麦「句会報」への掲載（2022年1月分）

インターネット小麦句会（一月分）
月に二度のネット句会。気楽にお立ち寄りください。
http://blog.goo.ne.jp/nakadayo2018
乗り継いで母訪う路地や淑気満つ　　　餡子
渡船場に夕日を拾う年の暮　　　　　　道人
子らを待つ夜具を広げる冬青空　　　　楊子
踏切が聞こえ目のない雪うさぎ　　　　宙虫
行く年や微熱の街に生きてゆく　　　　あちゃこ
人流の一人となりて四日かな　　　　　アゼリア
塩鮭を提げてちんちん電車待つ　　　　アネモネ
フェリー待つ肥後もっこすの毛糸帽　　珠子
とんど火の熱と炎に祓はれて　　　　　瞳人　　
提督は退き行く息の吐くと凍て　　　　吾郎
ふるさとの市電にひとり初景色　　　　あき子
セロ背負いゴーシュ師走の歩道橋　　　めたもん
大初日高層ビルの谷を出づ　　　　　　春生
極月の猫遮断機の向こう側　　　　　　ルカ
輪飾りや路面電車の準備よし　　　　　藤三彩
初乗りや坊ちゃん列車で温泉へ　　　　泉
出航を待つや冬青空行きフェリー　　　敏
冬麗や三途の河へ始発便　　　　　　　卯平
入口猫の日向ぼこ裏に回る　　　　　　仙翁
鏡開き五色の黴を削る祖母　　　　　　アダー女
頂上に入魂の犬芝枯れる　　　　　　　ちせい
冬木の芽一面窓の理髪店　　　　　　　まきえっと