリガリに痩せていて目ばかりが大きく飛び出た猫だったのでそう名付けたのですが、もうその面影は全く、完全にありません！
今年はこいつの改名を考えています。候補は「がんも（どき）」、「おにぎり」。
呼び辛いな。


長くなりました。
最後に１月のお勧めライブとセッションを。

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ボーカリスト
石塚裕美さん率いるハードロック＆ヘビメタ（！）プロジェクト
「ヒロミタソ」に呼んで頂きました。
ふつふつと血が騒ぎます....
初顔合わせで楽しみです！

☆2014年1月21日（火）
下北沢440
【ロッカヴァーNight vol.2】
出演 マシコデラックス／松本sammy／ヒロミタソ／Gueen

【ヒロミタソ】
石塚裕美 Vo.
吉川理 Gt.
菊池真義 Gt.
Wicky Dr.
山田直子 Bs.



そしてお馴染みw.jazzのレディースデイセッションホストをドラマー臼井かつみちゃんとやります。
■１月２３日（木）
w.jazz

山田直子＆臼井かつみセッション(レディースデー）
MEN:1,500yen
WOMEN: free
＊要２ドリンク別オーダー

楽器、アンプは全て揃っていますのでお仕事帰りに手ぶらで来て下さいね。

お問い合わせ、ご予約は
naokohz@yahoo.co.jpまで。