トゥーン便り

トゥーンの街で起こったこと、トゥーン昔話などなど

行者ニンニク

2007-03-01 00:46:35 | 食べ物
 うちの家の先住者が話してくれたことだ。
彼が若かりし頃のある春の日、ガールフレンドに「ベア・ラオホを採りに森へ行きましょう。」と誘われたのだそうだ。ベア・ラオホが何物か知らなかった彼だが、もちろん喜んで一緒に草摘みをし、彼女を連れて我家に戻ってきた。と、「わ―――!」という悲鳴に近い彼女の声が。「ここにあるじゃないの、ベア・ラオホ。」
 どうして彼が知らなかったのかは不明だが、そう我家には庭を取り囲むように びっしりとベア・ラオホ、和名 行者ニンニクが蔓延っているのだ。
冬眠から覚めた熊が最初に食べる草というので ベア・ラオホ 熊・ネギと称されているとか。和名のほうは行者が精の付く草として食したのが由来とも。
暖冬で 今年は早めに出てきた。
スイス人はサラダ、 スープに使うようだが、うちは 韮がわりに レバニラ炒め風に使ったり、餃子のタネにしたりする。ペストにしてもおいしい。
最盛期には 見知らぬ人が「ちょっと採らせてほしい。」と頼みに来る。「いつでもどうぞ。」というと ごっそり一畳分も切り取っていく人もおり、おどろく。
実際、スーパーなどでパックで売られているが結構高いのだ。
子供が小さい頃は 家の前で 通りすがりの人に売っていた。
世話はしなくてもどんどん出てくるチューリップも 子供等はよく お店をだして売っていたが、隣のいつも小うるさいおばあさんが「勝手に庭の花を摘んで売ってはいけない.。」と怒ったそうだ。
うちは家族中花粉症で 花を部屋に置けないので、何をしようと子供の自由なのだが、ま ほっておいた。
ネギの花のように白い小花が咲く時期が来ると 葉も長けて来るので、食用はお終い。また来年の春を待ちわびる。