うきょうの無学マスターへの道

目指せ!無学マスター

お釈迦さま 鳥と虫のお話(解説)

2007-09-30 09:53:21 | 仏教童話
畑で作られた作物も結局は人間に食べられる運命にあります。
総じて人間の生活は他の動物や植物の犠牲の上に成り立っているのです。
この点を突き詰めて考えていくと誰でも自分がたまらなくみじめになり、人間の生存とは一体何なのかと問いかけたくなります。
まして人一倍感受性の強い、思索好きの少年であったと考えられる大子は、普通の人間なら簡単に見過ごしてしまうような出来事の中に、人間生存の悲しみを明らかに見たのでしょう。

お釈迦さま 鳥と虫のお話

2007-09-21 22:05:03 | 仏教童話
心優しい少年に成長した太子は。父王と共に農耕儀礼を行った際に、強い精神的衝撃を受けたと伝えられます。
牛に曳かせた鋤で畑の土を掘り起こすと、土の中に生息していた小さい虫たちが、日差しの強い太陽のもとにさらされます。
静かに土中に生活していた虫達にとっては、それだけでも大変な迷惑ですし、早く土中にもぐらないと日干しにされてしまいます。
一方、畑の土を起こすのに使われる牛たちは重い鋤を曳っぱらなければなりません。
やがて目聡い鳥たちが掘り起こされる虫を目当てに集まってきて、われ先に虫達を啄みます。