誰でも自由なこころで 時代小説「かもうな」掲載中

江戸時代の仙臺藩髙橋家に養子に入った治郎の生涯を愛馬のすず風を通して描いた作品です。時代考は本当に大変でした。

岸田総理に与える書

2023年06月03日 20時33分04秒 | 日記

夜噺会 第134回 「歴史ロマン 青葉の笛」 栄枯盛衰

 

 

      人の世は栄枯盛衰である。栄えた覇者は滅ぶのである

      権力の上に胡座をかき、権限で命令を下し、下士の苦労で

      奢ってばかりではやがて魔が差し、有頂天に舞い上がって

      権力の毒に滅ぼされるものである。

 

      権力の座にある者こそ、物事の真贋の姿をはっきりと見極め、

      放漫にならぬ心の働きを養わねばならぬのである。

      少しでも立派な仕事を実現したいと思うなら、それに相応しい

      地位を権力を求めるのは当然であるが、その地位と権力は、人間

      が人間を支配する威力を持ち、その側面に魔が差す隙間があり人間

      を麻痺させ墜落させる毒が含まれているのである。

 

      この毒は塩水のように、飲めば飲むほど渇きを覚えるものである。

                              青葉の笛より