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『anim. -アニマート-』

2011-01-23 | 漫画
『anim. -アニマート-』を読んだ。

阪神・淡路大震災の特集番組があったのを見て改めて引っ張り出してみた。

舞台は東京。ある日突然大地震が発生する。

テレビがよくやってる、下手に恐怖をあおったり、中途半端な対策を呼び掛けるものではない。
いつか必ず起きるであろうその時を覚悟させるような内容だ。

それまでの日常風景が、地震によって変わる演出がすごい。
一瞬静かになった後、ドンという何かから始まり、土砂降りみたいに何かに巻き込まれる。
乗っていた車は転がって潰れて、中にいた人も飛ばされてしまっている。
人間では立ち向かうどころか、理解することすら許されないような、圧倒的な力だ。

人間の暴動や窃盗、自己中心の醜さや、人の死も描かれている。
大げさに書いてあるというよりむしろ、控え目に書いてあると思う。
極限状態で、何のつながりのない他人同士が何万といる東京はもっとおぞましい場所になる気がする。

地震が止まった後も高層ビルがゆっくり揺れ続けている描写は怖い。
中は地獄だし、側はガラスの雨、耐えきれなくなったビルは折れる。

この漫画、東京に住んでいる人にとっては、現実に起こりうる地獄は見たくないかもしれない。

地震自体は止められないかもしれない。
しかし、その後に起こる人災は防げるはずだ。
誰かを助けるヒーローになれないにしても、最低限迷惑をかけないようにしたい。
黙って支援を待つよりも、何か出来ることはないか考えて行動する。
デマ情報に惑わされないようにするとか。


この漫画には自分の命さえ助かるかっわからないのに、人の助けようとする人が出てくる。何人も。
それは時に家族や友人、全く会ったこともない人、地震がなければすれ違うだけの人だ。

地震という重くて暗いテーマだが、タイトルの通り最後まで、強く生き生きといようとする主人公たちが眩しい。

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