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『風林火山』第35話『姫の戦い』

2007-09-25 | 風林火山
 第35話『姫の戦い』感想。まずは鬼美濃、原の屋敷から。砥石城で足を撃たれたが命に別状はなく、気さくに勘助を迎える原。直情的で謀略嫌いだけど、勘助の功績は素直に認めている様子。その昔勘助に湖に沈められかけたのに、いい人だ(笑)。
 原の末娘リツが、いつも噂に聞いている勘助に会えて嬉しそう。かわいいなあ。勘助を好きというよりファンなんだろう。姫を慕い影ながら尽くすというのが女の子好みなのかな。きっと原が面白おかしく話しているに違いない(笑)。
 しかし和やかな雰囲気の中でとんでもない噂が!お屋形さまに側女!?いつの間に…。というかドラマでは戦続きだからとてもそんな様子は感じられないんだけど。さあ勘助が大変だ。

 久々の由布姫はお屋形さまに放っておかれ気味でご立腹。元々気の強い姫だから、放置なんてプライドが許さないだろうなあ。そうでなくてもあれだけの騒動の末に側室になったのに放っておかれては、「じゃあ最初から側室にするな!」と怒りたくなってしまうだろう。普通の姫なら仕方なくのんびり暮らすだろうけど、由布姫だからなあ(笑)。
 ところで勘助が四郎に筆を贈り、それを四郎が当然のように受け取っていたのが何だか微笑ましかった。きっと勘助は諏訪に来るたびにお土産を持ってきているに違いない。ジジ馬鹿な勘助(笑)。
 
 由布姫は大井夫人の見舞いという名目で甲府を訪れる。そして勘助は大急ぎでお屋形さまの部屋にずかずかと入り障子をピシャッと閉め、なんか知らんうちに側女が増えてますぞお屋形さまぁっ!と言わんばかりの勢いで問い質す(笑)。今回ってちょっとコメディ調だな。晴信は最初そらっとぼけていてうっかり私は信じそうになってしまった。が、勘助には通用せず。
 晴信いわく、由布姫はいくさのことばかり話すので一緒にいても心が休まらないらしい。で、心を休める用の側女を新たに作りました、ってわけか。まーいいご身分だこと!!晴信ってそんなに女好きには見えなかったけど、こういうこともあるんだなあ。由布姫と今回の側女はまったく訳が違う。由布姫が側室になったのは軍略の一部。だけど今回の於琴姫はなんの必要性もなく、ただの晴信の気休め用?こりゃ由布姫はキィーッてなるわ。

 側女以外に由布姫が激怒するようなことが発覚。なんと寅王丸が出家させられたことを由布姫は知らなかった。そういえばそうだったなあ。由布姫にとって寅王丸は亡き父の嫡男というかなり大事な存在。それを遠くに追いやった上に事実を隠していては、由布姫の眉も吊り上りっぱなしになってしまうだろう。最悪なタイミングで発覚してしまったなあ。

 由布姫と四郎のための宴で、家臣達の思惑が交錯する。というか、この演出だと家臣達がテレパシーで会話しているように見える(笑)。武田の家臣はテレパシーくらい使えないとね。新しい側女の於琴姫に子が生まれるかどうかで状況が変わるという意見が飛び交う中、駒井があっさり一言。「おりますよ。腹にお子が。」なんで知ってんの駒井ー!!おおお、一番あなどれないよ駒井。

 ついに於琴姫の存在を確認した由布姫は、勘助に眉を吊り上げて「その姫をここに連れてまいれ!」と言い放つ。早々に直接対決をお望みか!ほんとに好戦的な姫様だわ。しかしそこへ登場したのが三条夫人。「何を血迷うておられるのか」とあの柔らかい京言葉で由布姫をたしなめる。嫉妬に燃える由布姫とは対照的に、正室の落ち着きを見せる三条夫人は大人だなあ。三条にとっては側室が一人から二人に増えただけ。何人増えようと自分は正室の務めを果たす。夫を思えばこそ、女性としての気持ち以上に責務を大事にする責任感と理性。三条夫人のこういうところが大好き。

 大人な態度の三条夫人に対して、今回の由布姫は男性から見たら我侭で愚かに見えるのだろうか。私には、嫉妬や現状のやり切れなさに苦しむ由布姫がかわいく見えた。愚かな子供を見守る親のような感じかもしれない。
 そして勘助はもっともっとずーっと由布姫がかわいくて仕方がないのだろう。またお屋形さまの部屋へ飛んで行って障子をピシャッと閉め、今宵こそ由布姫のところへ行くんですよ!と余計な世話を焼く。が、お屋形さまは由布姫に睨まれるのがやだとか、由布姫が武将だったら諏訪を落とせたかのうとか、ごねるごねる。勘助に一喝されると、「板垣に似てきたのう。」などとのんきなことを言うお屋形さま。それはなんか嬉しいわ(笑)。でも板垣はどっしり構えて包容力のある父親だけど、勘助は心配性で口うるさい父親だな。そう、今回の勘助は忠実な家臣というよりは、つい親心で右往左往してしまう父親のような役回りだった。
 
 勘助に「四郎を武田の跡取りとして育てる」と宣言した由布姫。それが姫の戦いらしい。戦わずにはいられないんだな、この姫様は(笑)。なんとなくわかった。由布姫は何かを為したいんだろう。晴信の側室になる際、国として生きる事を課せられ、その割りにまつりごとにも武田の家中にも関わることができずに諏訪に放置されて、とにかく何かしたくて仕方がなかったのではないか。三条夫人は母親以外に正室としての務めを果たし、武田を奥で支えているという満足感が得られる。けど由布姫にはそれがない。多少我侭ではあるものの、可哀相に思えるなあ。

 勘助はすでに四郎が生まれた時からこの子を跡取りにと夢見たけど、さすがに嫡男を無視してそんなことを口に出来るはずもない。渋る勘助に由布姫がトドメ!「このままではまた諏訪の姫としてお屋形さまの首が欲しくなってしまう」。勘助、思いっきり動揺!これはね、由布姫はたぶん本気ではないと思う。けどこう言えば勘助が慌てるから(笑)。姫の思惑通り、勘助は鬼になる覚悟であわてて於琴姫の滞在する寺へすっ飛んでいきました。
 今回は勘助の表情や動きがコミカルだったり、晴信が全然悪びれず飄々としていたり、全体的に楽しかったです。


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