年玉を並べて置くや枕許 子規 2012年01月05日 | 名句鑑賞 年玉を並べて置くや枕許 子規 俳句一年生ですので、新年には新年の句を読んで勉強していますが、 一幅の掛け軸を思わせるような清涼な句の多い新春の句に混じって 子規のこの句をみつけたとき、思わず胸に、ぐ、と迫るものがありました。 生涯を妻帯もせず、短い命を病床にあった子規が 正月の枕許にお年玉を並べていたかと思うと、 俳句は十七文字で完結する世界、 境涯で読むものではないと心しているのに 胸が揺さぶられるようです。 虚子の書いた「柿二つ」という小説は、 子規とのことを書いた自伝的なものですが、 虚子のニヒリスティックな筆が冴え渡っているとのこと、 今年ぜひ読みたい本の筆頭です。 « 喪を知らぬ賀状は少し愛想らし | トップ | 朝食のパンにバタぬり六日かな »