福島の今と未来~福島に住めない町はあるのか~

福島には未だ帰れない町が存在します。巷間にあふれる情報と、自分なりの考えに基づき「原発」「放射能」「福島」を検証します。

除染の難しさ

2015-10-06 06:40:30 | 3.11

「住宅除染」進捗率は70.6% 8月末現在 公共施設は92.3%

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151005-018039.php

国直轄ではなく、自治体が行っている除染の進捗調査のようです。

避難地域なのか、線量が比較的低い地域なのか分かりませんが、場所によってはまだ半分くらいしか除染が進んでいないという状況です。

最も非効率的で難しいとされる山林などは、一番進捗率が悪いのではないでしょうか。山林で生活している人はいないでしょいうが、山菜の採集や林業、野生動物に影響があります。野性動物が山から下りてくると、高い放射能も運んでくるから厄介、という話にもなります。流動性のあるものも含め、面的除染を全て完了するのはやはり容易なことではありません。


災害大国・日本の現状

2015-09-19 11:19:22 | 3.11

未曾有の豪雨被害により、日本の町がまた一つ、悲劇に見舞われました。

大雨で河川が氾濫、堤防の高さをこえた越水により、茨城県常総市の住宅街が街ごと浸水、甚大な被害を及ぼしました。


「堤防決壊」と言われますが、正確には川の水位が増して堤防を乗り越えてきた越水被害です。しかも、国土交通省の調べでは、鬼怒川周辺の堤防は防災上の不備が指摘され、その整備に取り掛かる前に今回の悲劇が起きてしまいました。


全国でこうした未整備の堤防は70か所もあると言われ、護岸工事など防災面を緊急に強化する必要があります。常総市を対岸の火事とせず、私達の住む街も潜在的に同じリスクを抱えているという意識の共有が必要でしょう。国は責任を持って行動に移してほしいです。


東日本大震災を経験して、私達は何を学んだか。一番の教訓は、私達の生活は常に災害と隣り合わせにある、という危機意識、それに対する備えを怠ってはならない、という危機管理の徹底でしょう。本来なら政府や行政が率先してやるべきですが、なかなかリーダーシップを発揮してくれない。そのツケを払うのは国民だと肝に銘じて欲しいです。そして我々国民は、常にその声を届けていく努力を怠ってはなりません。


国土の7割を山岳地帯で占められた私達の国は、災害に脆弱です。それだけ自然の猛威に囲まれているという風土的条件があるのです。災害に備え、人の命を守るためのインフラ強化は欠かせません。


日本には、「災害省」もしくは「災害庁」の新設が必要ではないでしょうか。


 


民主党政権下での震災対応検証の必要性

2015-07-05 21:57:02 | 3.11

20011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方に深刻な被害をもたらし、今なお復興は道半ばという惨状にあります。

戦後日本列島に発生した大震災としてはこの他に阪神淡路大震災が挙げられますが、ここまで復興が遅れるということはありませんでした。

東日本大震災はその規模に加え、津波による被害と原発事故による物理的・心理的な被害が深刻であったため、阪神淡路大震災より状況は厳しく復興の妨げになっていると言えます。

しかしそれ以上に、復興の前進を阻んでいるのは、当時政権の座にいた民主党による震災対応があまりにもお粗末であったこと、その後遺症を現政権もずっと引きずっていること。この2点に尽きると思われます。

全て民主党政権のせいにするつもりはありませんが、今ではあまりにもその影が薄れ、原発事故や住民の避難生活も全て東電に責任があるという違和感のある既成事実化が進んでます。

現在の自民党政権では何でもかんでも政府が悪い、というような印象操作がなされていますが、その理屈でいえば原発事故の被害や後処理の不始末なども国家に責任があるということになりますが、不思議とマスコミは民主党には甘いみたいです。このへんの報道の仕方が本当におかしい。

やはりちゃんと検証しなければならない。震災が発生し、原発事故が起き、住民は強制的に避難させられ、何千頭の家畜が殺処分の憂き目にあった。そして今なお多くの住民が故郷に帰れず、住みなれない土地で避難生活を余儀なくされている。

この一連の流れと、その状況を作りだした時々の判断は果たして正しかったのか。ここはきちんと精査されてしかるべきなのに、今ある状況はまるで仕方ないかのように放置されている。本来なら味わう必要のない苦難を多くの人が我慢して呑み込んでいるという現実を、政治家も役人もメディアも国民ももっと深刻に受け止めるべきではないでしょうか。

ちょっと時間をかけて、このブログで検証してみたいと思います。


事実は事実として知られるべき

2015-06-20 11:19:51 | 3.11

いつだったか、安倍内閣の閣僚が、「原発事故による放射線障害が原因で亡くなった方はいない」と発言し、問題になりました。

しかし、これは事実です。原発事故で多量の放射線が漏れたことは事実だが、それが直接の原因で死亡もしくは被害に見舞われた人は一人もいない。

この事実を知らない人は、意外と多い。この問題にあまり関心を持たない人などは特に、震災で亡くなった方の中には、原発事故が原因による人も多数存在すると、何となく考えている人が多い。

いわゆる「原発事故関連死」とは、原発事故が原因で避難を強いられたことによるストレスや心労、病、自殺などで亡くなられた人たちのことをいいます。原発事故によって拡散した放射線を大量に浴びて住民が重度の障害に見舞われたり、作業員が亡くなったりしたという事例は一つもないのです。

大事なことなので、繰り返します。あの原発事故を考えるうえで知っておくべき事実は、

放射線障害で死亡した人は一人もいない。

原発事故で不幸にも亡くなられた人は、避難先でのストレスや心労、それによって引き起こされた病が原因

「原発は問題だ」と主張するのはいいが、ちゃんと事実は事実として広く国民に周知しなければなりません。それが民主主義社会の基本です。

 


風評被害を払拭するために

2015-06-14 10:47:45 | 3.11

風評被害とは、実態を伴わないイメージの産物といえます。

福島産の野菜や米、海産物の多くが買い控えられている現状は、まさしくそんな不正確で独り歩きした情報によって踊らされ、本来あるべき姿を大きく歪ませているのが実情です。

まず、情報の受け手である我々が、正確に事実を把握する必要があります。

○各国における食品中の放射性セシウム濃度の基準値(ベクレル)

日本  飲料水10       ヨーロッパ  飲料水1000     米国  飲料水1200

     牛乳50                 牛乳1000            牛乳1200

     乳幼児食品50            乳幼児食品400        乳幼児食品1200 

     一般食品100             一般食品1250        一般食品1200

 

欧米に比べ、日本の食品中における放射性セシウム濃度の基準は桁違いに厳しいことが分かります。

この世界一厳しい基準をクリアした食品のみが、市場に出回って食卓に届けられています。もちろん福島産も厳格な検査をパスした安全なものしか市場に出回らない仕組みなのです。なので、福島産だからといって買い控える必要は全くないと言えます。

また、福島で生産された米は、全袋検査が課せられています。平成26年には約1099万袋の検査が実施され、全てが100ベクレル以下の基準値に収まっています。

それだけでなく、25ベクレル以下の低線量が99.98%。本当に従来のイメージのように、福島のあちこちが放射能によって汚染され、福島で生産される米も野菜も全て危険だとするなら、とてもこんな検査結果にはならないはずです。

実際に検査してみれば、福島産の食品も全国他の地域と大差ないというのが実態です。いかに私たちが独り歩きした情報、間違ったイメージによってあるべき現実を歪めているか。そしてそれによってどれだけ多くの人の生活を不幸にしているか。新聞やテレビの情報に接する前に、今一度よく考える必要があるかと思います。