表記は、先日の中日新聞に出ていた、本の広告文です。
共感します。
昔は、金銭的には貧しかったけれど、心は、今より豊かだった。
卑怯な奴は少なかった。
「ケンカは、しても、弱い者イジメや、卑怯なマネはしない。」
と言うのが、ワル餓鬼どもの中でも、仁義だった。
卑怯な奴は、ワル餓鬼からも、仲間外れにされたものだ。
私が、小さかった時の体験を書こう。
私が、小学校低学年の頃、町内のワル餓鬼兄ちゃんたち(小学校高学年か中学生)が、隣町のワル餓鬼と、「集団決闘」をすることになった。
夕方、空き地に、両方のワル餓鬼が集合した。20人くらい居ただろうか。
(私は小さいので、その辺で、見ていただけ)
誰かが言った。
「いいか!これから決闘をするが、卑怯なマネはするなよ!
ナイフとかは無しだ。肉弾戦だ、イイナ!」
(「ニクダンセン?」私には理解出来なかった。後で、解かった、「素手でのケンカ」という意味だったらしい。)
ケンカが始まった。
ポカポカ(というより、ブシュブシュ) という殴り合う音が、聞こえた。
服が破れる奴、鼻血を出す奴。
でも、泣く奴(少なくとも泣き声を出す奴)はいなかった。
そのうち、敵側の一人が、私のところへ飛んできて、私の襟を締め上げた。
私は、びっくりして、ただ目を丸くした。
「なぁんだ、チビか!」
彼は、私を放り出して、次の相手にかかって行った。
ワル餓鬼にも、「惻隠の心(仁)」、「羞悪の心(義)」が、備わっていた。