○○強化月間

あけまして、おめでとうございます。

『のりタマ』

2011-09-09 | 漫画
『のりタマ』の一巻を読んだ。

こしあんが配合されている大人気ふりかけではない。
ボロアパートで慎ましやかに暮らす女の子のりちゃんと猫又のタマの生活を描いたコメディー漫画だ。

タマは4、5歳くらい子どもに耳と二股のしっぽが生えていて、行動もとにかく猫っぽい。
勝手気まま、自由奔放。コタツが大好きで、お風呂が嫌い。
近所の猫たちのボスらしい。

猫が多い町に住んでいるからか、ページのあちらこちらに猫猫。
猫好きにはたまらない漫画だろう。

その他の町人の皆様も猫又のタマをごく自然に受け入れている。
そういう魔法や妖怪が当たり前に存在する世界観ではない。
タマをフツーの子供と同じ扱いをしている。


猫が街にいるのが当たり前。
日向ぼっこしている猫に話しかけるような。
そんな感じの心地よい読みごたえが、私に何度も繰り返し読ませてしまうのだろう。



大家のヤコさんやバイト先のルカさんにも何やら秘密があって、今後の展開が楽しみだ。


『だめよめにっき』

2011-06-03 | 漫画
私屋カヲルの『だめよめにっき』を読んだ。


ヨメ、20歳。
本当に新婚一年目の作者が描く
オールカラー
ほっこり夫婦の毎日。
お嫁さん漫画の決定版!これを読めば新婚気分が味わえる!!


って、帯に書いてあった。
まあ、新婚夫婦を題材にした4コマ漫画だ。

主な登場人物は、ヨメちゃんとオットくん。
オットくんはヨメちゃんのことを猫みたいな人と言っているがまさにそんな感じ。
知らない人が来たり、失敗してしまった時は慌ててテーブルの下に隠れてしまう。
それに一つのことに熱中し過ぎると、周りが見えなくなる。
家庭菜園を始めると、マンションの屋上緑化まで行ってしまう。
炊飯器で料理ができると知れば、全部を炊飯器で調理する。

しかし、その一見暴走ともとれる行動のすべてが、大好きなオットのための行動である。

特に気に入っているのは、「おかえりクマ」と、「野菜がなくても、これがある」。
クマの方は、
ある日、本を参考にしながら、夫のためを思ってセーターを編んでいるヨメちゃん。
ほぼ完成したが何か変。本を確認するとかわいいあみぐるみと書いてあって・・・。

もう一方の野菜の方は、
今日も愛妻弁当作りにいそしむヨメちゃん。
おかずを詰めてみると彩りが足りない。冷蔵庫を探すがトマトもコーンもない・・・。


発想の面白さと、ラブラブな二人に和む漫画だと思う。


『教艦ASTRO』

2011-04-18 | 漫画
『教艦ASTRO』を読んだ。

どういう漫画なのか知らずに手に取った。
教艦?なんじゃ?
ASTRO?アトム?

最後まで読み終えて、表表紙、裏表紙、背表紙を見てみると「Asashio Sogo Teachers' ROom」ってちゃんと書いてあるし、職員室だということもわかるし、保健体育の教師だからジャージにホイッスルなのかと納得。


つまり、どんな漫画なのかというと、職員室での教師4コマである。


学園モノ4コマによくあるような、友達みたいな教師と生徒の関係はほとんど描かれていない。
あくまでも主役は教師。
職員室や保健室が中心でほかの漫画では舞台裏的な場所だ。

テストでひっかけ問題作って楽しんだり、修学旅行の見回りや、文化祭の打ち上げ飲み会などなど、教師側の視点がおもしろい。

早弁してたり、保健室でサボって寝てたり、休み時間ゲームしてたり、担当のクラスの生徒の名前を覚えてなかったり、いい加減な先生たちに見える。
でも、時には真面目に生徒の面倒を見ていることもあり、そのギャップもキャラクターの魅力だと思う。


残念なのは、現在休載中らしいこと。

一巻のあとがきには

「これってシリーズ?」
「2巻があるかもわからんからなんとも」

って書いてあった。

続きが出たらぜひ読みたいが、少年漫画雑誌の打ち切り物とは違い、すっきり区切ってあるから、続きが気になって七転八倒することはない。





早く再開しないかな。

『ACONY』

2011-04-06 | 漫画
冬目景の『ACONY』を読んだ。

物語の舞台は、謎の住人たちが住み、不思議な事が起こる、しきみ野アパート。
母の仕事の都合で、祖父とともに生活することになった主人公、空木基海は、一度死んで甦ったアコニー・ランチェスターと出会う。
そして、行方不明の彼女の母親を探す手伝いをさせられることになる。

アコニーの母親と不老不死の研究を巡るシリアスな話と、アパートが巻き起こすドタバタコメディーの二つの展開が同時に進んでいく。
幽霊や妖怪が平然と出てくるのに、話し全体のバランスが崩れないのはすごい。

料理に例えると、カレー。
どんな食材を入れてもカレーはカレー。
なんでもありで、おいしい。

好きな話は、三巻十九話の『平行世界にようこそ』。
何の説明もなく、アコニーはいきなり別世界に引きずり込まれる。
この漫画が他のとは違うのは、別世界の自分が一人ではなく、同じようにして引きずり込まれたアコニーがさらに三人いるあたりだと思う。
平行世界の話だったら、少し見た目や性格の違う自分がもう一人いれば十分だろうに、ダメ押しみたいに五人もでてくる。
カレー鍋の中みたいに混沌としている。

基海が何で五人もいるのかと問えば、細かいこと気にするなと一蹴。
アコニーたちが振り回されて元の世界に返ってきた後の感想が、「髪の色黒に染めよっかな」である。

もっと、もっとこう、なんかあるだろ!
不老不死よりも、平行世界行き来の方がすごくない?

