秋だな!
そう感じます。
いろいろな天変地異が起こっています。
こちら熊本市内も昨日は震度4、秋田でも起きましたね。
メキシコ沖の地震や、あちこちの台風やハリケーン・・・太陽の爆発まで。
それなのに、ミサイル飛ばしたり、核実験をしたり・・・・。
いつまでたっても人間は・・・・。
見るところが違う気がしますね・・・。
結果発表です!
★★★
炎帝を如何にや今朝のちちろ哉 瞳人
○(道人)炎帝を深読みすれば中国古代の伝説の火徳の帝王、 神農氏ともとれる。早すぎる虫の声を凶作の予兆ととるのか、素直に早い秋の訪れを喜んでいるのか、「如何にや」がその問いかけのようでもある。
やさしさを土に求めている九月 宙虫
◯(あちゃこ)日差しが和らぎました。夏の疲れを癒してくれそう。
○(ちせい)季語は「九月」。土に求めるやさしさ。土が九月色に。
〇(まきえっと)土ってホッとします。
◯(ルカ)涼しくなる九月は、土と触れ合う季節。緑も生き生きしてきます。
◯ (アゼリア) 園芸療法ということがあるそうですが、土には癒されますよね。
◎ (多実生) 秋の雨に土は湿り気充分で、菜園も野菜の種蒔き時です。
◎(道人)炎熱の八月が終わって一息、「やさしさ」と「九月」がよく合っている。「土に求める」やさしさが素敵。
点検のエスカレーター夏終る アネモネ
〇(春生)情景がよく分かります。
○(餡子)「夏の終わり」を実にうまく表現しているなと思いました。
〇(宙虫)何気ない光景ですが、安ど感や疲労感やいろいろな心象風景も見える。
天高し高所にわざわざガラス張り 藤三彩
○(泉)高い所のガラス張り。高所恐怖症の人に取っては、怖いことでしょう。
病葉や機械化された街に住む 泉
〇(仙翁)ビルの立ち並ぶところにも、いのちは、芽生えていますね。
○(道人)無機質な都会生活の嘆き疲れが「病葉や」に凝縮している。
木漏れ日を抜けて木漏れ日つくつくし 餡子
○(敏)以前に沖縄で観望した日蝕を思い出しました。木漏れ日を抜けて地上に映えた太陽の姿が今でも眼裏に鮮明です。その時蝉の声がしていたかどうかは記憶にありませんが、現在しきりに耳にする法師蝉の声を一句の景にダブらせています。
◯ (アゼリア) 木漏れ日のリフレインが爽やかです。
〇(珠子)私も、街路樹の木漏れ日が一番気になっていました。つくつくしをぽんと置いただけなのが爽やか。
〇 (多実生) 上五、中七につくつくしの忙しなさにぴったりの気がします。
◎(幹夫)木漏れ日をくぐり抜けながら太陽に向かって上るツクツクボウシの様子に共感しました。
○(道人)詩的すぎるのが難点。
○(宙虫)質感、音量、光量三点そろって秋の気配。
街路樹の影に怯える秋暑し 仙翁
○(ちせい)季語は「秋暑し」。街路樹の影が長かったり短かったり。
(選外)(道 人)「街路樹の影」は「秋暑」にピッタリの景。「怯える」が大袈裟かも。
秋のテラス ウサマビンラディンがいたような 敏
〇(まきえっと)9月11日を思い出しました。世界中が平和になりますように。
◎(餡子)すごい発想の転換!!思いもよらない取り合せ!!
秋晴やビルとビルを繋ぐ橋 春生
◯(あちゃこ)最近は空ばかり見ています。
◯(ルカ)行き交う人達は、一瞬、地上とは別世界のような気になるかもしれませんね。
○(アネモネ)秋晴がいかにもです。
先がない急げ急げと法師蝉 多実生
◎(仙翁)ツクツクボウシは晩夏に、確かに急ぐように鳴いています。
○(アネモネ)蝉が僧侶のようにも思えて面白いです。
○(泉)現代社会と自然本来のスピードのズレ。人間に取っては、ストレスがかかります。
(選外)(道人)口語体のリズムが良い。生き急がないように!
