いつもそうだ。ボクは。
愛を囁かれると、急に冷めてしまうんだ。それまでの淡いときめきの積み重ねが、突然ばかばかしくなる瞬間があるんだ。
愛している、と 誰かが言う。でも、喜んですぐに同意をすることなんて、ボクには出来ない。
間違っても 出来ない。
嘘だ、と否定しているんだろうか。頭の何処かで。世界じゅうどこに行っても 人間なんて、特に大人は、どうせ嘘つきばっかりなんだって。
ボクみたいに。
馬鹿にされてるような気になるんだ。大切に慈しまれて、まるで壊れ物のような扱いを受けることで、なんだか自分がか弱い存在に貶められているみたいで すごく嫌だ。ボクは、大切だとか 好きとか、何かそんな風に 思われたく ない。
まぁ他人から見たらこれは単純に照れなのかも知れないんだけどな。分かってるんだけど。
それでもボクは 言葉が 嫌いだ。
そんな安い台詞で。
ボクに 触れようとするな。
だけど、なんだかんだ言っても ひとは本能的にあたたかいものを求めていると思う。
春のひだまり。
真冬に燃える暖炉。
ボクたちは手を伸べてよろこび、それらを歓迎する。
無意識、なんだと思う。自分にとっていちばん居心地のいい場所を探してるんだ。そしてその場所を、誰からも守ろうとする。
それは、結局は人間にとって大切なことのように思う。一生根なし草っていうのも、かっこいいけど、やっぱりちょっと寂しいものね。
あなたがいるなら、帰って来れるよ。いつでも この場所に。
あなたのいるところは いつも暖かい。行った先々で拾って来てしまった悲しみや痛み(ボクにだってそういうことくらいはある)を あっという間に溶かしてくれる。
何か特別な施工があるわけではないのにね。そこにいるだけで、なんて、そんなの綺麗ごとだと思っていたけれど。
溶け出した悲しみが溢れて、その暖かな場所で 激しく流れる。そのときボクは 初めて泣くのだ。あなたの前でだけ。
人はみんな、寂しいものをたくさん背中にのせている。
それこそ羽なんて無くてさ、とても悲しい思い出ばかり たくさん背負っている。だから その反対側、胸の方を合わせるようにして抱きあうでしょ。背中は、孤独と寂寞を積んでいて ひどく冷たくなっているから。
そのとき 互いの鼓動を感じられるように、心臓はいっこずつ。
強く強く引き寄せ合えば引き寄せ合うほど、体に回した腕は、相手の背中に降り積もった寂しさに触れる。
その冷たさと過去の重さ、深さ。そして今ここにある言いようのない幸福との狭間で、その温度差に混乱してしまう。
何を見てきたの、あなたは今日まで。
その澄んだ綺麗な目で、どれほどの悲しみに向き合ってきたの。
ふたりの距離がゼロにまで縮まったとき、互いの瞳を見つめ合う。その色彩を 確かめるように。
...いつもそうだ。
キスのあとに まっすぐ見つめて来る、真摯な瞳。その黒い瞳は、互いの温もりにまどろんだような色をともして。
それを見るたび、この人はなんて生き方をして来たんだろうって思わされるんだ。
あなたの過去のすべてを、ボクは知らない。かつてあなたが、あの街にいたという事実しか、ボクは知らない。
あなたが心を開いてくれるから、からだに触れて、ボクはあなたを感じ取ろうとするけれど、赤く燃える闇が、肌を突き刺すような寒さが あなたの過去から伝わって来て、ボクは驚いてあなたを見る。すると、やさしい瞳がボクをとらえて微笑んでいる。きらきら輝いている。それが、涙が出るほど美しくて、美しくて、自分の悲しみなんて大したことないんだって思い知らされる。
目を閉じて、ボクの中を覗いてみると、そこにはいつも 子どもの頃のボクがいる。甘いお菓子を欲しがって、誰かのあたたかい腕の中に抱っこしてほしくて、ひとりで泣いていたボクが、暗闇の中にぽつんと立っている。
目を背けても、泣き声が止まない。その声がうるさくて、死ぬほど嫌で、嫌で嫌で嫌で、ボクはこの子どもを許すことが出来ない。癒すことが、出来ない。
昔のことなんて忘れてしまいたいって何度も思った。この胸を、臓腑を、ぜんぶ抉り取ったら、この子どもは消えてくれるのか。どれだけ話しかけてみても、頼んでみても、汚れてぼろぼろの靴を履いたこの子どもは ボクの中から消えてはくれない。
愛している、と、あなたが言う。
ボクはそれを拒絶する。
それは、確かに ボクの中のこの子が いちばん欲しがっていた言葉なのに。
分かって いるのに。
あなたが嘘なんてつくわけない。あなたはきれいなひとだから。だけど、愛してるなんて、人間が、あなたが、このボクを愛してくれるだなんて、どうしても、どうしてもどうしても嘘にしか聞こえなくて、嘘だとしか思えなくて、あなたはボクを信じてくれるのに、どうしてボクはこんなに汚れてるんだろうって、そんなの今に始まったことじゃないのに、悲しくなって、また俯いて、その場にうずくまって、ボクはまたあなたに 困った顔をさせる。
ごめんね...。
言葉なんて、本当はいらないって思っている。だって、この心は、とっくにあなたのものだ。
何も説明する必要なんてないでしょう? 口を開けば出まかせばかりになってしまうボクだから、今はただ、こうしてあなたに触れていたいよ。
だって、この暖かさは、嘘じゃないって 言い切れる。
あなたの持ってるもの、ボクは何も持ってないかも知れない。だけど絶望なんてしないよ。
あなたは強い。あなたは美しい。あなたが、そこにいてくれるから、それだけでボクは満たされる。うれしい。ずっと一緒にいたい。あなたがいるなら、ボクには帰る場所だってあるんだ。
とっても 清々しい気持ちだよ。
だって、ボクのようなのが、生まれて初めて 誰かのために何かしたいと思っているのだから。
別にこう 具体的にひとつ決まってることじゃなくてさ、ただ、喜ぶ顔、見たいんだよ。
いつか、いつか。
... いっしょに なりたいよ。
クロロ。
声を聴かせてください。
ボクは クロロが すきだ。
あなたの声で、ボクの時間をいっぱいにしてよ。
ボクの耳が、まだ 聞こえるうちに。
クロロ。
愛している なんて 何かの真似みたいな そんな台詞じゃなくてさ。
ボクの 名前を 呼んでよ。
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そんなこと思ってても口には出せない ひそか
超訳:身に余る幸せに耐え切れずごめんね素直じゃなくて... (※夢の中なら言える) 思考回路はショート寸前いますぐ会いたいよ>///< 泣きたくなるようなムーンライト( ´ ;ω; ` ) 電話も出来ないミッドナイト( :3[※※]
Q. だって純情 どうしよう ?
A. ひそかさんクロロと結婚しろ
相変わらずのだれおま・ザ・ワールドで大変申し訳ありません死で償う。駄文失礼しやした...。もう二度と文章なんて書かない...
夏こみなんて知らないもん!夏こみなんて!!知らないもん!!!いいなーー楽しそうでいいなァーーー!!!!!(ふて寝)