トゥーン便り

トゥーンの街で起こったこと、トゥーン昔話などなど

キリスト教到来

2006-05-30 22:59:47 | 歴史
『トゥーン湖近辺にいつキリスト教が到来したのか』という講演を聴いた。
1511年のカトリック、及び1673年のプロテスタントの記載によると一世紀にはベルナーオーバーランド地方にキリスト教が伝わったとなっているが、その後の研究で それは間違いとされた。
この地方の最初の教会は シュピーツ、アイニゲン、ライシゲンに アレマン人(西ゲルマン)によって 西暦700年頃建てられた。
トゥーンからインターラーケンへ行く途中に、聖ベアトゥス洞窟St.Beatus Höhlen http://www.beatushoehlen.ch/がある。約12Kmの鍾乳洞だ。
ここは 「一世紀ごろ 聖ベアトゥス(老人)がブリューニック峠を越えてやって来、洞窟の竜を退治し、隠者として定住し、良きことを多々する。」という伝説がある。
が、これは 1511年にDaniel Agricolaが インターラーケン修道院のために フランスのVendome にある聖ベアトゥスの話をここに転化したことが知られている。
実際、信心深い人が良いことをして称えられることはよくある話で、聖ベアトゥスの話を嘘という必要はないが、それが最初のキリスト教の伝来とはいえないということだ。
講演を聴いたのはシュピーツにある700年頃建てられたという教会でだ。規模が小さすぎるということで1907年に新しい教会が建った。
現在は コンサートやいろいろな催しに用いられている。


パラボート

2006-05-28 22:14:10 | 催し物
トゥーン湖でパラボートhttp://www.proparaboat.ch/de/のデモンストレーションがあった。
「全ての人々にウォータースポーツを」をモットーとして トゥーン在の発明家Ulo Gertschが設計した身体障害者のためのボートだ。
足の不自由な人を対象としており、手漕ぎで陸上から車輪で水上へ移動できる。
前進、後進も回転の向きを変えるだけだ。
一人乗り、二人乗りがある。
しっかり安定しており 転覆の心配はほとんどない。12、3歳の子供達も容易に楽しんでいた。
オンラインマガジンwww.youthguide.chの女性記者が車椅子で取材に来ていた。同伴者と一緒にパラボートの試乗も。
湖畔の古城や、アルプスの山々を眺めながらのボート乗りが 簡単に出来る。
リゾート地での身体障害者のための施設として広めていきたいという主催者の意向だ。
最大目標は2016年のパラオリンピックでの参加競技となること!
現在、ほとんどが ボランティアで運営している団体だが、いつかは この黄色と白のボートが世界中の湖上、海上で見られることになるかも!


音楽学校合宿

2006-05-28 06:16:47 | 音楽
次女と長男が音楽学校主催の合宿に参加した。
次女はヴィオラ、長男はチェロで オーケストラに参加している。
今週木曜日は休日で 普段の学校は日曜日まで連休となる。この期間を利用してオーケストラの強化合宿が催された。
トゥーンから電車で15分ほどのシュピーツへ、それから バスで5分、ファオレンゼーにある湖畔の旧小学校が 合宿場所だ。
牧草地の中、新緑が目に染みる。
12歳から16歳までの学生が40人位、二人の教師に引率されての三日間だ。
もちろん音楽三昧。男女に分かれて6人から8人部屋で就寝。毎晩 2時、3時は当然のことだろう。どんな話に花を咲かせたのか。
土曜日は 近くの教会でコンサートだ。
家族が迎えを兼ねての観客だ。
クラシック、ジャズ、映画音楽。
次女はオーケストラとのソロ演奏、家での練習で聞きなれた曲だが、音がはずれないか ちょっと はらはらする。
ガムを噛みながら奏している長男は あとでちょっと文句をいってやろう。
演奏を終えて 寝不足の二人、かなり疲れているようだ。

GauklerFest

2006-05-21 04:01:14 | 催し物
第3回曲芸師祭りが 金、土曜日に催されている。
トゥーンの街中、3ヶ所の広場で15グループがそれぞれの技を披露している。
ピエロたちがあちこち歩き回り、ちょっとしたおとぎの国の雰囲気だ。
観客をひっぱり込んでの手品。綱を使ってのマジックに手伝わされた子供は驚愕。
アクロバットの二人組、観客の男性を参加させようとバニーガール姿の女性が誘うと、4歳ぐらいの娘が父親にしがみついて離れない。男性は真っ赤になっている。バニー嬢、あきらめて別の男性に。
ここは 綱渡り。間近に緊張感が伝わってくる。
異様な化粧と衣装の男女、ただじっとたたずんでいる。
ヘルメット上に作成されたバスケットボールネッツに、掃除機を逆にして空気を噴出し、風船のジャグリング。シュートは如何に?
三人が綱を引き合ってバランスを取っている高い台の上で 火のついた棒でジャグリング。大道芸人たち、よくいろいろなことを考えつくものだ。
街中、あちこちから笑い声が響いてくる。
グループはスイス外からも来ている。英語まじりのドイツ語が聞こえてくる。
買い物がてらに のんびり街を散歩。春の嵐か時折突風が、市の屋台を吹き飛ばしそうだ。花屋のライラックの花束がこの季節らしい。



Sushi-Lounge WASABI

2006-05-06 19:18:37 | 食べ物
Sushi-Lounge WASABI

 去年の11月、トゥーンの街中に寿司屋ができた。
 スイスの日本語季刊誌『Grüezi』の編集者 野嶋さんに「取材したら?」と薦める。
 先日も行ってみたら 握っておられる小倉さん曰く、「Grüezi」のおかげでお客さんが増えました。」とのこと、安心した。
お昼のメニューが最高だ。
ちらし寿司+サラダ+みそ汁で 15フランなのだ。あるだけの魚を乗せてくれる。
鮭、マグロ、ホタテ、甘エビ、イカ、ハマチ、カニ、トビコ、ワカメに野菜。
スイスでは思いも寄らない量と値段に、連れて行く友達は皆満足だ。
おととい、中央スイスのシュヴィーツから2時間半かけてやってきた友達は、「これからはトゥーンというと あなたとお寿司の比重が同格って感じだわ。」と喜んでいいのかどうか。
在住外国人の比率の低い保守的な街で、『すし』がどう定着していくだろう。
好きな人はもちろんいる。が、端から毛嫌いする人も多い。魚を食する自体、稀なところなのだから。
 気が向けば すぐお寿司が食べられるようになったことに 在スイス21年、感慨に耽る。