直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

おもしろさとは何か

2012年05月11日 | ちょこのひとかけ


竹取物語を読んでいたら興が乗ってきたので、
解説込みでわかりやすく書いてみようかとちょっと思いました。
でもどうせならただ書くだけではなく、
もっとばかばかしくしたらどうかと思ったので、
参照にしようといわゆるライトノベルを見に行きました。

でも、ちらっと見回しても、タイトルからしてなにか疲れるものばかり。
まったく読みたくなりません。
そこをがまんして、聞いたことがありそうな名前のものを探し、
頭のほうだけ目に入れてみました。

……疲れました。

なんというか、最初のほうだけでだるくなって、
もう目が動かなくなる感じ。

たとえば、朝ごはんを食べるシーンなら、こんなふう。
主役の少年がテーブルを見たとします。

「フンッ、これが"朝ごはん"か?
焼いたパン<<トースト>>に片面焼き卵<<サニーサイドアップ>>、
そしてミンチの腸詰<<ウインナー>>なんて
むしろ"ブレックファスト"じゃないか」
 これでオレンジジュースとヨーグルトでもあったら
まるでアメリカの食卓だな。
 俺はひとりごちながら、すこし黒くなりかけている
焼いたパン<<トースト>>を一枚取り、かじった。


みたいな感じです。
なんだかもう、いたいたしくてばからしくてやるせなくなってきます。
目に入れるのが苦痛なレベルです。
なんとたとえるべきかはよくわかりませんが、
高校のころにノリだけで小説をノートに書いて連作したもののような
雰囲気があります。

けれど何冊か見てみると、全部が全部そういう感じのものでもなく、
わたしの文体に近いものもありました。
わざわざ買ってまねるための勉強をしなくても、
普通に書いていればそういうくくりになりそうです。

でも、適当に手にしたのをぱらぱらとめくってみる限り、
続きはまったく読みたくならないものばかりでした。
これが本になって出版されていることを考えると、
これは『おもしろい』と判断されているわけです。
どこがどうおもしろいのかまったく理解できないことに愕然としながら、
コミックスの棚に行きました。

なにかないかと見ていたら、最近評判をよく聞く、
異世界漂流戦闘ものの漫画があったので見てみました。
前作あたりの吸血鬼戦闘漫画は特に好きではありませんでしたが、
これは確かにおもしろそうです。
ぱっと見た感じ、主役の服装が、陣羽織なのかなんなのか知りませんが、
すごくかっこいいです。ああいう鎧的なものには、なぜだか心惹かれます。

よさそうだったので買って帰って読んだところ、
実際おもしろかったです。

――でも。
と、考えます。

いったい、何がおもしろかったのでしょうか。
確かにおもしろくて、最後までそのまま読んでしまいました。
けれど、わたしはなにを『おもしろい』と感じたのでしょうか?

見てみたライトノベルがまったく面白くなく、むしろ苦痛で、
その後の漫画がおもしろかったのは、なぜでしょうか。
他人が思う、二つのおもしろさはおなじものなのでしょうか?

わたしは慣れたお菓子や料理は
それなりにおいしく作ることはできますが、
まったく知らないもの、冷蔵庫にあるものを適当に使い、
適当に味付けしておいしく作ることはできません。
全部味噌の汁に入れて、それなりに食べられるお味噌汁に
するくらいが関の山です。

でも、料理の上手な人は、残りの材料からお味噌汁以外の
おいしい料理を作れてしまいます。
たぶん、何をどう組み合わせて、どう味付けしたら
おいしくなるのかがわかっているのだと思います。

それとおなじように、なにかを『おもしろく』作れる人は、
何をどう組み合わせてどう味付けしたら『おもしろく』なるのかを
体でわかっているのでしょうか。

『おもしろさ』とは一体なんなのでしょうか。
なにか相手におもしろくさせるための、
認知の種のようなものがやはりあるのでしょうか。
どうにかしてつかめるものなら、わたしもつかんでみたいものです。
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