薄闇へ誘う階段猫じゃらし ルカ
(選外)(道人)「薄闇」がよく分からないけれど、「猫しゃらし」との取り合せに意外性あり。
(選外)(ちせい)季語は「猫じゃらし」。薄闇が誘って居る。猫じゃらしが生えている。
秋の空都会に喧噪ありにけり 幹夫
図書館に忘れ物して虫の声 ちせい
〇(まきえっと)図書館の静けさが伝わってきます。
〇(仙翁)図書館の周りの野に、虫の声ですか。いいですね。
◎(藤三彩)メガネや時計、筆記用具などふと物忘れが我が身にも感じられる
階段で行こう秋風直ぐそこに 道人
〇(まきえっと)そうですね。気持ちよさそうです。
◎(春生)「秋風直ぐそこに」がうまいですね。さわやかです。
○(幹夫)健康のためはEVでなく努めて階段で!爽風に出合うことが出来る。
○(餡子)このビルのどこまで階段をがんばるのかな。でも、気分もいいし体調もばっちり。足腰をきたえましょう。
○(藤三彩)一日、一万歩が無理でも少しでも歩こう、涼しくなった秋に。
◎(泉)健康のためには、階段を昇った方が良い。大都会の中にも、自然があります。
○(宙虫)ポジティブな気持ちになれる瞬間ですね。
無音なる画廊に潜む秋の午後 あちゃこ
◎(ちせい)季語は「秋」。静謐が勝る画廊。そこに潜む秋の午後。擬人化の妙。
◯ (アゼリア) 残暑厳しい日には秋は何処へーと思いますが、こんな素敵なところに潜んでいるなんて。
(多實生)究極の静かさから名画が生まれそうです。
○(藤三彩)平日の人気のない午後の画廊。何なのだろうこのシュールな空間と時間の感覚は
○(道人)画廊には「無音」と「秋」 の午後がよく似合う。
見合ひ話持ちて帰郷の秋日和 アゼリア
〇(瞳人)わたくしも、経験ありです
過去抱え鬼灯売りが降りてくる 宙虫
○(敏)実際には知りませんが、きっと「鬼灯売り」は、迎え盆の頃に金魚売りのような恰好で村々にやってきたのでしょう。「過去抱え」が鬼灯を求める人々の気持を表わしているようです。
○(道人)「鬼灯売り」とは死語に近いと思いますが、どんな過去か、など興味津々。
秋の雲件の老舗ビルとなる 珠子
◯(あちゃこ)珍しくないことながら、侘しいですね。
◎ (アゼリア) 伝統を感じさせる建物が消え、新たにビルが建てられ、少し寂しい気がします。古いものを維持するのは大変なのでしょうね。あの写真からこういう発想ー感心致しました。季語も効いていると思います。
○(アネモネ)「秋の雲」への視線の移行が作者のこころを上手く表しています、
○(藤三彩)その昔、木造二階建ての老舗の蕎麦屋がビルを新築した。天ぷら蕎麦が二倍に値上がった
秋天へガラスの靴を受取りに まきえっと
◯(あちゃこ)私は行けない。憧れはあるけれど。
○(敏)「ガラスの靴」を履いたのはシンデレラさん。彼女の気持を忖度して受取りに出向いたのは一体誰だったでしょう。
〇(珠子)注文しておいたガラスの靴を受け取って、これからどんなドラマが始まるのでしょう。
(選外)(ちせい)季語は「秋天」。シンデレラでしょうか。ちょっと空想が勝って居るかと。
新しき部署に出勤野分あと 春生
○(餡子)なるほど!新しい部署はこのビルの何階なんでしょうね。不安と期待の入り混じった転勤。
○(アネモネ)「野分あと」で緊張感がいい具合に出ています。
○(藤三彩)自分の都合でなくて上の都合で異動になった時のきまりの悪さは堪らない
秋光の死角死角を警備員 珠子
○(ちせい)季語は「秋光」。死角に警備員。秋光が注ぐ。
◎(ルカ)警備員が、なかなか不気味で、季語とともに着眼点が面白いです。
〇 (多実生) 適切な位置に警備員、安全が確保されます。
○(アネモネ)「死角死角を」が上手い。
○(泉)外国の大都会ではテロが多発しています。日本も危険です。
◎(宙虫)警備員が死角に配置されているのか?死角を見て回っているのか?鑑賞に迷ったが、句の持つ陰影が面白い。
まだ伸びる高所作業車秋たかし アネモネ
〇(春生)高層ビルの建設作業に対して、季語「天高し」が効いています。
○(幹夫)何所までも何所までも高き真っ青な秋の空だ。
○(餡子)一度。高いところが大好きなので、あの作業車に乗ってみたい。
街を行く雑草あれば虫の声 多実生
〇(仙翁)西日本では、漸く秋の気配で、虫が鳴き始めています。
○(泉)街の中にも、小さな自然があります。それによって、人間は癒されます。
〇(瞳人)聞き初めなれば、軽く一杯と
迷い出る地上大都の天高し 餡子
◯(あちゃこ)地下案内図を見ないで冒険して見ようかな?
