moonpool

魂のため息

ファンファーレ

2017年02月18日 | 動け!!
そこは到達点ではなく通過点
うわの空に響くはファンファーレ
しかし、祝福の拍手はなく
てには狂気が握られていて

ぼくは嬉しくて泣いている
くだらないこの世界に乱舞する
はいてすてるほどの憎しみの量に

ただひたすらにもがき続け
びくともしないあの幸せは
にせもの
できそこないのぼくに向けられた
たくさんのファンファーレ

ぎぶみーちょこれいと

2013年02月14日 | 動け!!
罠


「ギブミーチョコレート」
と君はニコッと笑う。

コンビニエンスストアのひとコマ

僕は「はっ?」と聞き直す
だって今日はバレンタイン
普通は女の子が男の子にチョコを渡す日だから
(もちろん日本独特のものだけど)

だけど、君はちょっと変わった娘
だったということを忘れてたよ。

「ああ、いいよ。どんなのがいい?」と僕。

「うーん、じゃあこれがいい」と
きれいにラッピングされた
かわいらしいものを君は選んだ。

僕はそれを手にとってレジに持っていく。
店員さんと少し目が合ってしまった。
(どう思っているのだろうか?)
お金を払い、チョコを君に渡して店を出る。

「ありがとう」と君。

僕は「そのチョコどうするの?」と訊ねると
「彼にあげるの」とニコッと笑う。

「はあ?」
  (僕にくれるのではないのか?
   いや、そもそもこれは僕が買ったものだから
   もらうというのはおかしい。
   でも、君のことだからありえる      
   が、話の展開上、僕にではない・・・はあ!?)

自問自答してパニックになっている最中、
君は誰かに電話をしている。
恥ずかしながら聞き耳を立てる。
どうやら相手は男性で、
しかもこれからチョコを渡しに行くと君はいっている。
(はあ!?)

「これから彼にチョコを渡しに行くの、一緒にいこ!」と手を繋ぐ。
「はあ?」と僕はなすがままについて行く事しか出来ない
・・・十数分僕は何も話さず歩いた。

君は知ってか知らずかニコニコしながら
オフィス街の一角の喫茶店に入った。
すぐに君は相手を見つけたのか声をかけ、手を振っている。
僕は複雑な心境の中、後をついてゆく。
そこには、にこやかな紳士が座っていた。
君は親しげに話をしている。
(ん?どこかで見たような・・・もしや、父親・・・!)

全てのパズルが解けたと同時に緊張が走る。
(・・・いきなりですかっ!)

君は僕に手招きして
「まずは彼と私からのバレンタインのチョコです、はいっ」とチョコを手渡す。

そして「お父さんと私からのバレンタインチョコ」と僕に手渡してくれた。

僕は、いや僕達は彼女の罠にまんまとはめられてらしい。
父親も彼女の意図をようやく理解し始め、
困惑している男がふたり、苦笑いしながら
お互いの顔を見合わせて
「はじめまして、娘の父です」
「あっどうも、はじめまして、えっと・・・付き合っています」
「そうみたいですね」
「ええ、そうみたいです」
「変な娘ですいませんね」
「どうぞお構いなく」

なんだか妙な
初めての会話だけどなんだか気が会いそうな気がした。

強奪バレンタイン

2013年02月14日 | 動け!!
キスの温度


おまえは
これ見よがしに
自慢する

たくさんのバレンタイン
チョコレートを

だから、なに?
私からのチョコレートはない
必要ないでしょ?
そんなにあるんだから

大事そうに抱えている
それを
奪い取って

何も言わずに食べてやる

「あっ」という
おまえの表情に
私の中の悪魔が
天使のように微笑んで

「あ~ん」と
食べかけのチョコを
あげるそぶりをして
また食べる

おまえは拗ねて
違うチョコを食べようとする
から
その手を
  体を押さえつけ

おまえの口に
くちづけをするよ

私の舌の上でとろけたチョコを
口移しで食べさせてあげる

どう?
おいしいでしょ?

おまえは少しおびえたように
私を見つめ

私はやさしく
微笑みかける

キスの温度


わたがし  ~Enfance finie~

2012年08月10日 | 動け!!
Enfance finie(1)


夏祭り
待ち合わせ場所

浴衣姿の君は
いつもよりも大人びて見えた

自分の顔よりも大きな
わたがしを頬張って
笑顔で手を振る姿に
いつもの君を見つけて

何だか少し、ほっとしたよ

無邪気な瞳で
「ねぇ、食べる?」

その言葉が
どんな意味を
どんな力を持っているのか
知っているのだろうか

ただ甘いだけのわたがしが
ほら、特別なものに・・・

そんな気持ちを
悟られないように

僕はガンダムのお面をかぶり

知ってか知らずか
君は悪戯なウインクをして
アンパンマンのお面をねだった

賑やかな人込みは僕に味方して
君との距離を自然と縮めてくれてさ

「はぐれないように」
そんな言い訳が出来て
手をつないだんだ

だけど

何を話せばいいのかな?
伝えたいことはあるのにな

うまくいかないんだよ

ほら、こんな僕だから
神様は意地悪をする

ぽつぽつ雨が降ってきた

急いで雨宿りして

君は濡れた髪を整えながら
花火大会の心配をしている

僕はどこかうわの空で
手にしていたわたがしを
ぼんやりと眺めている

雨に濡れたわたがしが
すっかりしぼんで
割り箸が透けて見えるよ


「ねぇ、たべないの?」
そう言いながら君は
僕の(もともとは君の)わたがしを奪い取って
舐めている

「ほらっ」と
ガンダムのお面を剥ぎ取られ

「お面なんてしてるから食べられないよ?」と
ちょと怒った風な口調で
でもやわらかな言葉で
「アンパンマンは知ってる?」

「ああ、知ってるけど?」
そんな僕の言葉をさえぎるように

にっこりと微笑みながら
「わたしがわたがし」呟くように・・・


神様は親切だから雨を降らせたのだろうか?

僕のクチビルに甘いわたがし



雨上がりの夜空、花火





『恋=愛』だとおもうのに、みんなは『恋<愛』だと言う。だから僕は『恋>愛』とあえて叫ぼう

2012年01月03日 | 動け!!
粋

これは『恋』と『愛』とを位相幾何学的アプローチによる考察である

恋と愛、なにが違うの?

『恋=愛』だとおもうのに
みんなは『恋<愛』だと言う。
だから僕は『恋>愛』とあえて叫ぼう

『愛』って不純だよね
本来、愛が純粋だったらさ
『純愛』なんて言葉、必要ないじゃない

辞書に『邪恋』はあって『純恋』はなかった
『恋』は下にココロがあるから下心?
それっていけない事ですか?

こんなとことを考えてしまったのは
あなたの所為で

気がつけばあなたのことを考えていて・・・


恋をわずらって
愛をこじらせて

つまり恋だとか愛だとかどうでもよくて
もっと単純な想い

違いを言ったらきりがないけど
本質的なところでは
『好き』と言う気持ちです


片思いでもかまわない
あなたが幸せでいるのなら

できれば僕の力で幸せにできたら
嗚呼、妄想はあなたを裸にして・・・

なんだかドキドキして
胸が苦しくて
熱があるようで

知恵熱でしょうか?