トゥーン便り

トゥーンの街で起こったこと、トゥーン昔話などなど

湖上練習開始

2006-06-29 23:35:08 | 音楽
 今年も夏の湖上ミュージカルの練習が始まっている。
この『musical sommer』は4年目を迎え、「エヴィータ」 「屋根の上のバイオリン弾き」 「ミス サイゴン」に続き、今年は「エリザベート」が催される。
5月からコーラスは週一回の練習がある。
6月からは ほとんど毎日、隔週末は土、日とも 朝10時から夕方5時まで練習だ。
娘二人は 民衆役、売春婦として出演する。
主役陣はもちろんプロフェッショナルだが、コーラスと脇役に一般の人が募集され、キャスティングの結果、参加できる。
舞台は湖上で、遠景にはアイガー、メンヒ、ユングフラウのアルプス3山が正面に見られる。ヨットの帆も情感をそそり、まだ明るい夏の夜7時45分から開演され、舞台の進行とともに 日は暮れ、月が昇り 星が輝いてくる。
6月18日 湖上に出来た舞台での初練習。この日は観客席を利用する場面の団体練習だ。
真夏日で太陽の燦々と照りつける中、階段を上がったり降りたりの練習は きつそうだ。
6月27日 舞台装置がヘリコプターで運送、設置された。
いよいよ本格的な舞台練習が始まる。
初演は7月19日。 


スイスワイン

2006-06-14 21:19:58 | 食べ物
 トゥーン郊外に住む画家 フェルディFerdi Schmutzが夕食に招待してくれた。
何が楽しみかというと ワインだ。彼は自宅階下のアトリエで ワインバーも開いている。木、金、土曜日に 試飲しながらワインの注文が出来る。
ちょうど試飲会の後ということで、コルクを抜いた数本のワインがずらっと並べられている。
 アペリティフは白、スペイン産。奥様のベアトリスがニンニクいっぱいトマトのブルスケッタを出してくれる。
仕事をしているベアトリスは「今日 時間が無くて。変に凝ったものをするより 簡単でおいしいものって思って ただのスパゲッティよ。」ともちろん手作りのトマトソースで。ヴァリスの赤が出てくる。おいしい。
 この後イタリアワインだったような。ワインの名前が覚えられない私は おいしければ良しとしている。
デザートはチーズ数種類。もちろん赤と続く。
帰りはローカル電車で10分ほどだから 運転の心配も無く(夫) じっくり味わう。
 日本ではなかなかスイスワインは手に入らないらしいが そういう話をすると
「良いスイスワイナリーの伝手があるから 日本への郵送も請け負うよ。」とのこと。興味のある方は http://www.arte-vino.ch/ ご参考ください。
もちろん 私も注文承ります。

初セーリング

2006-06-13 22:07:08 | その他
今季初セーリングを楽しんだ。
週末から 急に日中 28℃まで上昇。やっと来た夏だ。
夫が早めに仕事を終え、4時ぐらいに湖へ向かう。自転車で5分ほどの距離だ。
三人乗りの小さなカタマランだから用意も速い。
ヨット置き場からごろごろ引っ張って水へ。さすがに水はまだ冷たい。ヨットを湖上に押し出し、乗り込むのに膝下まで濡れるのは仕方が無い。
程よい風だ。
アルプスはくっきり見えている。
湖畔のプールは パラソルも鮮やかに人でいっぱいだ。
早くも幾艘かのヨットが風をはらんで走っている。
この上天気に 皆仕事を早めに切り上げたようだ。
汽船ブリュームリースアルプに手を振りながら 横切る。
一時間ほど走って、湖畔のホテルに横付け、ビールで渇きを癒す。
その後また 一時間程 右転左転を繰り返し 岸に戻る。
短い夏だ。機会を逃さず(仕事、家事は後回し)楽しまなければあっという間に冬になってしまうのだ、スイスは。



汽船

2006-06-07 16:27:34 | 歴史
 汽船ブリュームリースアルプhttp://www.bls.ch/schiff/dampfangebot_d.htmlがこの日曜日 今季初出航した。
1906年築のこの汽船は 100年を記念して改築された。
船体がオリジナルの色に戻ったのだ。白から萌葱色に。
古き良き時代belle époqueの優雅な姿が トゥーン湖のエメラルドグリーンに映える。
 我家ヴィラ・パイプラインも同じく1906年に建てられちょうど100年を迎えた。
この萌葱色はうちの居間の壁板の色なので 余計 親しみが湧く。
 毎日 12:38 出航を知らせる汽笛が「ボーーー」と聞こえてくる。
6月4日から9月10日までは 18:38発 21:16着で ディナークルーズも運行される。
船内の大きな車輪が回転するのを眺めるのもおもしろい。

