なぜ、なぜなのですか。
なぜ、私たちの中にポツンと紛れ込んできたのですか。
彼岸花と言えば、ご覧なさい、私たちみたいな鮮やかな赤い花
というのが多くの人が知っていることですよ。
なのにあなたは、私たちの中に紛れ込んできて、
女王様みたいに私たちを睥睨しているではありませんか。
不愉快でなりません。
早く、自分がいるべき場所に戻りなさい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/d7/26ed76608e8dff36e29ec223ba08c71a.jpg)
何とも恐れ入ります。
この写真は第70回二科会写真部展入選作で私の妻の作品です。
どうぞ、お怒りにならないでください。
私とて、皆さん方の調和を乱そうなんて思っているのではありません。
実際、なぜここにいるのか私自身よく分からなかったのです。
ここ九州では、私ども白い花の群生もあちこちあります。
私たちのことを『シロバナマンジュシャゲ』と呼ぶようですね。
私たちももともとはあなた方と同じように赤だったんだそうです。
こんな話を聞いたことがあります。
ある晴れた日、まさに突然、突風が襲いました。
それによって、あなた方のどなたかが
『鍾馗水仙』(しょうきずいせん)の群生の中に吹き飛ばされ、
その『鍾馗水仙』と自然交雑した結果、
生まれてきたのが私たちらしいのです。
それが群生をつくり、私の母もそこで生まれました。
ところが、またまたの強風です。
母の花弁の中にいた私をこちらへ吹き飛ばしたのだと思います。
だから、私は色は違えど皆さん方と親類なのです。
どうか邪険にしないでください。
そういうことでしたか。言葉を荒げてすみませんでしたね。
どうぞ、もう少し近くへお寄りください。
共々、この温かい日差しを受けながら
楽しくやっていきましょう。
ところで、あなた、何とおっしゃいましたっけ。
シロバナマンジュシャゲです。
よろしくお願いいたします。
垣間見るブログ記事にいつも
素敵なご夫婦だなあと羨ましく拝見しています
奥様の写真でこの記事がうまれる
いいなぁ