さちこのHAPPY通信

 鎌倉市議会議員の西岡さちこです。
生活者の視点で日頃感じている事 議会の様子など綴っていきたいと思います

鎌倉市一般廃棄物最終処分場(6号地)問題について

2015-07-07 15:57:12 | Weblog
 
 
6月議会に鎌倉市の農業振興地域である関谷地域にある6号地に関する陳情、
「鎌倉市一般廃棄物最終処分場(6号地)の20年間放置に関する陳情」があり、
反対討論を行いました。

 内容は以下の通りです。


 鎌倉市唯一の農業振興地域である関谷地域は、昭和48年以来、鎌倉の農業を支え、
平成8年の農業振興計画改定を経て、その名は鎌倉ブランド野菜とともに広く知られる
所なりました。
 この地域には東正院遺跡があり、湧水が多く、縄文時代からの生活跡が確認されています。

 この様な農振地域の一角に、一般廃棄物処分場は設けられ、1号地から5号地は、
昭和51年から平成12年までの25年間に渡り、鎌倉市の一般廃棄物の焼却残さである
焼却灰の埋め立て地として、約22万8500㎥、約23万トンにも及ぶ焼却灰を
埋納してきました。
 問題の6号地は、平成4年から11年までの7年間、地権者と補償協定書を締結し、
鎌倉市の焼却灰の埋め立て地としての機能を果たして参りました。
 
 翌12年4月からは、焼却灰の溶融固化が開始となり、1号地から5号地については
地権者への速やかな返還が行われましたが、6号地については、危機管理の観点から
残す事となり、毎年ごとの契約として、1年間の補償契約が今日まで継続されてきました。


 農地法は、農業者を守り、農業振興を図る為のものですが、農振地域での
農用地以外の使用については、農地法第5条、農水省令施行規則53条5項の
不許可案件として、公共の為に資する事業としての土地利用が許されており、
一般廃棄物処分場としての用途変更は必要ではありません。

 
 平成21年には、生活環境整備審議会より、溶融固化処理が安定してきた為、
最終処分場の廃止についての提言がなされ、、翌22年には神奈川県に最終処分場の
埋め立て処分終了届出書を提出し、受理されたものです。

 しかし、廃止に当たっては、排出ガス及び保有水の濃度の調査に2年を要することから
22年、23年の継続調査を行った結果、一部高濃度を示すガスの値が検出されたことから
改めて、24年に神奈川県より、ガス抜き調査が必要との指示が出されました。

 25年度には計測結果を添付の上、県との最終処分場廃止についての協議に臨んだところ、
埋め立て地全体のガス濃度を安定させるよう改めて指示が出され、
これを受けて鎌倉市として26年度において、ガス濃度の安定化に向け、具体策を検討し、
その検討結果、工事に施工至るまでの経過について、本年3月、土地所有者の説明会を開催し、
了解を得たものです。

 
 現在は、ガス抜き管の設置工事の発注準備中であり、今後は工事業者が決まり次第、
工事を開始し、2年間の計測を行うものです。
 その後、土を入れ、農作物の試作を1年間かけて行い、問題が無ければ農地としての返還が
叶うというものであり、市長も代表質問の折、「地権者への返還については、
農地としての復元工事を行い、農作物の試作を経て、平成30年度中を予定しています」
と答弁しています。 

 以上のように単に放置されてきた事実は無く、6号地は鎌倉市の
最終処分場のリスク管理として担保されてきたものです。
 
 また、営農保障については、農業所得標準額に準じた平米876円、覆土復元費
平米2149円で、1平米当たり3025円を合意単価としていることから、極めて妥当な額と言えます。


 陳情書には、「地権者の方も、いつになったら耕作できるのか見通しが全く立たないと嘆き、
苦慮している」とありますが、地権者への説明を行うことで了解をいただいている点とともに、
後継者がいないことから鎌倉市の買い入れを希望している声が有り、
地権者の生の声との相違も見られます。

 さらには、鎌倉市農業委員会においては、遊休農地の復元作業や農地法違反地の
パトロールを行い、違反者に対して説得交渉を行う地道な活動が評価され、
この度、全国農業会議所から表彰されたところであり、産業振興・JAが一体となって
農振地域を守る活動を展開しています。

 以上、鎌倉市の農業振興地域発展の大事策がとられている事実を申し上げ
反対討論を終わります。

 
(写真は、昨年8月、農業委員会の関谷地域遊休農地における作業風景です)