〇(まきえっと)地上のほうがわかりやすいです。
○(敏)やっと地下から抜け出した時の感じが実感できます。東京駅の地下街を出口を探して彷徨い歩いた際の気分がよみがえりました。
〇(春生)地下街から地上に出た瞬間の感覚を捉えていますね。
〇(仙翁)確かに、ビルから迷い出る、という感覚はありますね。
○(幹夫)大都会の地下街を抜けて外は天高き秋の空だった。
○(泉)地下鉄から地上に出るのは大変です。そして見上げる、ビルの谷間の秋の空。
濁世から九月の空へ梯子かな ルカ
○(ちせい)季語は「九月」。九月の空へ梯子がかかる。
◎(敏)薄汚れたこの世から、高く澄んだ天に登っていきたい、という願望溢れる作品。濁りの無い秋空が目に見えてきました。
〇(仙翁)濁世でしょうね。梯子をかけて何処へ行きましょう。
〇(瞳人)天国を覗く気分です
〇(珠子)この夏もいろいろいろいろありました。九月こそ爽やかな空気を吸いたいものです。
エスカレーター始動秋意を掴まんと 敏
◎(あちゃこ)今の気持ちにぴたりとはまりました。何処まで上るつもりですか?[秋意掴まん]でもいいのでは?
◎(まきえっと)秋意を掴まんとが良い感じです。
〇(春生)「秋意を掴まんと」がうまいです。
◯ (アゼリア) 秋意掴めるといいですね。
〇(珠子)掴むのはデパートの秋仕様でしょうか。現実的でスミマセン。
駅メロに送られて発つ風は秋 アゼリア
◎(珠子)帰省でしょうか、旅行でしょうか。さりげない心の深さに惹かれます。
〇 (多実生) 何気なく聞く駅メロ、それぞれ意味が有りそう。
○(幹夫)夫々の駅に夫々の発車メロディー。秋風の中、爽やかな旅立ちだ。
〇(宙虫)駅メロの語感がいいですね。
(選外)(道人)どこの駅なのでしょうか?聴いてみたいです。
冷え初めし女将阿吽のぬるめかな 瞳人
(選外)(ちせい)季語は「冷え冷え」。ちょっと早い様な気がしました。晩秋の季語を勉強したいと思いました。
階段が付け替えられて素風かな ちせい
〇(春生)「階段が付け替えられて」という観察が生きています。
雲は秋笑ふ都会は突き抜けて 幹夫
秋暑なおロードコーンの塞ぐ道 まきえっと
○(ちせい)季語は「秋暑」。工事現場の三角コーン。道が塞がれて秋暑し。
◯(ルカ)ロードコーンに真夏ではなく、秋の暑さを感じるのが面白いです。
油照り動く階段休養中 藤三彩
○(餡子)動く歩道は聞いたことがありますが、エスカレーターを動く階段とは。そのとおりですけどね。
回廊を抜きつ抜かれつ秋の蝶 あちゃこ
○(敏)「抜きつ抜かれつ」に動きが見えて実感できます。秋蝶の、まだ衰えを見せない姿が鮮明です。
◯(ルカ)情景が浮かび、上手い句です。
◯ (アゼリア) 蝶にも道連れが要りますよね。
〇(珠子)ゆらゆらと追ってくるのは大型の揚羽蝶ですね。今年は揚羽蝶が多いというもっぱらのウワサです。
〇 (多実生) 抜きつ抜かれつは蝶の恋でしょうか?
○(幹夫)翅を輝かせながら回廊に舞う秋の蝶だ。
◎(アネモネ)蝶のカーレースのようで楽しい句です。
(選外)(道人)爽やかな楽しい句です。
涼新たあやしき雲の行方かな 道人
○(藤三彩)どんな怪しい雲行きがこれから起こるのだろう
秋の雲ビルの谷間の外階段 仙翁
◯(ルカ)外階段を行く人は、どんな人。想像が膨らみます。
〇(宙虫)外階段、きれいなビルの裏の顔を見せている。季語が自然。
平穏無事にこの秋の健句が楽しめますように
九月になって、やっと涼しくなった、と思ったのですが、まだまだ蒸し暑い広島です。夏の疲れが出て来るような気がします。しかし、広島カープは順調にマジックを減らしていますが・・・。