日本の南の海の海面水温が平年より2℃前後高いため大量の水蒸気が供給されることで台風が発達しやすくなっているようです。
移動中の方は気を付けてお過ごしください。
兼題:秋
気合い欠く湿り海苔飯句会秋
定食に秋の果物添えて出す
みどり児の産毛の濃さよ秋暑し
秋葉原をスワイプ梨を剥いた指
銀漢や受け止めかねるその秋波
携帯の着信ランプ秋出水
武庫の峰越えくる色の今朝の秋
ゆるやかに下るせせらぎ野路の秋
三度目の秋、砲弾は鳴り止まず
手ぐりをり秋のはじめの穴子筒
秋草の丈の短し屈み見る
名ばかりの秋老木に水を遣る
新秋の路地嗅ぎ尽くす猫の鼻
秋渇きダブルワークの夜始まる
鈴懸の葉擦れの音や今朝の秋
川音は鎮魂の歌秋北斗
秋夕焼け芦ノ湖淡く染まりゆく
立秋の光を掬う銀の匙
秋の蝉鳴き止む永遠(とわ)に似た時間
秋の油断温度下がらぬ赤い地図
語り部の危惧する明日秋北斗
秋立つ日畝の深さに靴滑り
テーマ:準備
オリンピック汗と涙の四年間
かなかなや温き水にて洗う墓
鍵盤に小指沈める星月夜
この瞬(とき)のために鍛へて西瓜割る
にっこりの遺影を撮ろう秋団扇
ほろほろと蟋蟀のこゑ亡友のこゑ
稲刈りはずっと先畦草を刈る
秋の蝶あまり準備はしない主義
秋夕焼け予約アプリのパスワード
玉蜀黍百本茹でて海の家
迎え盆子に家系図のひとくさり
行きつけの酒屋と駄弁る盆用意
仕込み次第がちと違い山車神輿
秋夜の地震ヘルメットかぶり時を待つ
終活を待てぬ積読曝書せよ
新涼や新刊新書予約して
先ず道具買い揃える気質(たち)秋暑し
戦場のドローン部隊月明り
段取り八分は父の口癖鰯雲
内職の部屋を片付け盆用意
日記書き何の準備か虫の鳴く
買い出しのリュック抱えて炎天下
雑詠
あえぎたるたましひ集ふ残暑かな
アブラカタブラ秋風を誘き出す
空蝉に触れる親指濡れており
けふの日を鳴き尽くさむと夕ひぐらし
ひまわりの迷路出てから恋人に
月の入りカーテンにある木の模様
源流のその一滴の岩清水
子に絵本浪曲伝う原爆忌
手花火の最期は闇に水の音
宗匠と謂ふを躊躇う鰯雲
秋旱平和の底に沈む家
星空を見に生家なき盆帰省
単線鉄路の小さき旅なり曼珠沙華
天変地異に逆らえぬ人間は蟻
コスモスや揺れない嘘とゆれる嘘
敗戦忌世界時計のロスタイム
余勢駆う晩夏罹患場迂回せよ
薄れゆく怒りと記憶原爆忌
八月十五日斯くあるべしを手放して
負ける人こその勝つ人パリ五輪
母のした通りに迎え火母来ませり
霧の中想い出たどる駒ヶ岳
★選句要領
選句数6句(うち特選1句)
締切 8月22日(木)24時
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