大仙市払田の国指定史跡・払田柵跡に復元が進められていた外郭の北門が完成した。東、西、南の3門は既に復元されており、これで4門全てがそろった。復元 された外郭の北門は直径60センチ、高さ1・8メートルのヒバの柱12本から成る。市教育委員会文化財保護課によると、古代城柵遺跡は外郭4門の位置が特 定されていない所が多く、4門とも復元したのは全国でも初めて。
払田柵は、平安時代の初め(801年ごろ)に造られた国の役所跡で、広さ87・8ヘクタール。外側から「外柵」「外郭」「政庁」の3重の囲いがある。外郭は、遺跡の中にある小高い丘とその上にある政庁を取り囲むもので、延長約1・8キロ。
遺跡の大部分は土中に埋まっている。北門は、地下に残る実物の北門のほぼ真上に造られた。実物は柱の上に屋根などがかぶさるが、重みによる地盤沈下を避 けるため柱のみとした。柱の横に、高さ1・2メートルのスギ製の塀を東西10メートルにわたり復元した。東、西、南の3門は1988~99年に復元され た。
北門の工事は昨年6月から半年かけて行われた。工事費は2532万円で、国が半額を補助した。外柵の南門沿いにはソメイヨシノ11本が植えられており、これからの時季は桜も楽しめる。
白神山地世界遺産センター藤里館(藤里町藤琴)を管理運営する東北地方環境事務所などは、センターの展示物の一部
をリニューアルした。動植物の写真や、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産登録に至るまでの歩みをまとめたパネルを並べ、多様な生態系を学ぶ
ことができるよう工夫を凝らした。
展示室では、ブナの芽吹きと開花、実が地面に落ちるまでの様子を収めた写真を季節ごとに紹介。雪上のニホンカモシカの足跡や、渓流を泳ぐイワナなどの写真も展示している。
高さ9・6メートル、幅3・8メートルの窓には、岳岱自然観察教育林にある樹齢400年以上のブナの巨木の写真を、ほぼ原寸大で貼り付けた。
入場無料。午前9時~午後5時。火曜休館。