Pacific Crest Trail

2006-06-05 21:53:41 | その他
友人の40歳を祝う誕生日パーティが Niederhornニーダ-ホルンで催された。
トゥーンから船でベアテンホーレへ、そして徒歩でベアテンベルク村(標高1121m)まで、元気の在る連中はそのままニーダ-ホルン(標高1935m)へと登る。
私は同年代の女性とロープウェイで山頂へ。
今年の異常天候、まだ雪が残っている。
 コーヒーを飲みながら外に目をやると、8人のバイカーがたどり着いた。
もちろん下からここまで 自転車で走ってきたのだ。
女性も2名いる。
 夜のパーティの余興でこのバイカーのベティーナとフィリップのスライドショーが催された。
この20代後半の二人は去年 Pacific Crest Trailを歩いたのだ。。
これは アメリカ三大長距離自然歩道のひとつで、メキシコからカリフォルニアを通ってカナダまで4200kmの道程だ。
5月から9月までの 150日間、一日平均30kmから40km 歩き続けたのだ。
砂漠、岩場、雪の中、川の中も水に浸かっての横断だ。
事前に要所要所に郵便で食料などを送っておくのだそうだ.。
テント、予備のズボン一本、靴下一足という最低限の荷物だ。水のあるところを探し野宿、そこで フィルターを通して飲み水を得る。
この間 1センチ 足が大きくなったそうだ。それも見越して 途中、サイズの大きい靴も郵送していたという。
時たま、同じようなハイカーに会うこともあるが、ほとんどは二人だけで 黙々と歩き続ける。
幸いな事に雨は五日間だけ降ったそうだ。どんなことがあっても歩くしかないのだ。目的地まで行かなければ食料がなくなるのだから。
 夫と二人で150日間、歩きつづけるなんてもってのほかだ。途中で離婚となっても不思議はない。
なんともすごい人たちがいるものだ。
 一泊した翌朝、霧の中 雪の残る草の上、バイカーたちは下っていった。

トゥーン城コンサート

2006-06-01 17:28:07 | 音楽
5月29日から6月8日まで『トゥーン城コンサート』http://www.schlosskonzerte-thun.ch/ が 11回催される。
31日、『Nacht Stücke』夜の曲がベルン在のアンサンブル「Die Freitagsakademie」によって奏された。
俳優Stefan Suskeが曲の合間で 詩の朗読をする。
詩から始まり、一曲目は ヴィヴァルディその名も「la notte」 リコーダー、リュート、チェンバロがトゥーン城騎士の間に ぴったりだ。
暗く冷たく濡れた暗闇、妖怪たちが夜をたたえる、そしてCouperin作曲 チェンバロの独奏。
3曲目は「あなたの前では自分が内気になってしまう、それが不思議」とおどけた調子の詩に続いて Telemannの A-Dur。オーボエの響きが心地よい。
どんな風に夜はやってくるのか Boccherini「 La Ritirata di Madrid」は 軽やか。
最後はもちろん「Eine Kleine Nachtmusik」 モーツァルトが父親に宛てた手紙が朗読される。
寒空(異常な寒さだ)に 三日月が刺々しく光る中、家路に向かう。
17世紀、18世紀 夜は恐ろしいものだったに違いない

アートへの窓

2006-06-01 16:40:54 | 催し物
トゥーンの街中、洋品店、宝石店、スーパーマーケット、肉屋、パン屋と同様に『ショーウィンドー』が存在する。そこは買い物をする場所ではない。だが何を買おうかなとか、新しい恋の始まりのきっかけとか ちょっと立ち止まって思考するところなのだ。
アートは日々の中にあり、日々の生活はアートへと繋がる。
この『ショーウィンドー』からアートへ、そして世界へと広がる。
トゥーン在のアーティストWilfried von Gunten www.vongunten-kunst.chが現代アートを紹介するプロジェクト空間だ。
31日 夜7時からChantal Michel http://www.chantalmichel.ch/index.htmlのパフォーマンスがあった。
部屋の真中に 浮いたように横たわる黒衣の女性。
微動だにしない。かすかにまぶたは動いてるが。
私が見ていた30分間、ずっとそのままだった。6月になろうとするのに 10度以下の寒空、アペリティヴのワインとチーズで暖を取りながら、中世の街並みの中、モダンアートを楽しむ。