夕張岳 |
2022/9/8 #610 快晴 |
夕張岳には二度振られている。一度は道路が不通、一度は天気のために。今回は是が非でも登らなくては。夕張の農家ユースホステルも三度目だ。お気に入りの宿なので連泊とした。ここの朝食を食べたかったので、朝食を食べてから出発とした。ボリュームが多くて食べきれなかったので、一部をラップにくるんで山に持って行った。これがうまかった。朝食のために登山開始が少し遅れるが、暗くなっても宿に戻るだけなので大丈夫と踏んだ。登山口まで一時間余りかかって、駐車場に到着。車は三台しか停まっていない。こんなに良い天気なのに、噂の名山なのに。 |
登山開始から間もなく分岐となる。夕張岳を守る会の本拠となる山小屋を見たかったので、登りは小屋を通る馬の背道。結構ワイルド感がある道でアップダウンでへこたれた。先が思いやられたところに、大岩が目の前にそびえて、あれを登るのか?とさらに萎えかけたがこの岩を巻いたところが展望台だった。向こうに見えるのは?と地図を広げたら明日行く大雪旭岳らしい。背丈の高い笹を切り開いた道をほぼ水平に進んでいたら、私を熊と間違ったのか、ぎょっとした顔の青年とすれ違った。木道が見えてきて、湿原になっているところに出た。ここらへんに固有種のユウパリコザクラが咲くんだろう。山奥の湿原、最高の気分。つい小走りになってしまった。下山してきた人を捕まえてしばらく話を聞いた。秋田から来たという上品な年配者だった。話を聞くと私よりグレードの高い山を登っているらしい。感心しながら話を聞いた。今日山に入っているのはさっきの青年と3人だけだった。木道が終わると、夕張岳がぽこっという感じで鎮座している。夕張岳頂上への最後の登りだ。疲れた体に最後の登りがきついが、お社を過ぎたらじきに頂上だった。ここでは頂上だけでなく見渡す範囲全部を私一人の独占だ。 |
また抹茶プラス大福でお祝い。頂上から下に広がる伸びやかな斜面に所々にニョキっと生えた鋭い岩が、なんとなく北海道の大地の息吹みたいに思えた。北アルプスのように高く鋭い山々に囲まれているわけではないが、深い山に来たなあという感慨は得難いものだった。 |
名残惜しい気もするが、登山道で熊が待っているかもしれないとの、少しの恐れも抱きつつ下山にかかった。比較的快調に降りて、今度は分岐から冷水コースを下ったが、誰もいないブナの林を思い出にふけったり、時々声を出してみたり、まとまらないことを考えたり、ゆらゆらと歩くのは快適だった。思いのほか早い時間に下山した。良い山なのに、もっと登られても良いなぁ。登山口まで寂しすぎる夕張の町から長い林道を通るアクセスの悪さもあるかもしれない。何はともあれ、今回の目的は達成した。登る強い気持ちがあればすでに登頂していたはずで、そんな自分へのリベンジだった。
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