人間賛歌・もっちゃん4649

天晴れな母親だと (追憶の日々)


24歳で結婚し翌年に長男が産まれ 3年おきに3人が理想だと

当時の育児書で学びました


母親の年齢が25歳から30歳初めの母親に

頭の良い子が生まれる率が高いことも知りました


25歳・28歳・31歳の時にもったいないような男児が授かり

私の産児計画は物の見事に 理想の形で実現し 願いがかなえられました


運の強さはこの辺りでも感じ取れていました


すごいでしょ?

先祖の守りのおかげだと深く感謝しているのです


山の学校から転勤して大規模校勤務となり 副担任の見習い期間を4年間過ごして

いよいよ意欲に燃えて 担任時代へと突入していきました


1年2組の新入生の担任です

入学式での点呼の読み間違いは許されないし 名前の確認を一人ずつにしていました


登校してきた新入生は 何組になっているか発表を確かめて各教室に入り

静かに入学式の始まる時を待っています


まもなく式場に入場となるのに 一人の女生徒が まだ姿を見せていないのです


学年主任にその旨連絡をいれました

しばらくして返事が届いたのですが 父親の急死でこの日が告別式の日だったそうです


なんだか前途を暗示するかのような極端な出来事に

暗澹たる気分に陥ってしまいました

 
舞い上がるような祝福の日が 最愛の父親とのお別れになろうとは!

Hさんの気持ちを思うと 言葉もなく重く暗い思いになってしまいました


Hさんとはまだ初対面の挨拶も交わしていなかったけど

縁あっての出会いなのだから~と午後からの告別式に参列してきました


両親と弟の4人家族で 大手の新聞社に勤務していた父親は

家族の幸せの象徴でした


突然の別れが入学式の日に重なるなんて・・・


こんな惨いことがあるものなのかと 残されたH家族がかわいそう過ぎて

今もそのときの気持ちをまざまざと思い出します


Hの家庭訪問時に母子家庭になってしまわれたので 就学援助費の申請用紙も持参して

「失礼とは存じますが、今申請する時期ですのでお勧めさせてもらっているのです」と

恐る恐る出してみました


家の中の経済状態など何も分からないのに 「失礼ね~!」と

プライドを傷つけられたとお叱りを受けるかも知れないと冷や冷やものだったのです


すると 母親は 

「こんな時のための保険のような福祉制度の一つなんでしょ?

申請させていただきますわね~」

と 涼しい回答をなさったのです


天晴れな母親だと感じました


山の学校の校区が父親の実家でした

旧い大きな資産家ですから 名前は私も知っていましたから

よけいに心を開いてくださったのでしょう


弟と3歳違いなので Hさんが卒業した翌年に入学してきたし

また 2年生で弟の担任になりました


その時は駅前の大きなマンションに住いが変わっていましたが

堅実な生き方をなさっておられ 母親もお仕事をもっておられました


ご縁の深さを喜び合ったものです


Hのその後は 私学の法科に授業料免除の特待生で入り

弁護士になるつもりかな?と思っていたけど

県立高校の英語教師として自立していきました


入学願書を持って高校に行くと Hさんに会うことが出来

我が子に会えたような懐かしさを覚えたものです


学級担任を終え 47歳で学年主任となり 憂鬱な立場の毎日となりました


学級王国を作るのが得意だった私が 学年全体の企画運営をしなければならず

現場を離れたような寂しさと空しさを感じていたのです


学級で問題が起きると その学級担任とともに 夜 家庭訪問に出向いて行き

謝りをしなければならず 他力本願のような生活に何も楽しみを見出せなかったのです


「この3年間の学年主任が済んだら退職しよう!」と

内心で決めていた時期がありました


49歳の時でした


近くの文化会館に『朗読の夕べ』という催しがあることを知り

チケットを購入しました


チケット売り場にいたのがHさんの母親だったのです


偶然の出会いでしたが うれしい気持ちになっていました


当日 勤めを終えて会場に行き 指定席を見つけてパンフレットを読んでいるところに

「M先生!」と若い女性に声をかけられました



明日に続く



山茶花です






PS

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