〈あらすじ〉
タクシー運転手のフィル(ティモシー・スポール)は、スーパーで働く妻ペニー(レスリー・マンヴィル)、老人ホームに勤める娘レイチェル(アリソン・ガーランド)、そして無職の息子ローリー(ジェームズ・コーデン)の一家4人で、ロンドンの集合住宅に住み、質素な生活を送っている。
娘は決して心を開こうとはせず、息子は反抗的な態度を崩さない。
結婚生活の長い妻とも深い溝を感じてしまう今日この頃。 すっかり、家族らしい会話もなくなっていた。
それはフィルの家族だけではない。同じ集合住宅に住むフィルの同僚や、ペニーの同僚も、やはり家庭内に問題を抱えていた。
そんなある日、予想もしない悲劇がフィルの一家を襲う・・。
製作国 イギリス/フランス ALL OR NOTHING (128分)
監督: マイク・リー
製作: サイモン・チャニング=ウィリアムズ/アラン・サルド
脚本: マイク・リー
出演: ティモシー・スポール/レスリー・マンヴィル/アリソン・ガーランド/ジェームズ・コーデン/サリー・ホーキンス/ etc
こちらの作品、『秘密と嘘』の巨匠マイク・リー監督が、退屈な日々の繰り返しの中で、いつしか互いの心が離れてしまった家族の姿を見つめた、ヒューマンドラマです~~。
タクシー運転手のフィル(ティモシー・スポール)、スーパーで働く妻ペニー(レスリー・マンヴィル)、老人ホームに勤める娘レイチェル(アリソン・ガーランド)、そして、無職の息子ローリー(ジェームズ・コーデン)の、家族4人が、この映画の中心人物なのですね。
生活は厳しく、貧困、とまではいきませんが、今で言うところのワーキングプア、とでもいうんでしょうか、きりきり舞いの毎日を送っているんですね。
フィル一家は集合住宅に住んでいるのですが、同じ一帯に住む、ふた家族もまた、生活の厳しさ、人生の厳しさに悩んでいるのですね。
皆、何かに苛立ち、生きがいが見つけられず、漠然とした不安を抱えているのですね。
作品としては、かなり地味目で、生活感が嫌というほどに漂う、暗さが含まれた映画だと思うんですね。
しかしながら、質素で、淡々とした日常を描いてゆきながらも、物語終盤で、フィルが妻ペニーに打ち明ける「本音」は、私的にはとても衝撃的で、画面に思わず釘付けになるものでありました。
30半ばにして、生きがいとか、目的とか、そういったものが曖昧になり、よく判らなくなってきた自分としては、こういう作品は、いい刺激になりますね。
自分の悩みなんて些細なものではないか、と、認識できる映画は、とても貴重であります。
マイク・リー監督のヒューマンドラマは、んもう、見ごたえがありますね。
★★★★
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