無事帰ってこれたと安心したところに、さらにダメ押しでおもしろい。

伏線とかで雁字搦めになって、身動きできなくなったり、展開が単調になる漫画が多い昨今、漫画はもっと自由であるべきということを、体現したような漫画だ。


紫髪、黒髪、茶髪、金髪、赤毛。
個人的には、茶髪のツインテールのアコニーが可愛いと思う。


あとがきにもあるように、またどこかで続きが読めることを期待したい。


『水惑星年代記 月娘<ルーニャン>』

2011-03-26 | 漫画
『水惑星年代記 月娘<ルーニャン>』を読んだ。

水惑星年代記シリーズは全部読んだ気でいたけど、書店の棚を見ると知らないタイトルが一冊あったので買ってみた。
やっぱり面白い。

ほかのシリーズを読んだとは言っても、私の場合立ち読みという書店さんに迷惑のかかる歓迎されない方法だったので、じっくり読めていない。
ここで手に取ったのも何かの縁。
改めて集めてみたい。

えすえふに詳しいわけではない。
少し不思議とか答えてしまう私だが、最近のSFは、より現実的になっている気がする。
悪く言えば夢がないともとれるが、実現可能な範囲だと考えると、そっちの方が楽しいと思えるだろう。

軌道エレベーターが実現し、月に人間が住めるようになった。
もっとむかしのSFなら、太陽系から出るのもあっという間だった。


月生まれ月育ちの月娘・讀巫女(ヨミコ)が主人公。
その家族は前作や前々作の主役たちである。

世代とともに思いも受け継がれ、次へ、未来へと続いていく感じがうれしい。

月生まれ月育ちだから、地球に下りた時私たちにとって当たり前である重力や水、空気の匂いにいちいち反応する讀巫女。
変わらない日常も、感動で満ち溢れている。




ウサギがいて、カニがいて、チーズだった頃もにぎやかでよかったけど、こっちもいいもんだ。


『医龍』

2011-03-20 | 漫画
『医龍』の25(完結)巻を読んだ。

普通医者や医療モノを描けば、その中心には患者だったり、命の素晴らしさ、生きることへの喜びなんかが来るはずだ。

しかし、これは違う。
最後まで医局の政治やその人間関係で、患者や命はそのおまけみたいなものだった。

なのにおもしろい。
医者一人一人が、患者の生命や、自分の将来や今の立場を賭け、手術に挑む。
一瞬のミスが、医局での医者自身の人生を左右する。
患者や病気というのもで、命がけのギャンブルをやっている。
ときにはそんな風にすら感じてしまう。

命という重っ苦しいものに日々向かい続け、一日一日を魂をすり減らしながら働く。
医局という権力にしがみ付き、振り落とされないように喰いしばる。

それでも医者たちは、そんなキツイ状態を、どこかで楽しんでいるようにも見える。

医局の次の権力者を予想し、取り入ろうとする。
思い通りの医局をつくる為に、時には言葉で揺さぶり、根回しして、奈落の底に蹴落とす。
信頼と裏切りが、本音や嘘で混沌としてゆく。


最後のこの巻で、この終わり方ができたのは、医者を目指し、医者を続ける人間が優しいからだろうと思う。


読むとドキドキして、興奮が収まらなくなる。
つまり、夜眠れなくなってしまう。


また、一から読み直したいが、何の考えもなしに読みだすと寝不足決定だ。



『ネガティブ・ツインタワー!』

2011-02-08 | 漫画
けものの★の『ネガティブ・ツインタワー!』1、2巻を読んだ。

主人公の兵頭要と宍戸真琴は身長、共に182センチの長身と鋭い眼光、クールな雰囲気のせいで誤解されるが、その中身は人見知りの激しい乙女。
友達をつくりたいだけなのに、恥ずかしがりやな性格が暴走し、さらに怖がられる結果となってしまう。

上の二人も可愛くて好きだが、もう一組の主人公といっても過言ではない二人組サボり魔の少女、乾玉留と玉留のことが大好きなその幼馴染、小洗真央も大好きだ。

玉留が不良にからまれているところを偶然助けてしまった所から、要と真琴の二人に目をつけられてしまう。
お友達になろうと一生懸命に空回りする二人と、そうとは知らずヤンキーに狙われているとおびえる玉留。その玉留を守ろうと、カミングアウトする真央。

