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『君戀しやと、呟けど。。。』

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『覚醒』

2009-08-04 04:23:01 | 作品b 【掌編】
 誰もが夢から覚めた後の感覚を知っている。それは心地良いものだったり、否な汗を感じるものだったり。
 果たして今のこの状況は、目が覚めたという単純な言葉で括ってしまっていいものだろうか…

 傍らには、切望した姿態。やすらかな眠り。
 そして現実世界に戻ることを躊躇わせるような、色香。

 ふと、女の覚醒が近いと知る。間もなく世界が変わる。
 さあ、こいつは何と云ふだろう。

 妖しい魅力を振りまいて、俺を堕とした女の口唇に指を這わせた。
 女の瞼が、ゆっくりと動く。そんな彼女に俺は優しく問いかける。
「別れとキス、どっちがいい?」
 覚醒したてのその顔に、やはり極上な笑みを浮かべ、女は答えの代わりに自ら口唇を重ねてきた――。
                      【終わり】(for requests)

                                著作:紫草
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