むかし むかし あるところに
わかい ろくにんの しまいが すんでいました
おとうさんも おかあさんも しんでしまって いないのですが
みんなで たすけあって くらしていました
ろくにんしまいは いつもなかよし
ろくにんは まいにち
じぶんたちの ねる ベッドを
くじびきで きめました
まどのそばの ベッドは すこし さむいので
いつも おなじひとに ならないように するためでした
ろくにんしまいは いつもなかよし
あるひの よる
いつものように くじびきを したら
いちばんうえの ねえさんが
まどのそばの ベッドで ねることに なりました
いもうとたちも それぞれ じぶんの ベッドへ はいりました
みんなで 「おやすみなさい また あした」 と いいました
ろくにんしまいは いつもなかよし
ところが そのよるは いつもと ちがいました
いえの ちかくに わるい あくまが やってきました
まどの そとから いえのなかを のぞきこむと
すぐちかくの ベッドに むすめが ねているのが みえました
あくまは そっと まどを あけると
そのむすめを さらって いきました
しかし いちばんしたの いもうとが それに きづきました
「みんな おきて。 ねえさんが さらわれた」
いもうとたちは とびおきて ねえさんを おいかけました
ろくにんしまいは いつもなかよし
あくまは ねえさんを かかえて はしっていました
しかし いもうとたちが おいかけてきました
「まて。 ねえさんを はなせ。」
いもうとたちは あっというまに おいつくと
あくまを こてんぱんに やっつけました
ねえさんは 「みんな ありがとう たすかったわ」
と いいました
そして ろくにんで てをつないで いえに かえりました
ろくにんしまいは いつもなかよし
つぎのひの よる
いつものように くじびきを すると
また いちばんうえの ねえさんが
まどのそばの ベッドに なってしまいました
ねえさんは いもうとたちの だれかが
「あんなことが あったから きょうは
ベッドを かわってあげるわ」 と
いってくれるのを まっていました
しかし いもうとたちは みんな さっさと
じぶんの ベッドで ねてしまいました
ろくにんしまいは いつもなかよし