登場するキャラクターがとにかくかわいい。
見た目もだが、それ以上に表情がかわいいのだ。
デフォルメをやりすぎと言っていいほどまでしても、そのキャラが崩れない。
絵の線一本一本まで生き生きと描かれているから、表情がのびのびとしている。
ファッション雑誌で気取った顔のモデルではなく、横にいる友達と写真を撮ったような親しみやすさがある。


早く続きが読みたい。







『anim. -アニマート-』

2011-01-23 | 漫画
『anim. -アニマート-』を読んだ。

阪神・淡路大震災の特集番組があったのを見て改めて引っ張り出してみた。

舞台は東京。ある日突然大地震が発生する。

テレビがよくやってる、下手に恐怖をあおったり、中途半端な対策を呼び掛けるものではない。
いつか必ず起きるであろうその時を覚悟させるような内容だ。

それまでの日常風景が、地震によって変わる演出がすごい。
一瞬静かになった後、ドンという何かから始まり、土砂降りみたいに何かに巻き込まれる。
乗っていた車は転がって潰れて、中にいた人も飛ばされてしまっている。
人間では立ち向かうどころか、理解することすら許されないような、圧倒的な力だ。

人間の暴動や窃盗、自己中心の醜さや、人の死も描かれている。
大げさに書いてあるというよりむしろ、控え目に書いてあると思う。
極限状態で、何のつながりのない他人同士が何万といる東京はもっとおぞましい場所になる気がする。

地震が止まった後も高層ビルがゆっくり揺れ続けている描写は怖い。
中は地獄だし、側はガラスの雨、耐えきれなくなったビルは折れる。

この漫画、東京に住んでいる人にとっては、現実に起こりうる地獄は見たくないかもしれない。

地震自体は止められないかもしれない。
しかし、その後に起こる人災は防げるはずだ。
誰かを助けるヒーローになれないにしても、最低限迷惑をかけないようにしたい。
黙って支援を待つよりも、何か出来ることはないか考えて行動する。
デマ情報に惑わされないようにするとか。


この漫画には自分の命さえ助かるかっわからないのに、人の助けようとする人が出てくる。何人も。
それは時に家族や友人、全く会ったこともない人、地震がなければすれ違うだけの人だ。

地震という重くて暗いテーマだが、タイトルの通り最後まで、強く生き生きといようとする主人公たちが眩しい。

押し入れの

2010-12-23 | 漫画
『鋼の錬金術師』の最終巻を手に入れたので、改めて一巻から読み直してみようとしたが、25巻だけが発見できない。
押し入れの一角にハガレンのコーナーというべきか、まあ、だいたいこの辺りの山の中のどれかにあるという認識でいた。
並びは滅茶苦茶だったが、全部そろっただろうと、順番に並びなおしてみると一冊だけない。
普段ならここで慌てるだろうこの私が、自らの中に永眠しかかっている自制心を甦らせ、平静を装ってみた。

しかし、何んとも諦め切れない。
年末でもあるので、大掃除(山崩れ後の土木工事)を始めることにした。
大事なのは諦めないこと、逃げ出さないこと、信じ抜くこと?
カビルンルンだったりホコリちゃんだったりと格闘し、洗剤を使い、仕上げの防虫剤を序盤から使い果たし、戦場から目をそむけることに成功した。

ドラえもんは無理でも、ハットリくんならこの中で眠れるはず。

体力を使い果たし、掃除用具を放り出したままにして、癒やしを求めて漫画でも読むかと別の地層を掘り返したところ、25巻が出てきた。



わずかに燻ぶっていたやる気も消え失せた。

『ゴーストハント6 忘れられた子供たち前編』

2010-10-26 | 漫画
先日、偶然見つけた。

私は基本的に一期一会で、わざわざ発売日を確認したり、ネットで注文したり、本屋で取り寄せたりということはしない。
なのでこの出会いは運がよかった。
てっきり5巻までなのだと思っていたから、非常に驚いた。

でも次が最終巻みたいだ。
小説ではその次の巻まで話はあるのだからどうせならそこまでやってほしい。
というか、小説も続きが読みたい。書いてほしい。

この話では、いつものメンバーについてお互いが仕事以外のことでは何も知らないということを改めて意識していた。
これは、読者の中での意識もそうだと思う。
ほとんど何も書かれていないのに、それぞれの登場人物のことを詳しく知っているかのように意識している。
改めてそのことが書かれていると、なぜ今までそのことを疑問に思わなかったのかと不思議になる。


今回の話で麻衣たちは、廃屋の木造校舎の中に閉じ込められる。
今までの事件とは違い、完全に悪霊にやられてしまっている。そして、一人、また一人と消えていく仲間たち。
読者の視点からすると、今までずっといた仲間と幽霊が入れ替わっていくというのが明らかなのだが、麻衣たちの視点からではそのことに気づけない。

死者と入れ替わっていくという異常な事態を、自然に受け入れていく。

それを客観的に見ると、とても怖い。
異常であることに気付けない、不自然さを歪めてしまう。

あー怖い。
夜中に改めて読み直すんじゃなかった。

その上、前編!
解決してない!

早く続きが読みたい。