父親の名前を一字ずつ分けて 付けてもらったということで
兄はY君で 弟はH君という名前です
良い子に育ってくれと祈る かわいい命名だったのです
学校では悪の代名詞のように 毎日生活指導部の指導を受けていました
玩具のポケバイで 真夜中 市内を乗り回して補導されて見たり
考えなしの行動をとるのです
もちろんタバコやシンナー遊びに染まっている生徒でした
落ち着きなくちょろちょろと軽薄で 衝動的で
小柄だから威嚇することもなく パシリの役回りでした
兄を2年で担任し 弟は3年時でした
2年間 よく家庭訪問に通いました
子どもの悪い点は親が良く知っていると
私も男児を3人育てたので 良く分かっていました
だから 親の悩みを聞かせてもらおうと思って 行っていたのです
商売熱心で夫婦仲もよく 子どもが道を外れることなんて信じられないくらいの
堅実な家庭に見えるのです
商売を手広くやっているので 使用人も多く
子どものことまで手が回らないのだと言います
「先生、19歳までは何をしたっていいんやというてますねん。」
と 家庭訪問しても開き直ります
「火事だけは出さんといてや~とベッドに灰皿を置かしてます」
と 平然とした母親でした
「学校や警察や補導関係の多くの人に お世話をかけていながら
何をしたっていいとは 何たる言い草か~」
と 内心あきれ返っていました
「店の子もシンナーやいろんなことでやんちゃしてきたけど
19歳を過ぎて したらアホやと笑っています
それまではいいんです~」
と 母親は涼しい顔なのです
帰りが遅いなあと 家庭訪問して待っていると
「乗馬に行って気分転換をしてきたんです」
と ポニーテールに高く髪を結い 颯爽とお帰りです
唖然としてしまいました~ その時は!
どこからそんな考えの根拠が出てくるのかしら~?
女優のように磨かれた容姿で 子育ては放任なのです
父親とは一度もお会いできませんでしたが 関心を示す対象が
子どもではないのだけは確かでした
警察に補導されて引き取りに行くのは担任でした
「19歳になったら目をかけてやるんでしょうか」
内心でぶつぶつ思っていました
火事を出すな!と灰皿を置いてやる前に注意する一言があるだろうに・・・
いまだにその神経が分からないままなのです
卒業してから10年ほどした親睦会の歓送迎の会場で コンパニオンに混じって
接待役でかいがいしく働いている二人を発見しました
見違えるような すらりとした長身になっていて バーテンのような服装で
にこやかに応対しているのです
イケメンの双生児ですから 花があります
19歳を過ぎてあほな事はすっきりとやめたのでしょうか
立派に家業を手伝って盛り上げているのです
転勤をしない私だったので 目ざとく見つけて挨拶にやってきました
当時のやんちゃを知っている先生も少なく 肩身の狭い思いはしていないようでした
「大きく立派になったのねえ~」とだけ 声をかけました
母親の自信に満ちたあの言葉も あながち嘘ではなかったのです
たくさんのやんちゃな子を雇って使っていたから
経験から学んだことだったのでしょうか
狐につままれた感じがしています
38歳・39歳のことでした
ますます授業も困難を極め 廊下に自転車で乗り入れたり 弁当は体育の時間で
誰もいない教室に入リ 食べ散らかします
しっかり施錠をするのですが そこはうまく廊下の窓を
下敷きで鍵をたたくと開くそうです
階段の踊り場で数人が関所を作り 通りがかった男子のズボンのポケットをたたき
小銭を恐喝するし PTAの巡視を依頼して協力してもらうけど
荒んだ子どもの耳には 注意は届きませんでした
長い長い暗黒の数年でした
この2年後には荒れ・揺れがピークとなり
とうとう警察権が校内に及ぶことになります
明日に続く
ススキの秋です
PS
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